何気ない日常生活や、いつもいてくれる人のことを記録する時、役に立つのは何と言っても写真です。
昔の写真を眺めると言うのはいいもので、懐かしさと同時に涙が込み上げてくることもありますし、写真を眺めていると故人もまるでまだ生きているかのように錯覚してしまうことすらあるほどです。
今回ご紹介する漫画は、一言で言うならば「読むアルバム」。
ひうち棚先生の思い出、記憶、忘れたくない出来事、忘れたくない人々、それらが淡々と、それでいてあたたかく優しいタッチでえがかれている作品です。
しっかりした物語が読みたい方にはおすすめしません。
なんとなく疲れているとか、無心になりたいとか、優しさに触れたいとか。
そういった方にはすごくおすすめですし、僕は最近娘が出来たこともあって泣いてしまうエピソードもチラホラ。
――というわけで今回ご紹介するのは、ひうち棚先生の『急がなくてもよいことを』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
急がなくてもよいことを | ひうち棚 | KADOKAWA | 2021年 |
『急がなくてもよいことを』を読んだら……
淡々としているけれどあたたかくて優しい、漫画にしたアルバムを見たような不思議な気持ちに浸れます。
『急がなくてもよいことを』はどんな漫画?
この作品は、ひうち棚先生による1巻完結の短編集です。
作品のほぼ全てが、ひうち棚先生のご両親のエピソードや親戚の方のエピソードなどの話なのが特徴で、淡々と実際にあったことが描かれています。
そのためエピソードに大きな波があったりはしないのですが、響く人にはものすごく響く優しくて牧歌的な雰囲気の作品になっています。
※介護について描かれているかなりリアルで深いエピソードもあったりします。
全部で18のエピソードが収録されており、中盤以降はひうち棚先生のお子さんの話が中心。
感動エピソードがあるわけではないのですが、その圧倒的な日常感と雰囲気につい僕は泣いちゃいました。
ただし冒頭でも書いたように、しっかりた物語を期待して読むと肩透かしを喰らいます。
そうではなく、淡々とした日常と、そこから溢れ出すあたたかくて優しい何か、そして家族の素晴らしさなどをひうち棚先生の視点から読んでみたい、という方にはきっと刺さります。
読み終わった時、僕は「何気ない出来事も大切にしよう」と思いました。
タイトルの「急がなくてもよいことを」という言葉も作中出てきますが、すごく良い言葉。
大切にずっと持っていて、たまにふと読み返したくなる……そんな一冊でした。
『急がなくてもよいことを』を読んだ皆さんの反応
『急がなくてもよいことを』はあたたかくて優しい読むアルバムのような1巻完結漫画
ひうち棚先生は同人誌を友人と作り、そこからこの漫画が発行に至った経緯があとがきに書かれています。
そしてあとがきには、今は亡き両親を漫画に描いておいて良かった、とも書かれていました。
写真に残すこと、絵に残すこと、漫画に残すこと。
それらは見るたびに写っている人物が生きているかのように見えるわけですから、本当に不思議なものです。
あとがきを読んだ後、なんとなく妻と娘を撮った写真をしばらく眺めてしまいました。
大切なものを改めて気づかせてくれる、そんな漫画でもあったように思います。
気になった方はまずは雰囲気を知るためにも試し読みしてみてください。
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