読めば読むほどに知的好奇心が刺激され、不思議な世界にどんどん惹き込まれていく……。
そんな至高のSF漫画をサクっと読めちゃう1巻完結漫画、あるいは読み切り短編集形式の漫画で読みたいとは思いませんか?
このブログで紹介してきた1巻完結作品の中にも、そんな至高のSF漫画と呼べる作品が多数あるのです。
というわけでこの記事では、今まで紹介してきた作品の中から、特に「面白い!」と思えた作品を厳選しご紹介します。
もちろん、全作品が1巻完結の作品です。
この記事を読めば、きっとあなたの知らない濃くて面白すぎる未体験のSF漫画に出会えるはずです。
それぞれの漫画紹介の末尾に、このブログでの詳細記事へのリンクも貼りますので、より深く知りたい作品があれば詳細記事もチェックしてみてください。
『アイリウム』小出もと貴
最初にご紹介するのは、小出もと貴先生の『アイリウム』。
アイリウム、と呼ばれる24時間後に24時間分の記憶がなくなってしまう――というかなり複雑な効能のクスリを巡っての物語です。
このアイリウムと呼ばれるクスリの効能の複雑さがそのままこの漫画の面白さにもなっているとても巧い漫画になっていて、話を読み進めるごとに読む側もアイリウムについて詳しくなっていき、どんどん新たな使い方を学んでいくことになります。
そしてアイリウムについて詳しくなる度に、また新たなアイリウムの使い方が漫画内で展開されるので、とにかくどんどん面白くなっていくのです。
お話は群像劇のようになっており、よくいる若者からママ友達のお話まで、様々なシチュエーションで利用されるアイリウムの物語が読めます。
とにかく構成が上手い、まず最初におすすめしたい最高のSF漫画になっています。
『惑星9の休日』町田洋
常夏の惑星、惑星9での、牧歌的で知的で日常的な8つの物語。
もしこの作品を読んで世界観に入り込むことができたのなら、きっとあなたも虜になります。
優しくて、不思議で、時に甘酸っぱい。
様々な感情に浸れるとても優しい傑作SF短編集です。
『水上悟志短編集 放浪世界』水上悟志
全部で5つの独立した物語が収録されている短編集。
思わず笑っちゃうようなほっこり系のものから、真骨頂とでも言うべきSF作品まで、最高に読み応えがあり最高に楽しめます。
特に最後の作品、『虚無をゆく』はマジですごいSF短編になっています。
ああ、こんなSF描けるの凄すぎますわ……と腰を抜かしちゃうレベル。
『田中雄一作品集 まちあわせ』田中雄一
超濃くて読み応えのある短編ばかりが収録されている『田中雄一作品集 まちあわせ』。
この作品は、虫や異星人や猿が沢山出てくるお話ばかりなのですが、どのお話も物語が非常に作り込まれておりとても面白いです。
中には号泣してしまうような壮大な感動恋愛大作まで収録されており、様々な感情になれるとても贅沢な1冊。
ページボリュームも、300ページ超えという平均よりも多いページ数で読み応えも満点。
ライトなタッチのSF漫画ではなく、絵も内容もとびきり濃い豚骨醤油ラーメンみたいな作品が読みたい方には全力でおすすめしたい傑作です。
ただし、本当に虫やら猿人やらがリアルなタッチで描かれているので、苦手な人はキツイかも知れません。
そこは買う前に試し読みでチェックしてみてください。
『外天楼』石黒正数
一見繋がりがないようないくつかの短編が、後半で繋がり、予想外のラストへと繋がっていく不思議なSF作品が『外天楼』です。
近未来を舞台に繰り広げられる物語で、序盤は少年達のよくあるエロ本騒動を描いていて緩い雰囲気なのですが、中盤から終盤にかけて一気に雰囲気が変わっていきます。
そして最後まで読んだ後、きっとあなたはもう一度最初から読みたくなることでしょう。
非常に巧い構成でワクワクと感動をくれる傑作SF漫画です。
タイトルのセンスも抜群です。
『スキエンティア』戸田誠二
科学の女神であるスキエンティア像(スキエンティアは、サイエンスのラテン語)に見守られる都市での物語を描いた戸田誠二先生による短編集『スキエンティア』。
短編の名手である戸田先生のうまさが十分に堪能できる作品になっており、どの短編もあたたかい気持ちになれる誰も傷つけない良い話なのが本当にすごいです。
いわゆる「よくあるSFのテーマ」な作品もあるのですが、そこは流石の戸田先生、予測できない方向へ持っていき、綺麗にまとめてくれています。
SFとしての面白さと、人間についても考えさせられる傑作です。
『未来歳時記 バイオの黙示録』諸星大二郎
遺伝子組み換えによって、とんでもないものまで配合してしまっている近未来の地球を描いた諸星大二郎先生の傑作『未来歳時記 バイオの黙示録』。
キャベツと鶏が一緒になっていたり、鶏の頭が人っぽくなっていたりと、ひたすらに不気味な遺伝子組み換えによる生物が出てきます。
そして一番怖いのが、女性の裸体として生えてくる「雑草」。
本来は何の同情もせずに駆除すべき雑草なのですが、ある農家の男性がつい下心を持ってしまいその雑草を駆除せずにいると……。
ひたすらに不気味で怖く、そして人類へのアンチテーゼのような考えさせられるエピソード満載の傑作です。
『11人いる!』萩尾望都
名作古典とでも言うべき、萩尾望都先生によるちょっと怖くてとんでもなく面白い傑作SF漫画『11人いる!』。
まずタイトルからして面白そうで、読めばグイグイ惹き込まれる魔力をもった作品です。
ほんの少しのホラー要素に、サスペンス、ミステリー、恋愛、SFと数多くの要素が詰まった読み応えもハンパない名作です。
どっしり腰を据えてゆっくり読んで欲しい傑作。
『ひきだしにテラリウム』九井諒子
SFもファンタジーもなんでもアリな、これまた短編の名手である九井諒子先生の傑作『ひきだしにテラリウム』。
なんといっても凄いのが収録されている作品数で、この漫画内にはなんと33の短編が収録されています。
さらに凄いのが、本当にどのお話も面白い。
どういうことなんです?
もちろん、作品によっては数ページの超短い短編もありますが、それも面白いのです。
『ダンジョン飯』しか知らない方がもしいたら、本当に九井諒子先生は短編での発想力とまとめ力が凄いのでぜひ読んでみてほしいです。
知的好奇心を刺激する至高のSF漫画を読んであなたも空想世界へ旅立ちましょう!
今回ご紹介した作品たちは、このブログ内で紹介したSFジャンルの作品の中の一部です。
ただし、本当に面白いと思えたものだけ厳選した少数精鋭なので、どの漫画も本気でおすすめできます。
今後もまた、新たなに紹介した漫画で傑作が見つかれば、すぐに追加していきたいと思っています。
1巻完結なのにこんなに面白くてこんなに読み応えもあるのか! と思っていただければ幸いですし、SFという設定説明が割と必要なジャンルでもこんなに面白く出来る!という漫画家さん達の手腕にもどうか拍手を送ってあげて欲しいと思います。
少しでも気になった作品があれば、ぜひ試し読みだけでもしてみてください。
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