今どんなに売れていて有名な漫画家さんでも、必ず皆生み出した作品が認められるまで苦労しているのです。
そんな貴重な有名漫画家さん達のデビュー作や、初期の頃の作品、読んでみたいとは思いませんか?
というわけで今回は、このブログで紹介してきた有名漫画家のデビュー作や初期の頃の作品が収録されている短編集漫画をまとめてご紹介します。
新たに紹介した漫画家さんもどんどん追加していきますので、目次からデビュー作が気になる漫画家さんがいるか、まずはチェックしてみて下さい。
大物漫画家大先生たちの若かりし頃の作品には、将来大物になる理由がわかるナニカが必ず隠されているのです。
尾田栄一郎『WANTED! 尾田栄一郎短編集』
最初にご紹介するのは、ご存知『ワンピース』の尾田栄一郎先生。
もう世界の巨匠と言っても過言ではない漫画家なので説明するまでもないかとは思いますが、もちろんそんな尾田先生にもデビュー作というのがあるのです。
この『WANTED! 尾田栄一郎短編集』には、『ワンピース』前に描かれた5つの短編が収録されています。
そして何より驚きなのが、先生が高校生の時に描いた作品「WANTED!」が収録されている点です。
もちろん、ギャグ部分などで高校生らしさを感じたりもするのですが、それでも十分にレベルの高い画力やアングルなど、「ああ、天才っているんだなぁ」と思わざるを得ない完成度です。
『ワンピース』にも通ずる作品もあり、またほとんどの作品に今の尾田栄一郎先生の原点とも言える描写が散見できるので、ファンの方には特に読んでみて欲しい一冊になっています。
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吾峠呼世晴『吾峠呼世晴短編集』
お次は『鬼滅の刃』で一躍スターダムを駆け上がった吾峠呼世晴先生の短編集です。
この作品は、巻末のあとがきにて先生自身が「デビュー作を見られるのは恥ずかしい」と書かれていますが、しっかりと『鬼滅の刃』に繋がる和風な作品から、実験的な作品まで面白い4つの短編が収録されています。
また、吾峠呼世晴先生はジョジョ好きでも有名ですが、確かにジョジョリスペクトな描写が多く見えるのも面白いところ。
因みにですが、4つの短編の中には『鬼滅の刃』にも出てくる珠世さんと愈史郎が登場しています。
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戸田誠二『生きるススメ』
お次は短編と掌編(超短い短編のこと)の名手、戸田誠二先生の初単行本化作品です。
web上のご自身のサイトCOMPLEX POOLに掲載されいた者が出版社の目に留まり、初単行本化されたのが『生きるススメ』。
とにかく戸田誠二先生の作品は「人生」であったり「生きるという事」をあたたかい視点で描いているお話が多く、基本感動と優しい気持ちになれるので強くオススメできます。
ちょっと表紙絵が裸の女性なのでアレですが、その表紙絵も読めばわかる割と深い意味があったりします。
生きていく目的を見失っていたり、落ち込んでいたりする人には特におすすめしたい、生きる活力が湧く傑作短編集です。
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諫山創『進撃の巨人』(デビュー前の読み切り版)
こちらは諫山創先生のよる『進撃の巨人』の元となった、デビュー前に諫山先生が持ち込みされた読み切り作品です。
連載し完結した世界中で愛される『進撃の巨人』の原型となる作品であり、なんと現在は無料でネット上で読むことが出来るようになっています。
当時諫山先生は19歳。
19歳の時から、すでに進撃の巨人の世界観は作られ始めていたのだと驚くと同時に、粗削りながらもセンスと気迫の籠った迫力ある作品になっています。
漫☆画太郎『画太郎先生ありがとう いつもおもしろい漫画を描いてくれて』
お次は突き抜けたギャグで有名な漫☆画太郎先生のデビュー作が収録されている短編集。
いかにも先生が亡くなってしまったかのような表紙絵を自ら描いているあたり、流石です。
デビュー作から、ジジイとババアが登場しており、「なるほど画太郎先生はデビュー当時からひたすらにジジイババアが好きだったんだなぁ」ということがわかります。
デビュー作を含んで全部で10以上の短編が収録されていますが、基本的にう〇こまみれです。
画太郎先生のファンで未読の人は今すぐ読みましょう!
