1巻完結漫画サスペンス・ミステリー冒険SF・ファンタジーホラー・ダーク

様々な生命体の遺伝子が混ざり合う衝撃的世界『未来歳時記 バイオの黙示録』【おすすめ1巻完結読み切り漫画】

未来歳時記 バイオの黙示録

巨匠・諸星大二郎先生の、あるかも知れない近未来を描いた衝撃的な作品を今回はご紹介します。

遺伝子組み換えが当たり前になった未来、そこでは植物と動物の遺伝子を組み合わせたり、野菜と魚の遺伝子を組み合わせたりと、遺伝子組み換えはかなりハチャメチャな進化を遂げていました。

そんな世界では、人の顔のように見える顔面を持ったニワトリや、鳥の頭がついたキャベツ、さらに女性の形をして生えてくる雑草などなど、不気味で倫理観も問われるような作物が多数存在しています。

ものすごく不気味で気持ち悪い世界観なのに、それらが起こしていく物語の続きが気になり、一気に読んでしまう……そんな魔力のある1巻完結の漫画になっています。

というわけで、今回は諸星大二郎先生の『未来歳時記 バイオの黙示録』をご紹介。

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タイトル作者出版社発売年
未来歳時記 バイオの黙示録諸星大二郎集英社2008年

『未来歳時記 バイオの黙示録』を読んだら……

不気味で本当にありそうな近未来を舞台にした、面白怖い満足度高目の傑作でした。

『未来歳時記 バイオの黙示録』はどんな漫画?

『未来歳時記 バイオの黙示録』は全部で6つのお話と、各話の間に差し込まれる5つの「幕間劇」とで構成されています。

この漫画は短編集ではなく、全てのお話は同じ世界観で繋がっているお話です。

どのお話も、SF的魅力と不気味さ、そして漫画ならではの読む手が止まらなくなる面白さも持っている傑作揃い。

ここでは、それぞれのお話がどんな内容か、ネタバレしないよう簡単に紹介しますので、読もうか悩んでいる方は参考にしていただければと思います。

野菜畑

遺伝子組み換えをしまくった作物を育てる農家のお話。

農家たちの間で「最近厄介な雑草が増えてきている」という噂が広まっており、このお話の主役となるトメオという青年の畑にも妙な雑草が生えてきます。

それは、まるで女性のような見た目をしており、育つにつれて裸体の女性のように美しく成長していくのです。

それをついつい駆除することが出来ずにいたトメオでしたが、それが大変な事態を引き起こすことに――。

女性の姿をして生えてくる雑草だけでも結構衝撃なのですが、さらにこのお話では「バイオテロ」の犠牲者である人間達が難民となり放浪し、農家の畑を荒らしに来る――なんていうヘビーな世界でもあります。

このお話では一人の難民の男が畑に忍び込んでくるのですが、農家に捕まり、最後にはカカシにされてしまいます。(この世界での人間カカシは、養分を畑と共有し植物化してくかなりコワイカカシです)

ものすごく不気味で、「なんなんだこの漫画のこの世界観は?」と戸惑いますが、これから展開していく他の物語の序章に過ぎない、衝撃的すぎるツカミのお話。

面白いです。

ちなみに、各話の間の幕間劇は、この漫画全体の世界観を補完するような内容になっており、しっかり本編とも関係している短いお話です。この記事では幕間劇はネタバレ過ぎるので触れずにおきます。

養鶏場

1人の青年がほぼ機械制御で運営している養鶏場のお話。

もちろん、ただの養鶏場ではありません。

全ての鶏はなんらかの遺伝子が混ざっており、このお話で舞台となる養鶏場では人間の顔に見える顔がついた鶏で、かつ全く嚙み合わないけれど人間の言葉を話す鶏でもあります。

ものすごく面白いんですけど、同時にものすごく怖いお話でもあります。

徐々に鶏やロボットが変になっていくのがひたすら怖いです。

案山子

各農場では、それぞれ最新のロボットカカシを購入し、人型の鳥やネズミから作物を守っています。

このお話では、とある農場のベテランカカシが最新鋭のカカシのせいで出番がなくなって途方に暮れています。

そんな中、駆除したはずの鳥の中に駆除し切れていなかった人型の鳥が一匹生きており、旧式のカカシに助けを求めてくる――というお話。

なんだかもう、色々と考えさせられましたし、なんとも胸糞悪い終わりにも絶望しました。

そして思い返して欲しいのです。

幕間劇のことを。

百鬼夜行

こんな時代に百鬼夜行なんていう古臭いものがあるの?

というお話。

百鬼夜行が目撃された、と噂される場所へと向かったハルオ少年は、とある少女と出会います。

その少女はバイオ地区に住んでおり、かつて起きたバイオテロの影響を強く受けてしまっている為、近い将来自分も何らかの遺伝子が発現する、と恐れていました。

百鬼夜行の正体と、少女の結末、そしてこの世界の秘密が徐々に紐解かれていくお話。

シンジュク埠頭

水に沈んだビル群が眺められるシンジュク埠頭での人魚のお話。

伝説の人魚を探しているという怪しい男と、毎日海へ潜り、素潜りで魚を取っている少年が人魚を巡り戦う甘酸っぱさもすこし感じる良いお話です。

この世界の住人で、遺伝子が混ざり変異してしまった人間達が、一縷の望みを託して海へと潜っていき、なんとか水中に適応しようとする描写がなんとも残酷でした。

風が吹くとき

愛した女性を探し、難民たちの暮らす禁断の荒れ地へと踏み込む男のお話。

いよいよ物語も最終話。

これまで登場してきた人物?なども登場し、遺伝子により変異してしまった人間達が多数暮らしている荒れ地へ男は向かいます。

男の探す女性はいるのか?

これから人類はどうなってしまうのか?

衝撃的で悲しいラストはぜひあなたの目で確かめてみてください。

めちゃくちゃ面白い、ということはお約束します。

『未来歳時記 バイオの黙示録』を読んだ皆さんの反応

『未来歳時記 バイオの黙示録』は様々な生命体の遺伝子が混ざり合う衝撃的世界で巻き起こる壮大な人類の物語

この『未来歳時記 バイオの黙示録』は、諸星大二郎先生の作品という事以外の予備知識一切なしに僕は読み始めたのですが、かなり面白かったです。

むしろ何も知らずに読み始めたからこそ、全く想定外の不気味さと世界観でハマっていったのかも知れません。

手塚治虫先生にも通ずる、ダークな雰囲気とメッセージ性も強烈で、これはかなりクセになるやつです。

絵柄にはクセがあるので、もし気になった方は試し読みだけでもしてみてください。

本気で面白い事だけは名言しておきます。

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