読み切り漫画という制約の多い作品の中、漫画家さん達が知恵を絞ってまとめあげた珠玉の泣ける物語の数々。
今回は、ネット上で正しく無料で読むことが出来る読み切り漫画の中から、感動&泣けちゃう作品を厳選してご紹介いたします。
サクッと読めるのにじんわりと泣いてしまう、そんな傑作達をどうぞハンカチを手にお読みください。
- 『ふたりの告白』西瓜士
- 『しかたなしの極楽』はやしわか
- 『ストロボソーダ』高野雀
- 『きみの夏休み』春野ユキト
- 『水と油でかける橋』赤穂ゆうき
- 『白球の葬式』赤城麦
- 『ねぇねぇ、ねねさん。』 天色ちゆ
- 『世界のおわりのペンフレンド』 岩田雪花/松浦健人
- 『僕とお父さんについて』 薄場圭
- 『苺パフェな神様』窓田究コ
- 『カナブンと頭痛薬』折田洋次郎
- 『ガールフレンド』岸川瑞樹
- 『キスしたい男』タイザン5
- 『ドロップアウト』鹿原史生
- 『サカナが潜る白い海』中田祐樹
- 『午前0時の証明 』Fuki
- 『ハチウエは機械の父』ネズクマ
- 『リスおねえちゃん』ナカハラエイジ
- 『Jack&Liar』南野夏雄
- 『毒で探して三千里』程野力丸
- 『手指の鬼』 鏡ハルカ
- まとめ:短いけれど最高に泣ける感動の物語を読んでスッキリしてください
『ふたりの告白』西瓜士
職場でのうっかりミスで凹んでいる主人公の女性。
そんな主人公には想いを寄せる女性がいて……。
と、普通に読んでいると恋愛モノのようなのですが、中盤からの展開は度肝を抜かれます。
全ての伏線が繋がり迎えるラストでは、きっとあなたも泣いてしまっているはず。
決してハッピーエンドな物語ではないけれど、あたたかくて泣けて勇気をもらえる、そんな傑作です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ふたりの告白 | 西瓜士 | 39ページ | コミックDAYS |
『しかたなしの極楽』はやしわか
昭和年代に戦争や病に翻弄された少女の一生を描いた読み応えも凄まじい傑作読み切りです。
しっかりした物語に支えられ、主人公の女性と戦争に駆り出される男性との恋愛も実に初々しく、感動的。
終盤僕は泣きっぱなしでした。
ラストカット、あたたかさと優しさに包まれるような気持ちになれる傑作です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
しかたなしの極楽 | はやしわか | 47ページ | コミックDAYS |
『ストロボソーダ』高野雀
少しずつ世界とズレていってしまっている父親と息子との、超短いのにじんわりと泣ける感動傑作。
漫画内から漏れ出てくる空気感もすごく良く、生々しく、そして悲しい雰囲気にどんどんのめり込んでいってしまいます。
誰の身にも起こりうる深く重い題材を真正面から描いた高野雀先生にも感服。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ストロボソーダ | 高野雀 | 16ページ | コミックDAYS |
『きみの夏休み』春野ユキト
幼い頃に母親と別居することになった主人公の少年が、母親が働いているという隣町のスーパーへと冒険する物語です。
これだけ聞くと重い話だと思ってしまうかも知れませんが、中身はとてもあたたかくて泣ける優しい物語。
セリフのない「間」で表現する描写も見事で、とても爽やかな読後感に浸れる傑作読み切りです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
きみの夏休み | 春野ユキト | 42ページ | コミックDAYS |
『水と油でかける橋』赤穂ゆうき
天才的な画力で大人たちからチヤホヤされまくる少年と、かつてとある出来事がきっかけで絵描きへの道を諦めた女性の、心温まる物語。
絵画のお話ではありますが、描かれているのは普遍的で深いテーマであり、ちょっとひねくれている少年が変わっていく様子と、ひたすらに沁みるセリフを言ってくれる女性との交流がとにかく泣けます。
読み切り作品としてのまとまりっぷりも素晴らしく、絵とか関係なしに皆におすすめしたいとても良い作品でした。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
水と油でかける橋 | 赤穂ゆうき | 59ページ | 少年ジャンプ+ |
『白球の葬式』赤城麦
「私」は明日死ぬ――
そんな不穏なセリフから始まる物語ですが、最後まで読むとそのセリフへの印象がガラッと変わります。
野球に心血注いできた少女と少年が主役の漫画なのですが、読み切りとしたくどくもなく、きれいにまとまっている作品でもあります。
そして、おいおい泣いちゃうタイプの感動ではないのですが、少女の決意にじんわり感動させられ、そしてちょっと考えさせられる、そんな深い味わいのある読み切りになっています。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
白球の葬式 | 赤城麦 | 36ページ | 少年ジャンプ+ |
『ねぇねぇ、ねねさん。』 天色ちゆ
グルメ&ラブコメのイチャイチャするやつでしょう?
