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暗く切なくあたたかい――不思議な読後感の作品が詰まった短編集『世界の終わりと夜明け前』【おすすめ1巻完結漫画】

世界の終わりと夜明け前

エモいだとか、感傷的だと評されることの多い浅野いにお先生の作品。

こうした作品というのは、読者それぞれが読むタイミングでも大きく評価や心に沁みる箇所が異なってくるものだと僕は思います。

果たして今のあなたには浅野いにお先生のこの短編集はどのように刺さるのか?

もし浅野いにお先生のファンだと言う方は、どのような雰囲気かを説明する必要はないでしょう。

もし読んだことがない方にお伝えするとしたら、「なんともいえない」雰囲気なのです。

言えてない笑

それこそ、エモいとか、感傷的とか言う言葉がやはりしっくりくるのでしょうか。

――というわけで今回は、浅野いにお先生によるエモい短編集、『世界の終わりと夜明け前』をご紹介します。

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タイトル作者出版社発売年
世界の終わりと夜明け前浅野いにお小学館2008年

『世界の終わりと夜明け前』を読んだら……

なんとも言えない読後感に包まれる、優しくて暗くて切なくてあたたかいたくさんの短編に心満たされます(あるいは穴があくかも)。

『世界の終わりと夜明け前』はどんな漫画?

この作品は浅野いにお先生が初めて出した短編集で、全部で12の短編が収録されています。

基本的にはどのお話も関連はなく、『日曜、午後、六時半。』だけは3話構成になっています。

そしてどのお話も、読んだ後に「なんともいえない」気持ちになります。

ぜひ、浅野いにお先生に青春を捧げて来なかった方も、これをきっかけにその美しくなんともいえない世界に入り込んでみてほしいです。

こさてこではそれぞれの漫画の内容をざっくりとネタバレしない程度にご紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。

無題

フルカラーの少ないページ、かつセリフもなしの作品。

まさに無題の日常を切り取ったかのような作品で、人々の表情と息遣いを感じるエモい作品。

夜明け前

とある夜明け前、日本中で起こっている様々な事を淡々と描いた作品。

最後の1ページに色々なものが救われたような気持ちになる、素敵な作品。

アルファルファ

友達同士の中学生男子2人と、独特な雰囲気の女子との青春物語。

最初のページからとてもエッチ。

日曜、午後、六時半。

江園家の父、息子、娘を描いた3話構成の物語。

話は江園家の大黒柱である父が失踪してしまうところから始まります。

そして息子のお話、娘のお話、最後に父のお話が描かれ、日曜午後六時半の日常へと戻っていく、泣けるお話です。

超妄想A子の日常と憂鬱

駅の売店で働くある女性を描いた物語。

妄想しながら日々を楽しく過ごし、帰ってからはちょっと泣く。

そんなA子にきっとあなたも感情移入しちゃいます。

休日の過ごし方

たまたま元カレが出演する舞台のチラシをポスト内で発見した女性が、小さな喜びと小さな葛藤と2つのたこ焼きを持って休日を過ごすお話。

すごく優しくて、すごく等身大なお話。

17

17というタイトルがとてもしっくる、17歳の尖っていて繊細で欲望に塗れた感情をそのまま描いてくれたような作品。

ほんと、中身はこういう感情だったような気がします、はい。

素晴らしい世界

この作品は、浅野いにお先生の『素晴らしい世界』の続編とも言える作品。

1巻完結じゃないのでこのブログコンセプトとは外れちゃいますから紹介しませんが、気になった方はぜひ 『素晴らしい世界』 も読んでみてください。

夜明け前

この作品だけはエッセイ風で漫画ではありません。

読んでいて中島らもとか、そういう雰囲気を感じました。

浅野先生はアーティストなのでしょう。

東京

非情にエモくて、心が締め付けられるような傑作短編。

東京へ出て漫画家を目指している青年が、久々に同窓会で田舎へ帰省し、友達達と再会。

セリフや会話がとにかくリアルで、しっかりと物語性もあって楽しめます。

そして読み終わった後は、やはり「なんともいえない」気持ちに浸ることになります笑

世界の終わり

この短編集の為の描き下ろし作品。

登場する少女・大沢はまさかアルファルファの???

チューな作品。

でも好き。

時空対戦スネークマン

ぐわっ!!

パワーが互角かそれ以上だ!

――な、前述の作品『東京』の主人公である晴が描いていたという設定の漫画。

『世界の終わりと夜明け前』を読んだ皆さんの反応

『世界の終わりと夜明け前』は暗く切なくあたたかい――不思議な読後感の作品が詰まったおすすめ短編集

浅野いにお先生の作品は難解なものから優しくあたたかくエモいものまで、様々な作品があります。

この『世界の終わりと夜明け前』は読みやすいですし、ぜひ浅野いにお先生に触れるきっかけにもおすすめしたい作品です。

なんともいえない読後感……読めばきっとその意味を、かなりしっかりとわかっていただけるかと思います。

試し読みだけでも、ぜひ!

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