1972年より連載された『子連れ狼』の大ヒットにより一躍劇画界のトップスターへと上り詰めた小島剛夕先生。
小島剛夕先生の重厚な絵のタッチで表現される世界に魅了された方は多いはずです。
以前このブログで紹介した、楳図かずお先生の『ロマンスの神様』の巻末に収録されていた昭和39年度の人気作家投票ランキングでは、手塚治虫先生らをおさえ堂々の一位に君臨していたのが小島剛夕先生でした。
そんな巨匠、小島剛夕先生が専属契約を結んでいた関係で「諏訪栄」というペンネームで描いた貴重な一作がこの『片目柳生』で、まえがきにどのような経緯でこの作品を描くことになったのかも簡単に書かれていて興味深いです。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
『片目柳生』 | 小島剛夕 | 翔泳社 ゴマブックス | 1995年 |
発売年はあくまでも単行本化された年であって、この作品が描かれた年代はもっとずっと前だと思われます。調べてみましたがはっきりとはわかりませんでした。
『片目柳生』を読んだら……
柳生十兵衛ってやっぱりかっこいいし、隻眼っていいよね、と思います。
『片目柳生』はどんな漫画?
『片目柳生』は小島剛夕先生による、柳生一族の柳生十兵衛を描いた時代劇漫画です。
柳生十兵衛三厳は史実でも少し変わった生涯を送っており、将軍家兵法指南役であった柳生宗矩の子として産まれたものの、仕えていた徳川家光を怒らせて諸国を巡る旅に出たり、若い頃に片目を失明し隻眼であった、という伝説もあります。
『片目柳生』では、そんな柳生十兵衛の隻眼になった経緯や、将軍を怒らせた逸話、そして諸国を巡っていた目的などがフィクション交えながら大迫力の劇画調で描かれています。
柳生秘伝の術、「日の一の術」がこの作品の中でかなりのキーになるのですが、それはなかなか実体が明かされず、クライマックでその術の全容を知った時感動しました。
柳生一族の中でも謎多い人物であるだけに、こうして漫画の主役となった時にはとても自由に大胆に描かれる十兵衛はやはり魅力的です。
同時に柳生一族も創作作品で扱われることが非常に多いのは皆さんご存知の通り。
同じく小島剛夕先生の空前のヒット漫画『子連れ狼』も、主役の拝一刀の敵役となったのは烈堂率いる裏柳生の面々でした。
十兵衛もかっこいいし、柳生一族も謎めいていてカッコイイのです。
この漫画では、柳生十兵衛三厳の様々な秘密を独自の解釈と史実とを混ぜて描かれており、とても興味深くまた面白い骨太な短編にまとめてあります。
ぜひ時代劇好きや柳生一族好きな方は読んでみてほしい、古き良き名作です。
※柳生十兵衛だけでなく、柳生一族について詳しく知りたければぜひwikipediaなど熟読してみてください。本を一冊読むぐらいの読み応えがあります笑⇒wikipedia柳生藩
『片目柳生』を読んだ皆さんの反応
『片目柳生』は柳生十兵衛の正体と柳生陰流の奥義を描いた1巻完結漫画
柳生一族の謎そして十兵衛三厳の目的に迫る、臨場感あふれる時代劇漫画『片目柳生』をご紹介しました。
なぜ十兵衛は隻眼になってしまったのか?
十兵衛はなぜ気が触れたかのような態度を将軍に対してとったのか?
そもそも十兵衛の目的とはなんだったのか?
などなど、史実の柳生十兵衛三厳の逸話も混ぜながらの迫力ある時代劇漫画になっていますでの、時代劇漫画好きな方はぜひ読んでみてください。
※ブログで紹介した小島剛夕先生作品一覧です。良ければ一緒に読んでみてください↓↓
木枯し紋次郎
沖田司総司
信長公記
当ブログで紹介してきた作品の中から、ジャンルごとにおすすめをまとめた特集記事を書きました。時代劇特集記事もあるのでよければチェックしてみてください。
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詳細は記事にしてありますので、興味がありましたら読んでみてください。
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