『ファイアパンチ』や『チェンソーマン』で今や超有名な漫画家である藤本タツキ先生。
そんな藤本先生が『チェンソーマン』が一旦完結して間もないにも関わらず、143ページにもなるボリュームの新作読み切りをジャンプ＋に掲載されました。
意外過ぎるテイストの内容で、そんなに時間はかからず読めてしまうものの、極上の映画を見たような気持ちにさせられる深くて感動的な作品になっています。
あ、藤本タツキ先生って天才なんだ――とハッキリとわかる大ボリュームの傑作『ルックバック』を今回はご紹介。
『ルックバック』は一言でどんな漫画？
漫画家を目指す少女2人の絆と努力、そしてすれ違っていく運命を描いた、深くて感動的で衝撃的な極上のヒューマンドラマ。
この時点でもう読みたい！と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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| タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
| ルックバック | 藤本タツキ | 143ページ | 少年ジャンプ＋ |
『ルックバック』の超ざっくりあらすじ
小学生の頃から学年新聞に4コマ漫画を書き続けている少女・藤野。
藤野は漫画に対して絶対的な自信を持っていたのだが、ある日藤野の漫画の横に不登校の少女・京本の背景のみの漫画も掲載され、藤野は衝撃を受ける。
その日から藤野は、京本に負けまいと必死に絵が上手くなるための勉強と練習をし、徐々に学年新聞に掲載される藤野の漫画のクオリティも上がってくる。
しかしある日、必死に勉強と練習を繰り返した末に掲載された自分の漫画と京本の漫画とを眺めていた藤野は、突然吹っ切れて漫画を描くのを辞めてしまう。
――そして小学校の卒業式の日。
藤野は、担任から京本の家へ卒業証書を届けるよう頼まれる。
そして京本の家へ上がり、京本の部屋の前に着いた時、藤野は膨大な量のスケッチブックが廊下に並べられているのを目撃する。
結局藤野は京本へ直接会うことはできず、部屋の前に卒業証書を置いて家を後にしたのだが、その時京本が慌てて藤野の後を追って走り出てきた。
そこで京本は「ずっと藤野先生の漫画のファンだった」と藤野に明かし、それをきっかけに藤野もまた漫画を描き始めるようになる。
さらに藤野と京本は一緒に漫画を描くようにもなるのだが、2人の運命を大きく変えてしまう出来事が起きてしまい――。
『ルックバック』のネタバレあり感想
チェンソーの音がまだ頭から完全には消えていない状態での読み切り作品でしたので、最初はぶっ飛んだ少女同士のド派手バトルを期待してしまったりしましたすみません。
そしてこの作品を読み終わってから、しばらくぼうっとしてしまいました。
読後感が完全に名作映画を見た時と同じでした。
うまく説明はできないのです。
でも、「なんかすげぇの読んだなぁ」という気持ちに包まれ、ものすごく満足感があるあの感じ。
おそらくこの作品は藤本タツキ先生自身が、色々なところに分散して描かれているのだと思います。
主人公2人も、藤本を分解したかのような藤野と京本。
途中2人が描く漫画「シャークキック」も、ほぼチェンソーマン。
そして、実際に現実世界で起きたいくつかの事件を彷彿とさせる悲しいクライマックス。
中盤で登場する京本の部屋の前に落ちていたワクだけの4コマがキーとなり、あったかも知れない世界が描かれていく終盤は涙なしでは読めません。
こういった事故や事件で「私のせいじゃん」と思ってしまう心理が非常にリアルで胸が締め付けられます。
かつてこのブログで紹介した作品で、事故死した彼氏に対して「自分のせいだ」と思い続けてしまう女性を描いた読み切り漫画がありました。
あの時ああしていれば……
私があれをしていなければ……
考えたところで無駄だとわかっていても、考えてしまうこと。
理不尽な暴力への憤り。
あまりにも自分勝手な暴力。
そしてどうであれ、残された者はなんとか前を向いて生きていかねばならないということ……。
――おそらく、あと20回ぐらい読み込めばもっとはっきりとテーマやメッセージは見えてくるのかも知れません。
そしてタイトルの「ルックバック」。
振り返るという意味ですが、めちゃくちゃ多くの意味を重ねているように感じます。
藤野の後ろ姿、やり直したい過去、背景画に情熱を注いた京本などなど……。
藤本タツキ先生、おそるべし――そう思わざるを得ない深くて感動的な読み切りでした。
『ルックバック』を読んだ皆さんの反応
『ルックバック』は藤本タツキ先生渾身の深すぎる読み切りヒューマンドラマ漫画
きっと読む人によって全く異なる感想になるんじゃないかな？ と思う、深すぎる読み切りでした。
もしまだ読んでいないのであれば、ぜひ読んでみてください。
きっと何かを感じ、胸に残るものがあるはずです。
そしてこの『ルックバック』が面白かったのであれば、作者である藤本タツキ先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
もちろん、『チェンソーマン』のアニメと2部も楽しみに待ちましょう！
ブログ内で紹介してきた1巻完結・読み切り漫画の中から厳選した本気のおすすめ漫画特集、よければあわせて読んでみてください。
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