日本の歴史の中でも特に混迷を極めた幕末。
尊皇攘夷だなんだと世は乱れ、暗殺に決闘にだまし討ちなど、まさに血みどろの時代であります。
好きな人は大好きな時代でしょうが、僕は割と徳川家が好きなのでなんとなく討幕運動が加速していく幕末というのは少し苦手だったりします。
閑話休題、そんなカオスな幕末で流行したのが、いわゆる「天誅」。
要は悪さを働くものを、天の裁きと大義名分を振り翳し殺してしまう行為です。
冷静に考えるとかなり乱暴な行為なわけですが、ある意味で実に幕末的であるとも言えます。
そんな天誅の際に、悪人に突きつけられた(あるいはやっつけられた後にセットで飾られた)のが、斬奸状という書状です。
「こいつ、こんな悪いやつなんで天誅しました」という事が書いてあるわけです。
そんな斬奸状を巡る漫画を今回はご紹介。
――というわけで今回ご紹介するのは、小島剛夕先生が作画し、原作は滝沢解先生が担当した『斬奸状』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
斬奸状 | 小島剛夕 滝沢解 | グループ・ゼロ | 2017年 |
『斬奸状』は一言で言うと……
幕末の世で巻き起こる天誅とその裏側を描いた、小島剛夕先生の鬼シブな幕末1巻完結漫画
『斬奸状』はどんな漫画?
この作品は、天誅と、それを行う際に突きつけられる書状「斬奸状」をテーマにした漫画です。
桐原清司郎と言う車引きの男が主人公で、全部で6つの物語で構成されています。
どの話も1話完結型の話ですので、どれから読んでも楽しむことができます。
また幕末に詳しければ詳しいほどニヤニヤ出来るようになっており、有名な志士の名前がワンサカ出てきます。
もちろん幕末に詳しくない方も時代物としてシブくてかっこいい世界を堪能することができる1冊になっています。
ここではそれぞれの漫画の内容をざっくりとネタバレしない程度にご紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。
第壱話 鉄槌
主人公、桐原清司郎登場の話。
偽志士と悪い糸問屋を天誅。
問屋への天誅エグい。
第弐話 さらば友よ
一転してなんだか泣けるお話。
母を殺された合いの子の少年と、清司郎との絆と別れの物語。
第参話 将軍の畑
伊藤博文と高杉晋作まで名前が出てくるお話。
夏の描写がすごく良いです。
第四離 総括
清司郎の過去が明かされ、愛する女性も登場するお話。
清司郎の自問自答が深い。
第五話 偽りの夜明け
人斬り以蔵登場。
騙し討ちの裏側が描かれ、それに参加する清司郎の苦悩と結論がこれまた深い。
第六話 カス札
革命もまたバクチのようなもの。
当たればデカいが外せばボロボロ。
以蔵と清司郎の因果なお話。
『斬奸状』は悪が蔓延る幕末にて天誅を行う男の必殺仕事人な活劇と苦悩の時代劇漫画
さすがの小島剛夕先生、生き生きとした描写に渋いタッチ、最高です。
僕はそこまで幕末に詳しくないので、きっと幕末好きの方が読んだら僕よりもさらに楽しめるのではないかと思いました。
天誅ものが好きな方、また幕末が大好きな方はぜひ読んでみて欲しい1冊になっています。
試し読みだけでもしてみてください。
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