ミッドナイトブルーとは、真夜中の濃い青色。
表題からしてなんともオシャレ感漂う、7つの不思議で泣けて心温まる物語が収録された、須藤佑美先生の『ミッドナイトブルー』を今回はご紹介します。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
ミッドナイトブルー | 須藤佑美 | 祥伝社 | 2016年 |
表紙絵にもミッドナイトブルーという色についての説明があり、
――色の名称。「真夜中の青」と形容される、ほとんど黒に近い青のこと。濃紺よりも暗い紫みの青。中国明朝の磁器に用いられた釉薬から名前がついた「ミンブルー」に由来するという説もある。
と書かれています。
『ミッドナイトブルー』を読んだら……
不思議な世界観の7つのキュンとする物語が読めて、泣けます。
『ミッドナイトブルー』はどんな漫画?
『ミッドナイトブルー』は7つのそれぞれで完結している短編から構成される短編集です。
全て男女のお話になっており、ちょっぴり不思議だったり泣けたりする様々な素敵なお話が収録されています。
それぞれのお話をネタバレしない程度に簡単にご紹介しますので、参考にしていただければと思います。
箱の中の想い出
「朝起きると見知らぬ女が部屋にいた」
で始まる、イケメンな学校の先生が主人公のお話。
見知らぬ女の正体と、最後のオチが予想外でした。
ちょっと整形美女のお話でもあります。
エグさマックスな整形美女の漫画ならヘルタースケルターをどうぞ。
夢にも見たい
夢でいいから会ってみたい!
そんな恋焦がれる相手はいませんか?
男性アナウンサーに恋してしまった女子高生の、不思議な体験と心温まる展開の素敵な物語。
作中でも紹介されていますが、タイトルの「夢にも見たい」は浮世絵師「月岡芳年(つきおかよしとし)」の美人画のタイトル。
僕、一時期月岡芳年にハマっていた時期があり、絵画展も行ったことあったりします。
漫画の原点とも言われることのある躍動感のある絵が最高な浮世絵師なので、覚えておくといつか何かの役に立つかも知れません。
今夜会う人
フラッと立ち寄ったバーの店員が、昔のとある出来事で出逢った女性とそっくりだった――。
主人公の男性が、その「昔のとある出来事」を酒を飲みながら語るお話。
あの日であった少女の正体と、バーの女性の正体。
少し先が読める展開ではありましたが、ダブルでほろっと感動できて良いお話です。
花が咲く日
植物大好きで外国へしょっちゅう研究へ出かけてしまう兄耕一と、弟英二、そして近所のお姉さん芳姉の物語。
耕一にが海外へまた出かけてしまうというある日、芳姉が耕一へ告白をし、英二がそれを目撃してしまいます。
しかしその日から8年、耕一は帰ってこず、行方不明者扱いに。
耕一に芳姉が告白するのを見ていた英二は、芳姉がいつまでも耕一の事を引きずっているかのように見えるのが嫌で……。
といったなんともピュアでじれったい恋のお話になっていきます。
果たして耕一は帰ってくるのか?
英二の恋心は?
そして芳姉の選らんが結末とは?
結構予想外のラストです。
白い糸
全力で学生の恋! という感じですごく甘酸っぱくて良いです。
ちょっと新海誠監督の映画見てる気分になりました。
僕も過去に先輩の事が好きになり、大きな覚悟で告白して普通にふられた経験があるので他人事とは思えぬ感情移入っぷりで読みました。
ある夫婦の記録
この短編集の中では際立って異質なクセのある夫婦の物語。
普通に綺麗な奥さんと、絶対に奥さんに触れない(きれいすぎて)旦那さんの奇妙な話。
それでも最後にはなんだかあたたかい気持ちになる絶妙な匙加減がすごいです。
ミッドナイトブルー
天文部の男女4人で交わした高校生の時の約束、「2年ごとに火星観測の会という名目でみんなで集まろう」。
しかしその約束の2日後、4人のうちの一人の少女が交通事故で死んでしまいます。
この漫画の表題作であり、じんわりと感動し、じんわりと心温まる素敵なお話。
須藤佑美先生は、必ずしもハッピーエンドではないのだけれど決して悲しくて暗い感じにしないのがすごく上手いな、と思いました。
タイトルの期待を裏切らない、オシャレな感じもすごく感じました。
『ミッドナイトブルー』を読んだ皆さんの反応
↑↑すごい。この方のツイート、僕がこの文章ぱくったのかと疑われるレベルで前項の僕の「必ずしもハッピーエンドではないのだけれど決して悲しくて暗い感じにしないのがすごく上手いな、と思いました」と同じようなこと書いてますね。
つまりマジにそうだ、ということでしょう。
独特の余韻と世界観が本当に良くて、しばらく星を眺めてぼーっとしてたい気分になります。
『ミッドナイトブルー』でちょっと切なく、ちょっと不思議な男女の物語7編をご堪能ください
『ミッドナイトブルー』は特に今まさに恋をしている人なんかにはおすすめできます。
全て、様々な形と状況の恋のお話になっていますので。
そして表題作の「ミッドナイトブルー」の、甘酸っぱくも素敵な余韻を感じれる最後をぜひ体験してみて欲しいです。
試し読みだけでもぜひどうぞ。
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