浅野いにお先生の作品の中でもとくに難解さと暗さが際立つ作品、それこそが今回ご紹介する『虹ヶ原ホログラフ』です。
読む人によっては「なにこれ?」と捉えられることもあり、また読む人によっては「震えるほどの世界観」だと感動もする。
まさに両極端な世界観と複雑な物語は、作者の浅野いにお先生自身が「もう二度とこんな作品は描けない」と言ったほど。
美しい筆致で描き出される美しい世界。
なのに緩やかに漂いはじめ、世界を飲み込んでいく狂気と絶望。
世界の終わりを望む者、世界の輪廻を巡る者……。
――というわけで今回ご紹介するのは、浅野いにお先生の『虹ヶ原ホログラフ』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
虹ヶ原ホログラフ | 浅野いにお | 太田出版 | 2006年 |
『虹ヶ原ホログラフ』を読んだら……
映画のような描写と狂気の満ちた世界、そして散りばめられた伏線に、繰り返し読みたくなること必至です。
『虹ヶ原ホログラフ』はどんな漫画?
この作品は全てのエピソードが繋がっている、1巻完結の物語です。
虹ケ原という原っぱがあるとある街の物語で、複数の人物の過去や現在を時間軸を行き来しながら読み進めていく、なかなかに複雑な構成の群像劇になっています。
また。浅野いにお先生の比較的初期の作品でもあり、そのセンスが見事にぶちまけられたような、そんな独特な作品となっています。
同時に、万人におすすめできるか?と言われれば難しいかも知れない作品でもあります。
その理由は、とにかく暗いから笑
人によっては胸くそ悪くなるような人物も出てきますし、登場人物の多くが何かしら歪んでいます。
ぱっと見でおかしい、というわけではなく、ぱっと見は普通なのに奥底にとんでもない狂気を孕んでいる。
そんな、真におそろしい人間の根底の暗さのようなものを描いているように感じました。
故に、マジでコワイ。
また、考察しまくりたい人にはうってつけな漫画でもあり、全体的な構造や伏線もかなり難解で、かつ明確な「こういう物語!」という答えもわからない為繰り返し読んでの考察が捗ります。
そして何度も読むと、ものすごく細かく丁寧な伏線がいろいろな形で張られていることにも気づけるはず。
総じて、なんかすごいもの読んだ! という感覚はあるもののなかなか言葉に表しにくい不思議な漫画です。
人によってはものすごく大切な一冊になるかも。
『虹ヶ原ホログラフ』を読んだ皆さんの反応
『虹ヶ原ホログラフ』は緩やかな絶望と狂気に満ちた、浅野いにお先生のセンス爆発な1巻完結漫画
浅野いにお先生のセンスと不満と狂気が詰め込まれているような、非常に難解で暗い物語。
虹ヶ原というなんだか美しい原っぱの名前もついているのに、読めばわかる実はそれすらも怖い名前。
ちなみにですが、この物語には件という名前の妖怪がモチーフになっているような描写がありますが、同じく予言系妖怪であるアマビエもまた関係していそうな気配。
とにもかくにも、浅野いにお先生の作品が好きな方なら(浅野いにお先生の熱烈なファンでコレ読んでない人は少ないとは思いますが)、必読の一冊。
そうでない方は、まずは試し読みして雰囲気を確認した方が吉です。
果たしてこの非常に独特かつ強烈な一冊はあなたの宝となるか否か、それは読んでみないとわかりません。
※というような事を書いてしまうほどに、この作品というのは説明も捉え方も難しいのです。
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