イアラーーーー!
↑↑この叫びの意味が知りたいですか?
では、ぜひ『イアラ』を読んで愛する女性の叫んだ謎の言葉の意味を追い求める時代を超えた旅へと出発しましょう!
――それはさておき。
楳図かずお先生へのイメージは多くの方が「ホラー漫画」であると思います。
しかし、以前紹介した『ロマンスの神様』であったり、楳図先生はホラー漫画家としてのイメージが定着してはいるものの様々なジャンルの作品を描いています。
何しろ手塚治虫先生などもいた時代を戦い抜いてきている漫画家さんなので、それはもう百戦錬磨、あらゆるジャンル、あらゆる絵柄を試行錯誤して生き抜いてきたまさに楳図かずお大先生。
今回ご紹介するのは、楳図かずお先生渾身の、世代を超え、時代を超えて描かれる壮大な愛の物語『イアラ』。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
イアラ | 楳図かずお | 小学館 | 2002年 |
単行本化された年とは異なり、描かれたのは今から50年近く前。
そんな古い作品であるにも関わらず、楳図かずお先生の画力と物語の濃さでとても濃密な体験ができます。
楳図かずお先生の凄さを改めて認識できる読み応えもとてつもない大傑作です。
『イアラ』を読んだら……
イアラー! の壮大過ぎる意味探しの旅に手塚治虫感を感じました。
『イアラ』はどんな漫画?
『イアラ』は、メインとなる表題作『イアラ』と、『ねむり』、『雪の夜の童話』、『指』の3つの短編が収録されています。
後半の3つの短編は短いながらに皮肉めいたものであったり、女性の一生の儚さを表現したような鮮烈な内容のものであったりとそれぞれが強烈なインパクトを残す作品となっています。
そしてなんと言っても表題作の『イアラ』が凄いです。
『イアラ』では、実際の歴史を絡めて物語が展開していくのも面白いポイント。
物語は奈良時代から始まり、運命を感じ合った土麻呂(つちまろ)という男と、小菜女(さなめ)という女性が物語の中心人物となります。
そして奈良時代編では聖武天皇による大仏建立が重要なポイントになっており、土麻呂と小菜女もその大仏建立の現場で再会と別れを経験することになります。
タイトルの『イアラ』というのは、奈良時代編にて最後に小菜女が叫ぶ言葉なのですが、土麻呂はその言葉の意味を探し求め、さらには様々な時代に転生しているサナメを探し求め、長い悠久の時を生きていくのです。
果たしてその悠久の時を超えた旅に終わりはあるのか?
サナメとの再会は叶うのか?
イアラという言葉の意味は何なのか?
ぜひご自身の目で確かめてみて欲しいです。
かなり濃くて、テキスト量も多いのでページ数以上に読み応えがあります。
それでも、楳図先生の絵と、作品全体にほんのり漂う不気味な雰囲気がぐいぐいとイアラの世界へ読む側を惹き込んでいきます。
更に実在の人物(秀吉や千利休、松尾芭蕉なども出てきます)との絡みが面白さを増しているようにも感じました。
腰を据えてじっくり読んで欲しい大傑作になっています。
『イアラ』を読んだ皆さんの反応
『イアラ』は楳図かずお先生渾身の世代を超えてその言葉の意味を探る壮大な物語
イアラーーッッ!!
楳図先生の作品は、やはり色々な意味で心に残るのです。
この『イアラ』も、小菜女が叫んだ時の表情とセットで忘れられなくなりますし、じぃっと見つめる色男な土麻呂も十分トラウマになり得る不気味さを秘めていたりします。
ぐいぐいと惹き付ける物語構成、絵力、流石楳図かずお先生と言うほかない圧倒的世界観の傑作、ぜひ読んでみてください。
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