『チェンソーマン』で世界中の度肝を抜き、『ルックバック』など読み切り作品では心に強く訴えかける物語を紡ぐ漫画家、藤本タツキ先生。
僕も『チェンソーマン』は全て読んでおり、読みながら何度も「この人の頭の中どうなってるんだ?」というぶっ飛びっぷりにただただ衝撃を受けておりました。
そんな中での『ルックバック』ですから、もう天才なんだな、と思うしかありません。
となると果たして初期の短編はどのような漫画を描いていたのか?ということが当然気になるわけです。
そんな藤本タツキ先生の原点を垣間見ることが出来るのが、今回ご紹介する短編集『藤本タツキ短編集 17-21』です。
藤本タツキ先生の原点にして既にしっかりと出来ていた物語構成の面白さと勢い、ぜひ堪能してみてほしいです。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
藤本タツキ短編集 17-21 | 藤本タツキ | 集英社 | 2021年10月4日 |
『藤本タツキ短編集 17-21』を読んだら……
あ、やっぱりこの人天才だ……と思ってしまうような面白さが詰まった、初期作と思えないクオリティの短編集が楽しめます。
『藤本タツキ短編集 17-21』はどんな漫画?
この作品は藤本タツキ先生が大学入学前であった17歳に描いた最初期の短編から、4つの短編漫画が収録されている短編集です。
それぞれの作品の後には藤本先生のコメントが載っており、どんな状況で産み出された作品なのかがわかるのも面白かったです。
ここではそれぞれの漫画の内容をざっくりとネタバレしない程度にご紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。
庭には二羽ニワトリがいた。
タイトルからは全く想像できない、宇宙人と人間との新たな関係性が描かれている作品。
中盤まではギャグな雰囲気もあって笑える箇所もあるのですが、中盤以降は一気に展開も引き締まっていき読者をグイグイ惹きつけます。
最初期の作品とはいえ、画力は高く見せ方も巧いなぁ、と読みながら思いました。
まさに原点と言うべき様々な魅力の詰まった短編です。
佐々木くんが銃弾止めた
タイトルが最高。
とある学校での出来事を描いた作品で、タイトルにもある佐々木くんはとある美人な先生が好き。
そしてその先生を巡るある事件が学校内で起き、事態はとんでもない方向へと展開していきます。
まず設定と展開がすごく面白く、さらに佐々木くんを中心としたセリフが最高に面白いです。
漫画ってセリフで結構差がつく――と聞いたことがあるのですが、なるほどこういうところなんだろうな、と思いました。
ラストシーンまで楽しめる、短編なのに映画見たような読後感の傑作。
恋は盲目
生徒会長の恋を描いた作品。
本当に内容は生徒会長が恋してるだけなのですが、勢いがものすごく、さらに生徒会長の決意を邪魔しようとする出来事が次々と起き、笑えるし面白いしの不思議な作品。
ここまでシンプルな設定でもこんなに面白く出来るのか! と、改めて藤本先生の凄さを感じる一作。
シカク
最強の殺し屋の少女・シカクが不思議な男からの依頼を受けるお話。
ちょいグロなアクションにぶっ飛んだ展開の、非常に藤本先生らしい作品。
最強殺し屋少女だけでも面白いのに、様々な要素をぶっこみ、さらにクライマックスでは予想しなかった方向へ展開するのは流石の一言。
『藤本タツキ短編集 17-21』を読んだ皆さんの反応
『藤本タツキ短編集 17-21』は破壊力と面白さに満ちた藤本タツキ先生の原点が垣間見える傑作短篇集
Twitterなどを眺めていても多くのコメントがあったのが、この短編集の巻末に書かれている藤本タツキ先生のあとがきについてです。
藤本タツキ先生が震災後に感じていた無力感などについて触れられており、それらの感情が作品に活かされていることを知ることが出来、とても感慨深いです。
漫画の面白さの根幹にあるのは、描いている漫画家さんの心そのものだと思います。
『ファイアパンチ』や『チェンソーマン』などのぶっ飛んだ作品から、『ルックバック』のような作品まで、そして今回ご紹介した短編集にも、藤本タツキ先生の心と感情はしっかりと乗っており、だからこそ面白いのだと思います。
少しでも藤本タツキ先生に興味がある方は、試し読みからでもいいのでぜひ読んでみてください。
きっとあなたの心に響くナニカが描かれているはずです。
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