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冨樫義博『狼なんて怖くない!!』
お次は『幽☆遊☆白書』や『HUNTER×HUNTER』でこれまた世界的に超有名な冨樫義博先生のデビュー作が収録されている短編集です。
才能の塊であった冨樫先生は、デビュー前も漫画の賞などで入選していましたが、漫画雑誌デビュー作はこの作品に収録されている「とんだバースディプレゼント」になります。
その「とんだバースディプレゼント」は、ドラクエⅡが世間で発売された時代ということもあって、ドラクエな世界と現実とが混ざり合う、なかなかにぶっ飛んだ設定のお話になっており、高い画力と相まって時代を感じさせない傑作になっています。
また、収録作の中には幽遊白書に通ずる内容の物もあるので、冨樫ファンなら絶対に読んでおきたい一冊になっています。
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藤本タツキ『藤本タツキ短編集 17-21』
『チェンソーマン』で世界を恐怖とチェンソーの音で溢れさせた現代の天才、藤本タツキ先生の短編集。
グイグイ引き込む勢いに、シンプルなのに面白い物語展開、そして目が楽しい描写。
初期作からして藤本タツキ先生の天才っぷり原点が垣間見える傑作短篇集です。
4作品収録されていますが、マジに全部面白いです。
鬼頭莫宏『鬼頭莫宏短編集 残暑』
『ぼくらの』など、なかなかにヘビーな作風で知られる鬼頭莫宏先生の、意外にも心温まる作品が複数収録されている『鬼頭莫宏短編集 残暑』。
さらにこの作品には鬼頭先生が1987年に描いたデビュー作であり表題作でもある「残暑」が収録されており、兄妹を描いた感動的なあたたかいお話になっています。
他にも、後の鬼頭先生の作品に受け継がれているような暗いけれども美しい、そんな空気感の作品もあり、ファンは必読の一冊になっています。
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うすた京介『チクサクコール うすた京介短編集』
お次は、『すごいよ‼マサルさん』や『ピューと吹く!ジャガー』など、ギャグ界に革命を起こしたうすた京介先生のデビュー作が収録されている作品です。
この作品紹介記事内で熱弁してますが、僕はかなりのうすた先生のファン。
そしてうすた先生大好きな僕が読んで、「おお……足掻いてらっしゃる!」と思うような、まさに初々しいうすた先生が垣間見える貴重な短編集になっています。
さらに、ギャグではない意外なほっこり物語もいくつか収録されており、「うすた先生はやっぱりなんでも描けるんや! 天才やったんや!」と思える内容になっています。
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士郎正宗『ブラックマジック』
お次は、『攻殻機動隊』などで世界的に有名な士郎正宗先生の作品『ブラックマジック』です。
士郎正宗先生は最初同人誌で漫画を描いていたのですが、その頃に描かれコミックス化されたのが『ブラックマジック』です。
高い画力と、変態的な世界観の作り込み、そして登場するロボットの内部の細かな設定まで、唖然としてしまうほどの世界観になっています。
また、この『ブラックマジック』内の1つのエピソードを基にしたOVAが製作されており、監督は士郎正宗先生自らが行っています。
その作品「ブラックマジックM-66」はアニメファンの中でも伝説の作品とされていますので、気になる方は調べてみてください。
とにかく、後の『攻殻機動隊』や『アップルシード』に繋がる変態的世界観の源を垣間見れる短編集になっています。
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伊図透『辺境で 伊図透作品集』
『銃座のウルナ』、『おんさのひびき』などの伊図透先生の、自費出版作品も収録されている作品集。
当ブログでは1巻完結漫画として『犬釘を撃て!』を紹介しました。
とにかく熱くてシブい登場人物に、温かみのあるハイレベルな筆致、そして心踊る物語。
そんな伊図透先生の原点とも言える作品集で、かつのちの作品のもとになっているのがよくわかる作品も多数収録されています。
むしろこの作品集から入るのも全然アリだと思えるほど、完成されていて面白いです。
まとめ:どんな大御所漫画家にもデビュー作というのがあるのです
有名漫画家さん達のデビュー作・初期作紹介、いかがでしたでしょうか?
当たり前なのですが、今どれほど大御所になっていたとしても、必ずデビュー作というのがあるものです。
そういったデビュー作には、今とは異なる作風が見れたり、本当にやりたい事が描かれていたり、あるいはなんとかデビューすべく足掻きまくっているのが感じ取れたりと、色々な意味で貴重な漫画になっているのです。
デビュー作がそもそも単行本化されていない事も多いのですが、今回紹介した漫画のように短編集として単行本化されている作品もあり嬉しい限り。
今後もデビュー作・初期作の収録されている短編集を紹介し次第、この記事にも追加していきたいと思っていますので、ひとまずは今回ご紹介した漫画家さん達のデビュー作、気になる漫画家さんや好きな漫画家さんの作品があれば読んでみて欲しいです。
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