突然テレビから流れてきた親友であるイカガワマリコの死を報せるニュース。
荒っぽくてサバサバとしたOLのシイノは、先週も遊んだばかりのマリコの死を受け入れられなかった。
いつだって壊れていたマリコ。
いつだって傷だらけで痣だらけで骨折ばかりしていたマリコ。
父親から凄惨なまでの虐待を受けていたマリコ。
そんなマリコの死を知った時、シイノはマリコの魂を助け出すべく包丁を握りしめてマリコの実家へと突撃していく――。
今回ご紹介するのは、平庫ワカ先生の魂を揺さぶるヒューマンドラマ『マイ・ブロークン・マリコ』です。
壊れてしまったマリコと、救ってやれなかったシイノの葛藤を描いた物語なのですが、とにかく主人公のシイノが人間くさくって最高です。
そしてちょっと暗めの雰囲気の物語ではあるのですが、漫画としての表現もとても面白く最後まで一気に読んでしまうことができます。
これはぜひとも読んでおきたい、心揺さぶるおすすめの1巻完結漫画です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
マイ・ブロークン・マリコ | 平庫ワカ | KADOKAWA | 2020年 |
『マイ・ブロークン・マリコ』を読んだら……
人間くさいキャラクターに惚れ込み、勢いを持って読み終えることができる、漫画的面白さに溢れた1巻完結漫画が堪能できます。
『マイ・ブロークン・マリコ』はどんな漫画?
この漫画は、表題作の『マイ・ブロークン・マリコ』と読み切りの『YISKA―イーサカ―』の2作品が収録されています。
2つの物語に繋がりは一切なく、ボリュームは 『マイ・ブロークン・マリコ』 がほとんどを締めます。
ここではそれぞれの漫画の内容をざっくりとネタバレしない程度にご紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。
『マイ・ブロークン・マリコ』
表題作であり、メインの物語。
ある日突然主人公のシイノは、親友のマリコが自殺したことを知り、マリコの遺骨を強奪して旅に出るお話です。
主人公であるシイノが型にはまらない破天荒なOLというのが一番の見どころだと僕は感じました。
タバコを吸う姿もバッチリハマってます。
荒っぽい言葉遣いもかっこよく、荒々しいからこそマリコを想う気持ちやマリコを壊していった人々への怒りもストレートに伝わってきます。
逆に、このシイノの性格でなければ成り立たない物語であったようにも感じました。
シイノのこの性格だからこその勢いであり、シイノが荒々しかったからこそ淡々と流れていく現実の時間との対比もより鮮明に描写されたのでしょう。
人によって何を得るかは全く違うと思うのですが、最後の1コマはきっと誰もがそれぞれの「答え」を当てはめて涙するはず。
『YISKA―イーサカ―』
アメリカ先住民の少年とギャングを抜けてきたクリント・イーストウッドみたいないオジサンが主役の読み切り作品。
名前の持つ意味が重い、独特な読後感のアメリカンな読み切りです。
『マイ・ブロークン・マリコ』を読んだ皆さんの反応
『マイ・ブロークン・マリコ』は遺骨になった親友と旅する心揺さぶる女の絆の物語を描いた傑作1巻完結漫画
このまとめの項目で改めて書いておきたいのが、この作品の凄さというのは「勢いのある漫画としてのおもしろさ」に溢れている点にあると思うのです。
物語がずば抜けて良いかと言えばそういうわけではないと正直に思いますし(というよりも明かされない点が多くあえてしっかりとした物語にはしていないと思われます)、それでも一気に読んでしまってものすごく心に響く何かがある作品なのです。
なぜそんなに心に響いたかと言えば、シイノという主人公の勢いと描かれ方に、読者はぐいぐい引き込まれ、最後には「どうしようもなくダメなマリコを誰よりも好きだったシイノ」の気持ちになってしまうからだと思うのです。
それはもう作者である平庫ワカ先生の巧さなのでしょう。
ぜひ、試し読みするだけでもこの作品の勢いと凄さに触れることができると思うので、チェックしてみてください。
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