『幽☆遊☆白書』や『HUNTER×HUNTER』でお馴染みの超有名漫画家、冨樫義博先生。
超有名なのは良い噂と同時に「休載しまくり」という悪い噂があるからだといいうことはもう誰もが知る逸話となってしまっています。
しかしそれでも皆が続きを待ち続ける理由は、やはり冨樫先生の物語がとんでもなく面白いからにほかなりません。
そんな冨樫先生の初期の読み切り作品、読んでみたいと思いませんか?
今回ご紹介するのは、冨樫先生の原点とも入れるいくつかの読み切り短編を収録した短編集『狼なんて怖くない!!』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
狼なんて怖くない!! | 冨樫義博 | 集英社 | 1989年 |
いたるところに後の『幽☆遊☆白書』や『HUNTER×HUNTER』に繋がるキャラだったり設定だったりが垣間見えるので、ファンであればあるほど楽しめる一冊になっています。
『狼なんて怖くない!!』を読んだら……
仕事欲に燃える冨樫先生の貴重な作品が読めました。
『狼なんて怖くない!!』はどんな漫画?
『狼なんて怖くない!!』には全部で6つの読み切り作品が収録されています。
ジャンルは様々ですので、各話ざっくりとネタバレしすぎないように紹介してみたいと思いますので購入する際の参考にしてください。
狼なんて怖くない!!
最初のお話が表題作。
狼男の家系に生まれた高校生の主人公のドタバタ学園生活のお話。
狼男の「満月だから合宿は参加できないなぁ」という地味に切実な悩みが、それこそ女性の生理現象にかぶらなくもなくてもしや冨樫先生は暗にそういうメッセージも込めたのか? と勝手に勘ぐってみたり。
狼男なのに恋までしちゃってる主人公の恋心は成就するのか?
意外なラストもとても良かったです。
オカルト探偵団―Part1―
幽遊白書の原型か?とすら思える、オカルト探偵団を結成している男女4人の学園冒険譚。
流石の冨樫先生、色々なツボを若い時から心得て押さえていたんだな、とうならされる作品。
オカルト探偵団―Part2―
冨樫先生自身が、「40ページ以上の作品を初めて描いた」「弟や友人に手伝ってもらってなんとか仕上げた」と書いており、確かになかなか読み応えのある作品です。
タイトルでわかるように、前話のオカルト探偵団の2作目なのですが、1作目よりも面白さも物語の質も一段階上がったように感じたとても良いお話。
オカルト探偵団、という特殊な集まりの特性を上手く物語に絡めているのが流石の冨樫先生。
HORROR ANGEL
冨樫先生自身が「ホラー映画大好きで趣味全開で描いた」と書いている作品。
やっぱりですね、作者が好きなもの描くと間違いなく面白い作品になるのです。
序盤からかなりかっ飛ばしてて面白いです。
「今朝のおかずはね――パパのスープよ」
と言ってお母さんがお父さんの頭を煮込んだスープを出してくる、そんな作品が冨樫先生作で読めるとは思ってもいませんでした。
そしてラストもほっこり感動できる良いお話に仕上げているのもすごいです。
とんだバースディプレゼント
ケンカとゲームが大好きな主人公(←すさまじい設定)が、お父さんのトンデモ発明品によってドラクエみたいな世界で好きな子を救い出すお話。
――↑↑ちょっと何書いてるか自分でもわかりませんが、大体本当にそんなお話です。
時代を感じるのがいいですよね。
ちょうどこの作品を冨樫先生が描いたのが1987年頃。
それはちょうどドラゴンクエストⅡが発売された年でもあり、もろに漫画内でもドラクエⅡみたいにしたかったのがわかります。
ベタ中のベタなのにちょっとキュンとしちゃうラストも良いです。
ぶっとびストレート
最後はまさかの野球の漫画。
ストレートと豪速球だけが得意な主人公と、頭を使った野球が好きな変化球好き部員とが紅白試合で退部を賭けて試合するお話。
皆に疎まれるようになってしまった主人公は紅白試合でも多くの邪魔をされピンチに陥るのですが、ふっきれてからの「ケンカ野球」っぷりが最高に痛快です。
冨樫先生野球漫画もいけちゃうのか、と感心しきり。
先生自身もこの短編集の途中途中で回想をはさんで書いてくれているのですが、「自分がおもしろいと思うものを基本においてやるしかない」と書いていました。
まず自分が面白くないと、読者も面白いわけがないですもんね。
まさに燃えている若かりし頃の冨樫先生の全力が見れる貴重な短編集となっていました。
『狼なんて怖くない!!』を読んだ皆さんの反応
この短編集読むと、色々な雰囲気の絵が描けるし描きこみも凄いしやはり冨樫先生は凄いのだ、と再認識できます。
30年ほど前の作品だということも驚き!
『狼なんて怖くない!!』を読んで冨樫先生の才能あふれる原点を見よ
今では大先生の冨樫義博先生ですが、以前1巻完結・読み切り漫画の魅力の記事で書いたように、大先生達が足掻いていた時代の作品が読めるのも1巻完結読み切り漫画だからこその魅力なのです。
因みにですが、この短編集が出た翌年あたりから幽遊白書がスタートしてますので、幽遊白書に繋がるものが散見されるのも納得です。
ぜひ、冨樫先生の若かりし時代の才能あふれる短編集、読んでみてほしいです。
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