と予想しながら読んでめっちゃ泣かされる傑作。
違和感しかない夕飯だけの関係の男女の秘密が明かされた時、きっとあなたの涙腺は溶けてどっかいきます。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ねぇねぇ、ねねさん。 | 天色ちゆ | 62ページ | 少年ジャンプ+ |
『世界のおわりのペンフレンド』 岩田雪花/松浦健人
大きな災害により壊滅的な被害を受けた日本が舞台の読み切り作品。
少女がこっそりと通う朽ちた文房具店で、かつてアニメーターだった男性との心温まる交流が描かれるのですが……。
面白い設定に高い画力、そしてアニメーターの男性と少女をつなぐアニメと、その落書き。
全体的に素晴らしくまとまっていて、かつめっちゃ泣ける傑作です。
きっとラストページ、あなたの目にも夕日が滲みちゃうはずです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
世界のおわりのペンフレンド | 原作:岩田雪花 漫画:松浦健人 | 55ページ | 少年ジャンプ+ |
『僕とお父さんについて』 薄場圭
死んでしまった父への思い出を持った少年が、新しく家へやってきた男性と本当の家族へなっていくまでの感動の物語。
絵のタッチに温かみがあり、物語もすごく感動的でじんわりと心に沁みてきます。
展開こそ予想できるかも知れませんが、センスの良いセリフと人物描写できっと涙を流してしまうと思います。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
僕とお父さんについて | 薄場圭 | 42ページ | 少年ジャンプ+ |
『苺パフェな神様』窓田究コ
タイトルからは想像できない、予想外な展開に泣かされるとても優しくて心温まる感動の物語。
最後まで読んで全てがつながるタイプの物語なので、2度目も一気に読んでみてほしいです。
2周目は冒頭から泣けます。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
苺パフェな神様 | 窓田究コ | 48ページ | 少年ジャンプ+ |
『カナブンと頭痛薬』折田洋次郎
彼氏を事故で失ってしまった女性の、すごく考えさせられる感動の物語。
大号泣、というタイプのお話ではないのですが、じんわりと感動が広がっていく、そんな不思議な作品でとてもおすすめです。
彼氏が事故を起こしてしまった事に直接の関係があるかはわからないけれど、自分がしてしまった些細な意地悪をずっと思い出してしまう主人公女性の心理描写が実にうまく、ラストにはしっかりと前向きになれる展開で終わっていて読後感も良いです。
深くて考えさせられるような味わいのある感動が好きな方には特におすすめです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
カナブンと頭痛薬 | 折田洋次郎 | 46ページ | コミックDAYS |
『ガールフレンド』岸川瑞樹
昔大好きだった男の子との久々の再会。
するとその男の子は見た目も大きく変わってしまっていて……。
『ガールフレンド』はんな現代的で考えさせられる恋と友情の物語です。
そして、「好き」という感情ってなんなのだろう?という深すぎる問いかけもされているかのような、感動するだけに留まらない奥深い作品になっています。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ガールフレンド | 岸川瑞樹 | 30ページ | コミックDAYS |
『キスしたい男』タイザン5
載せる特集記事間違えてませんか?
