割と美容整形も当たり前になってきている昨今。
整形と聞くとすぐに鼻をいじるだの目をいじるだのと思いがちですが、色々な種類がありますし人知れず小さな美容整形を行っている人もおおいのでしょう。
以前紹介した読み切り漫画で、映画化もされた『ヘルタースケルター』。
あの漫画は美容整形というよりも美を追求するあまりに崩壊していく女性をかなりハードな描写満載で描いた衝撃的な漫画でした。
今回ご紹介するのは、やはり美容整形がテーマではありますが、もう少し身近に思え、読みやすくもある山中ヒコ先生の『クラスで一番可愛い子』です。
| タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
| クラスで一番可愛い子 | 山中ヒコ | 祥伝社 | 2020年 |
『クラスで一番可愛い子』を読んだら……
整形からルネッサンスまで、異なる舞台の作品が読める贅沢な漫画でした。
『クラスで一番可愛い子』はどんな漫画？
僕も意外に思ったのですが、表題作とは別に2つの全然毛色の異なる物語も収録されています。
つまりは３つの短編からなる読み切り漫画です。
それぞれざっくりとどんな内容か、ネタバレしない程度に紹介してみますので参考にして下さい。
クラスで一番可愛い子
表題作。
昨今のリアルなイケメンアイドルへのスキャンダルのような衝撃的な展開から始まり、そうなるまでの主人公の少女の気持ちと容姿の変化が描かれていきます。
一度美容整形に手を出してしまうともう後戻りできなくなり、どんどん加速していくのも実在の多数の女優さんなんかと被ります。
そして冒頭へと話は繋がっていき、最後は悲劇的ではあるものの、しっかりと救いのある終わりとなっています。
怪物の庭
かなり怖めなタイトルの2話目ですが、意外や意外ルネッサンス期のイタリアでのお話。
さらに主人公のピッロ青年はかの画家であり彫刻家であり建築家であり――と、とにかく万能であったミケランジェロの弟子という設定。
そんなミケランジェロの弟子である青年が、とある公爵に雇われて庭造りをすることになるのですが、その庭は当時の流行に沿った庭ではなく、恐ろしく、奇妙な庭で……。
というお話。
これまた心温まるお話で、タイトルでホラーとかを想像するとちょっと肩すかしかも。
バジリスクの道
読み切り漫画っぽくてかなり好きでした。
一見、学校で園芸部に入っちゃった男の子恋のお話かと思いきや――。
意外な世界設定が明かされると、それまでも日常もまた全然違う意味を持ってきます。
作者の山中ヒコ先生もあとがきで「シリア内戦のニュース見て描いた」と書かれていますが、確かに日常のいかにありがたく大切なことか、考えさせられる物語です。
――３つのお話はそれぞれ読みやすく長すぎるわけでもないので、素敵な余韻に浸れるあたたかな一冊になっています。
『クラスで一番可愛い子』はどんな人におすすめ？
この『クラスで一番可愛い子』をおすすめするなら、
美容整形をする女性の心理に興味がある人。
美容整形をした先に何があるかに興味がある人。
ミケランジェロの生きたルネッサンス期好きな人。
戦争のある日常を想像できない人。
などでしょう。
それぞれの物語のタイトルは何か恐ろしい展開を想像させるものになっていますが、とても素敵なお話ばかりですので誰にでもおすすめしやすい読み切り漫画です。
『クラスで一番可愛い子』を読んだ皆さんの反応
山中ヒコ先生の「500年の営み」、相当泣けると有名なやつですね。
「バジリスクの道」は本当にタイトルから内容想像するのムリ。良い話。
『クラスで一番可愛い子』で美容整形を決断した少女の末路を見よ
クラスで一番可愛い子が全身フルサイボーグな脳以外は全身ギタイな草薙素子だったらあなたならどうしますか？
ただ、『クラスで一番可愛い子』での主人公の子は美容整形したことが問題なのではなく、それ以外の多くのツメの甘さがいけないだけだと僕は思いました。
というわけで、そんな美容整形ガールのお話に、ルネッサンスな感動物語に、さらにはもしかしたらあるかも知れない世界でのお話の３つ、ぜひ読んでみて欲しいです。
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