どこにでもありそうな、汚れていてちょっとニオイもキツめの川。
どうしたって近隣住民からは嫌われてしまい、近づく者は少ない川。
そんな川の近くに据えられたベンチに座り、いつもうたた寝をしている老婆がいたとしたら、あなたは何を思うでしょうか?
――というわけで今回ご紹介するのは、池辺葵先生の『どぶがわ』です。
とにかく池辺先生は牧歌的な雰囲気や、日常の何気ない瞬間を描くのが抜群にうまく、そしてひたすらに優しいです。
『どぶがわ』というタイトルとは裏腹の、ものすごく優しくてあたたかい世界に浸ってみてください。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
どぶがわ | 池辺葵 | 秋田書店 | 2014年 |
『どぶがわ』を読んだら……
タイトルからは想像もできないとても優しくてあたたかい気持ちに浸れます。
『どぶがわ』はどんな漫画?
この作品は、池辺葵先生による1巻完結漫画です。
全部で6話+エピローグで構成されており、全てのお話は繋がっている作品です。
ここで最初に、全てのお話のサブタイトルを列記しておきます。
第1話・アボカド
第2話・フォアグラ
第3話・ひときれのパン
第4話・ダンス
第5話・騎士さま
第6話・グランドフィナーレ
エピローグ・one more the river
実に素敵なサブタイトルが並んでいます。
しかしここでもう一度思い出して欲しいのですが、この作品のタイトルは『どぶがわ』です。
到底サブタイトルに並んだワードとは結びつきそうになりタイトルですよね。
それこそがこの作品のキモであり、そのギャップこそがこの作品から溢れ出す優しさとあたたかさの源にもなっているのです。
壮大な物語を描いた作品ではありません。
オイオイ泣けちゃうような感動物語でもありません。
描かれているのは、高級住宅街にひっそりと流れるちょっと汚い川と、そこで居眠りをしている老婆。
そして川の近くに暮らす人々。
僕も初めて読んだ時、あまりにも想像したのと違う序盤に驚き、読む本を間違えたかと思いました。
しかし最後まで読み終わった時、心は優しさとあたたかさと、じんわりとした感動に包まれました。
刺激を求めて読む漫画ではなく、疲れている時、ちょっと元気をもらいたい時なんかに読むときっとめちゃくちゃ沁みる作品なんじゃないかなと思います。
僕は過去に池辺先生の『雑草たち大志を抱け』を紹介し、大いに感動しましたが、やはりすごく優しくて人に寄り添った作品を描く方だな、と再認識しました。
優しくてあたたかいこの世界、ぜひ浸ってみてください。
『どぶがわ』を読んだ皆さんの反応
『どぶがわ』は川辺のベンチに佇む老婆が浸る美しい夢、そして川の近くに住む人々を優しく描いたひたすらにあたたかい1巻完結漫画
とにもかくにもタイトルとのギャップにやられました。
どぶがわなのにこんなに優しい世界?
と、読み終わったらきっと思うはず。
できればあまり事前情報ナシで読んで欲しいですし、含みのあるラストをあれこれ妄想して自分なりに考えてみても欲しい作品です。
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