宇宙に科学に哲学にネットの世界――。
あなたの知的好奇心を刺激しまくる、SF漫画の世界。
この記事では、ネット上で無料で読める読み切り作品の中から(もちろん違法サイトとかではなく)、本当に面白かったおすすめのSF漫画だけを厳選してご紹介します。
全ての漫画がすぐに読めてしまうので、気になった作品があればガンガン読んで、最高に知的なSFの世界を堪能してください。
『宗教的プログラムの構造と解釈』佐武原
仮想現実上に神様を作り出してしまうというとんでもないプロジェクトを描いた、最高に知的好奇心を刺激される物語。
しっかりと宗教とはなにか? 神とはなにか? についての解釈もわかりやすく描かれていて、ひたすらに作者である佐武原先生の天才っぷりに驚嘆する傑作です。
さらにSFではありますが、決して実現不可能ではないように思わせる匙加減も絶妙。
難しい言葉も多めではありますが、SFや宗教的な哲学が好きな方ならきっと面白く読めるであろう読み切り作品です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
宗教的プログラムの構造と解釈 | 佐武原 | 47ページ | 少年ジャンプ+ |
『時間跳躍式完全無劣化転送装置』山素
モーニング月例賞2021年6月期の佳作受賞作の読み切りなのですが、何らかの賞で大賞獲った作品です……と紹介されてもなんの違和感も持たないであろうすごく素敵で面白い作品。
未来へ物質を送ることしかできない時間跳躍式完全無劣化転送装置と、久々に再会する高校時代の友人との複雑で微妙な友情の距離感との組み合わせを絶妙なバランスで描いており、優しくて心温まる傑作になっています。
あと、ものすごく読みやすいです。これ大事。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
時間跳躍式完全無劣化転送装置 | 山素 | 37ページ | コミックDAYS |
『博士と助手と冷凍庫』永井乳歯
崩壊してしまった世界で暮らす、可愛らしい博士とアンドロイドの助手の物語。
物語の核は、2人が暮らすシェルターの奥にある冷凍庫に入っている死体。
その死体の正体こそがこの物語を大きく展開され、そしてラストを感動的にする役割も担っています。
そして何よりこの作品は読み切り作品としてのまとまりっぷりが芸術的なレベル。
読み切りらしい読み切り作品です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
博士と助手と冷凍庫 | 永井乳歯 | 56ページ | 少年ジャンプ+ |
『機械仕掛けのクオリア』原作:香撫凛/漫画:神谷真白
人類が滅びてしまった世界で、生き残ったアンドロイド達が自分たちが生きる意味を求め旅をする、深くて考えさせられる物語。
タイトルもまたすごく哲学的で面白いです。
果たして機械にもクオリア(感覚質)という概念は当て嵌まるのか?
考えながら読んでみると一層楽しめます。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
機械仕掛けのクオリア | 原作:香撫凛 漫画:神谷真白 | 51ページ | コミックDAYS |
『御蚕様改良記録』光秀日量
野生回帰能力を失った唯一の家畜である蚕。
そんな蚕を、人間と共存させ、かつ野生回帰能力を取り戻させる為に一生をかけて研究を続けた男の生き様が描かれる、「文字を読む漫画」とでも呼べそうなテキスト量の深くて面白い作品。
32ページという短さながら、上に書いたようにテキスト量がかなりあるので、小説を読んでいるかのように重厚な世界観が楽しめる読み応えも十分なSF作品になっています。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
御蚕様改良記録 | 光秀日量 | 32ページ | コミックDAYS |
『ハートシェルター』夏目尚祈
何らかの大きな事故に巻き込まれ、シェルターで一生を送ることになってしまった少女の物語。
絵は荒削りで不安定さが残るのですが、抜群にストーリーが面白く読む手が止まらなくなる傑作です。
面白ければなんでもいい――のお手本のようでもあり、物語が面白いとここまで惹きつけるのか、と感動するレベルの素晴らしいSF作品です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ハートシェルター | 夏目尚祈 | 57ページ | 少年ジャンプ+ |
『おやぎ』はましん
ある日空から降ってきた異星人の種。