と思うような、アンジェリーナ・ジョリーとキスしたい少年が登場する物語。
どう考えたってギャグ漫画っぽい雰囲気なのですが、読むとわかる全く異なる展開と雰囲気の作品で、どちらかと言えば重暗い雰囲気です。
そして全てを知った後での物語終盤、きっとあなたは泣かされることでしょう。
意外性に満ちた、タイトル詐欺な傑作です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
キスしたい男 | タイザン5 | 48ページ | 少年ジャンプ+ |
『ドロップアウト』鹿原史生
自らの死ぬタイミングを決めてしまった女性と、無気力に日々を生きていた少年との生死について考えさせられる感動の物語。
設定だけを見るとヘビーな内容にも思えますが、前向きに生きていく活力を得られるような、素敵な物語になっています。
特にクライマックスの海岸での2人のシーンは胸を打たれること必至です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ドロップアウト | 鹿原史生 | 46ページ | 少年ジャンプ+ |
『サカナが潜る白い海』中田祐樹
一家心中に巻き込まれたのに、1人生き残った少年。
ものすごく重い過去を持つ少年が、ある日魚のような不思議な生物と出会い、絆を深めていく。
――非常にうまく練られた物語と少年の成長とが描かれている物語で、核となってくる「サカナ」と名付けられた不思議な生物がめちゃかわいいです。
クライマックスで真実を知った時、感動に包まれると同時にきっとあなたはもう一度最初から読みたくなるでしょう。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
サカナが潜る白い海 | 中田祐樹 | 60ページ | 少年ジャンプ+ |
『午前0時の証明 』Fuki
午前0時になると見た目も性別もガラッと変わってしまう可能性がある、ぶっ飛んだ病気「変身病」。
そのレアな病気に侵された若い漫画家と、漫画編集者との不思議で泣ける物語。
ある意味、多様性をものすごく極端に描写した漫画とも言えるかと思うのですが、姿かたちは変わってしまっても繋がっていることができるのか? という深いテーマが描かれています。
Fuki先生の読み切り作品はどれも面白いので、この漫画が楽しめたらぜひ他の読み切り作品も読んでほしいです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
午前0時の証明 | Fuki | 71ページ | 少年ジャンプ+ |
『ハチウエは機械の父』ネズクマ
ルーキー賞応募作品でありながら、非常に深くて泣ける物語になっている『ハチウエは機械の父』。
ディストピアな世界観で暮らす少女と父親代わりのロボットとの物語なのですが、人間でいうところの認知症をロボットで表現しているかのような作品で、すごく泣けます(『ストロボソーダ』もそうでしたが)。
さらにロボットに育てられた少女がとる驚きの解決方法も最高に泣けますし凄すぎますし必見です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ハチウエは機械の父 | ネズクマ | 50ページ | 少年ジャンプ+ |
『リスおねえちゃん』ナカハラエイジ
死んでしまった姉が、いじめられている弟を叱咤激励するべくリスの身体を借りて蘇る不思議な物語。
絵がすごく独特なタッチなのですが、このタッチが感情表現の面白さを増幅するかのようでとても泣けます。
漫画の中での号泣シーンもなぜか余計にこちらにも訴えかけるものがあるように感じてしまうのです。
四季賞受賞作でもあるのですが、納得の内容です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
リスおねえちゃん | ナカハラエイジ | 53ページ | コミックDAYS |
『Jack&Liar』南野夏雄
孤独な殺し屋と飼い猫との感動の物語。
殺し屋が死んでしまう展開なら割とあると思うのですが、今作では猫ちゃんが弱っていきます。
殺しの仕事に区切りをつけて猫と最後の日々を送ろう――なんて考えちゃう殺し屋も素敵ですし、アクションもスタイリッシュでオシャレ。
そしてクライマックス、殺し屋と猫との選択にきっと泣いてしまうことでしょう。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
Jack&Liar | 南野夏雄 | 44ページ | 少年ジャンプ+ |
『毒で探して三千里』程野力丸
コロナ禍だからこそ生まれたであろう内容の物語。
人体から毒が出ていることがわかった近未来で、特に強い毒を出している少女とその母親との感動の物語です。
まさにコロナ禍で世界中が経験したマスクの息苦しさ、疑心暗鬼になり近づきたがらない人々などの様々なコロナ禍で起きた問題を凝縮して「毒」と「ガスマスク」に置き換えて表現したかのような作品です。
クライマックスも単なるハッピーエンドになっておらず、その後を考えさせられるような結末なのもすごく良いです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
毒で探して三千里 | 程野力丸 | 41ページ | 少年ジャンプ+ |
『手指の鬼』 鏡ハルカ
手指の欠けた人間だけは食わない――。
捕らえられ、斬首する直前の美しい鬼は、なぜか指の欠けた人間だけは襲いませんでした。
斬首直前、その理由が鬼の口から明かされるのですが、その内容が恐ろしく、悲しく、そして実に感動的。
面白い! というタイプの漫画ではなく、ジワジワと心に沁み、涙してしまう……そんなタイプの傑作読み切りです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
手指の鬼 | 鏡ハルカ | 41ページ | コミックDAYS |
まとめ:短いけれど最高に泣ける感動の物語を読んでスッキリしてください
短い作品でも人を感動させることが出来る……。
僕が初めて読み切り作品で涙したときは、すごく驚きました。
長くて感情移入しているからこそ泣けるものだと思っていたので。
しかしそうではなく、短くても感動する物語はたくさんあります。
それって本当に凄いと思うのです。
漫画家ってやっぱり凄い――改めてそう思うきっかけになったのも、読み切り作品に泣かされてからかも知れません。
これからも、新しい読み切り作品は紹介していきますから、新たに感動できる傑作を見つけた時にはどんどんこの特集でも追加していきたいと思っています。
ぜひあなたも、サクッと読めるのに大いに泣けちゃう、そんな感動の読み切り漫画で心洗われちゃてください。
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