「これは天才の作品ですわ」
と、読み終わった後に思わず声に出して言ってしまい、かつ未だに僕の中での読み切り漫画殿堂入り作品になっているのが、小出もと貴先生の『アイリウム』です。
※追記:このブログを始めて数か月。ちょっと過去の記事も書き直そうと、改めてこの『アイリウム』を読みました。その結果――数百冊読んだ現段階においても、やはりこの『アイリウム』が一番面白いです。もうマジの本気で文句なしにおすすめできる1巻完結の漫画です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
アイリウム | 小出もと貴 | 講談社 | 2014年 |
とにかく余計な知識を入れずに全人類に読んで欲しいと僕は思っています。
この『アイリウム』は2018年には三浦春馬さんの主演で『世にも奇妙な物語』にて実写化もされました。
ただ、やはりこの作品の本当の面白さは、しっかりと全編通して読まないとわかりません。
尚、僕はこのブログ解説以来何度かこの『アイリウム』をおすすめするツイートをしているのですが、作者である小出先生自らにリツイートもして頂き、震えました。
僕としては、とにかく本当にめちゃ面白いからみんな読めばいいのに、と思っているので少しでも布教に貢献できたのであれば幸せです。
『アイリウム』を読んだら……
複雑なギミックのクスリが作りだす超面白い神展開漫画が堪能できます。
『アイリウム』をおすすめする理由
『アイリウム』は全7編の物語から構成されています。
冒頭で触れたように、2018年に『世にも奇妙な物語』で実写化されたのはその一番最初の物語の部分。
タイトルでもある「アイリウム」というのは記憶喪失を意図的に作り出すようなクスリで、疑似的なタイムワープ(実際に時間が飛んだわけではなく、記憶が抜け落ちるのみ)を可能にするクスリです。
それぞれの物語に繋がりはないのですが、全ての物語がこの「アイリウム」というクスリを中心に展開されていいきます。
物語同士の繋がりは無いのですが、読者は一つの物語を読み終わる度にアイリウムというクスリについて少し知識を持つことになります。
そして次の物語では、少しだけアイリウムと言うクスリについて詳しくなった読者の知識レベルに合わせ、新たな問題提起がなされ、新たな展開へと広がっていきます。
この、「読み進めていく内にアイリウムに詳しくなり、物語を進める毎にハマっていく」感覚が非常に面白く、読み進めるのを止められなくなります。
まさにクスリでした。
物語の中にはホストのお話があったり、戦場の兵士であったり、ママ友のお話であったり、実に様々な視点で「アイリウムというクスリのある世界」が描かれます。
中には泣けるお話もあり、僕もしっかり泣かされてしまいました。
つまりは実写化された物語というのは導入部分に過ぎず、最後の物語を読み終えてアイリウムというクスリの持つすばらしさ、そして恐ろしさを理解し、記憶とはなんなのか?というとんでもなく根源的で深い問いかけまで到達して、ようやくこの漫画の面白さを体験したと言えるのです。
『アイリウム』という漫画自体がやばいクスリのような中毒性を持っているのは間違いなく、ここまで中毒にさせる物語を精密に構築し描き上げた小出先生には恐怖すら感じるレベルです。
現在小出先生は『iメンター すべては遺伝子に支配された』というこれまたぶっ飛んでて面白い作品を連載中ですので、ぜひ『アイリウム』が面白かった人は読んでみてください。このブログは読み切り紹介なので詳細は書きませんが、『iメンター すべては遺伝子に支配された』も過去作からの影響も見られる小出先生のセンス全開の傑作で、僕ももちろん読んでます。
『アイリウム』を読んだ皆さまの反応
小出もと貴先生は現在『月刊モーニングtwo』にて『iメンター』を連載中です。
ちなみに『アイリウム』は『モーニング』で連載されました。
読み始めと読み終わった後のこの漫画へのイメージの激変っぷりもマジでアイリウム。
本当に全部面白くて、全部考えさせられて、最高です。
緻密に構築された物語と知的欲求を満たしたい時におすすめな『アイリウム』はマジに全人類に読んでみて欲しい大傑作
読み切り漫画って、少しだけ軽い気持ちで読み始めたりしませんか?
それが、この『アイリウム』はがっつり長めで重くてそれでいて超面白い映画を観てしまったような、そんな気持ちになれる漫画です。
読み進める程に加速度的にハマり込んでいってしまう構成、アイリウムという色々とヤバイクスリのシンプルなんだけどスッと理解するのは難しい作用、それらを実に上手く利用して様々な「よくいる人々」の葛藤や人間を描写していく。
うーん、本当に傑作です。
これが読み切り漫画だとは信じられないレベルの濃厚な読み応えもあります。
このブログで紹介してきた中でもトップクラスの面白さなので、ぜひ手に取ってみて欲しいです。
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