その種を育ててみると、なんとも不気味な生物が育ってしまいます。
それでもその生物に対する母性が目覚め始めてしまった少女と、実は大きな目的があって地球へとやってきていた異星人との感動の物語です。
母と子がテーマだと思われる内容で、なんとも考えさせられる素敵な結末も必見です。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
おやぎ | はましん | 37ページ | コミックDAYS |
『減量機械』南野夏雄
紹介記事にも書いているのですが、読んだ感じが星新一先生のショートショートのような、ちょっとブラックな匙加減も最高に良いアクセントとなっている面白い作品です。
貧乏で苦しい生活を強いられている主人公だからこそのあっと驚く結末も素晴らしく、良いショートショート小説を読んだような読後感に浸れます。
この作者である南野夏雄先生は全くジャンルの異なる読み切りも描いていてそれもまた傑作なので、気になったかたはぜひ紹介記事から読んでみてほしいです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
減量機械 | 南野夏雄 | 34ページ | 少年ジャンプ+ |
『やすお』吉田博嗣
突然女性の元へ姉から送り届けられたアンドロイド風のお手伝いさん「やすお」。
最後まで読めばわかるゾッとするようなブラックユーモアが最高で、予想外の怖い展開になっていきます。
一時期SNS上でも話題になっていた作品でもあるので、読むチャンスを逃していた方はこの際にぜひ読んでみてほしいです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
やすお | 吉田博嗣 | 32ページ | コミックDAYS |
『地球記録0001』暗森透
月の探査中に青年が出会った異星人。
その異星人との交流と、タイトル回収も見事な驚きの結末が面白い傑作SF読み切りです。
人間が感じる孤独なんて笑っちゃうほどに、異星人たちが長い年月をかけて過ごしてきた孤独は深くて重いものなのかも知れません。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
地球記録0001 | 暗森透 | 63ページ | 少年ジャンプ+ |
『ハチウエは機械の父』ネズクマ
ハチウエ型ロボットの父と、人間の少女との感動の物語。
人間で言うところの認知症のような症状を古い機械であるハチウエ型ロボットが発症してしまうのですが、人間世界でのそれと巧みにリンクさせているような描写も巧く、最後にはハンカチ必須の泣ける展開が待っています。
ルーキー賞の作品とは思えないほどに練られている素敵な物語の傑作SFです。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ハチウエは機械の父 | ネズクマ | 50ページ | 少年ジャンプ+ |
『いつか帰郷をくちずさんで』佐武原
序盤で1作品ご紹介した佐武原先生の作品をもう一つ。
こちらは地震予知が可能となった近未来での物語で、「地震が来ることがわかっていたとしたら果たして人は故郷を捨てて逃げるのか?」という深い問いかけであったり、震災を利用しようとする政治家であったりと、なんとも社会的な難しいテーマ盛りだくさんの読み応えのある作品となっています。
佐武原先生、ほんとすごいです。
この作品に関しては、どっしりと腰を据えてじっくり読んでほしいと思います。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
いつか帰郷をくちずさんで | 佐武原 | 52ページ | コミックDAYS |
まとめ:無料で読めちゃうSF読み切り漫画でサクッと頭の体操をしてみては?
無料で読めるSF読み切り漫画特集、いかがでしたでしょうか?
どんどん新たに公開されている読み切り漫画も紹介しているので、またこの特集記事に入れたいぐらいの面白い作品があれば随時追加していく予定です。
読み切り作品はサクッと読めて、しっかり完結しているのが最大の強みなので、気になった作品はどんどん読んでサクッと頭の体操してみてください!
そして最高に楽しめた作品があれば、作者の漫画家さんをもっと掘り下げてみて世界を広げてみるのもオススメです!
※あわせて他ジャンル特集記事も良ければあわせてチェックしてみてください。
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