誰にでもある罪悪感。
それは人に「憑く」ことでどんどんと成長し、やがては人を襲い、最後には自分をも襲う……。
学園を舞台に、人に憑く妖怪のような存在であるツミツキを、これまたツミツキのような存在でありながら謎だらけなイケメン青年が消していく、和風学園ホラーな漫画『ツミツキ』を今回はご紹介。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
ツミツキ | 清原紘 | KADOKAWA | 2009年 |
作者は、漫画家・イラストレーターの清原紘(きよはらひろ)先生。
小説のコミカライズも多数手がける画力もバリ高で細かな人物の雰囲気を描写するのがすごく上手な先生で、『ツミツキ』でもふとした不気味な笑顔などでその画力が遺憾なく発揮されています。
『ツミツキ』を読んだら……
極上の和風ホラーでワクワクドキドキできます。
『ツミツキ』はどんな漫画?
今流行の真っ最中である『呪術廻戦』に世界観は少しだけ似ています。(↓↓はこのヨミキリで紹介した0の記事です)
人々の罪の意識などがそのまま人に憑依してしまうことで「ツミツキ」と呼ばれる妖怪のような存在になってしまい、周りの人間だけでなく自分自身にも危害を加える厄介な存在に。
基本、『ツミツキ』では各話ツミツキ化してしまう女子高生が出てきて、それをクロエというイケメン狐仮面がやっつける展開。
ただ、割とダークだな、と思ったのがクロエは妖怪を祓ってあげることで助けるわけではないという点。
それでも、ただ少女達が死んでいくわけではなく、そこには様々な人間模様や葛藤がありとても面白く読めます。
全5話の構成で、各話それぞれ主要人物名がタイトルになっています。
第一話:篠原繭
第二話:望月美紀
第三話:麻倉真琴
第四話:高田千夏
第零話:クロエ
非常に絵が綺麗で、不気味さも満点。
あと、僕のカンですが妖怪小説で有名な京極夏彦先生を結構意識した作品なんじゃないかな、とおも思いました。
妖怪ですし。
全体的に暗くてあまり救いのないお話がほとんどですが、家族や友人など色々と考えさせられるテーマも多く、特に3話の「麻倉真琴」編なんかは重めで泣けるお話でした。
そして後半ではさんざん少女達を「滅!」してきたイケメンクロエ君の過去が明かされます。
人を呪わば穴二つ。
皆が何かしらを背負っているのです。
総評としては、妖怪な怪物が出ては来ますが派手なバトル漫画というわけではなく、むしろツミツキになってしまう少女達の心の葛藤の描写に重点を置いた漫画であると言えます。
絵もキレイでとても読みやすいので、ダークな雰囲気が嫌いじゃない和風ホラー好きな人にはぜひおすすめしたい1巻完結漫画になっています。
『ツミツキ』を読んだ皆さんの反応
たしかにちょっとグロテスクな描写多めかも知れないです。
↑↑刺さる人にはとてもよく刺さるようです。
『ツミツキ』を読み、罪に疲れ憑かれながらも必死に戦う少女達とクロエに震えろ!
『ツミツキ』自体は10年近く前の作品なので、作中にはガラケーも出てきたりします。
舞台は少しだけ昔でも結局イジメだとかって今も昔も変わらずにありますよね。
そしてイジメがある所にはツミツキが沸く。
ツミツキが沸くところにはクロエが沸く、と。
日常にも潜む恐ろしい罪から生まれる妖怪「ツミツキ」。
それに抗う少女達の葛藤と、謎の少年クロエの活躍、ぜひ読んでみてください。
きっとあなたの心に巣食うツミの心も漫画と一緒に浄化してもらえることでしょう。
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