ヤクザと中学生がカラオケするお話――一体どういう思考回路をしていれば、そんな不思議な設定の漫画が描けるのか?
ギャグも散りばめ、更には心がじんじんと温かくなる感動までくれる1巻完結の傑作漫画『カラオケ行こ!』は、そんな奇跡を体現して見せた恐ろしい作品です。
作者は、『女の園の星』連載中の和山やま先生。
とにかく登場人物が強烈で面白い、笑って泣けて考えさせられる、とても贅沢で読後感も爽やかな傑作漫画をご紹介。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
カラオケ行こ! | 和山やま | KADOKAWA | 2020年 |
※追記:『夢中さ、きみに。』も紹介しましたので、よければあわせてご覧ください↓↓
『カラオケ行こ!』を読んだら……
カラオケが繋ぐヤクザと少年の不思議で愛おしい関係性にキュンキュンできます。
『カラオケ行こ!』はどんな漫画?
『カラオケ行こ!』の主要な登場人物は、まず中学校の合唱部部長の岡聡実(おかさとみ)少年。
そして、ヤクザの四代目祭林組若頭補佐である成田狂児(なりたきょうじ)の2人。
誘拐でもされない限りどう考えたって接点の無さそうな2人なのですが、その2人を繋ぐのがカラオケです。
狂児は組内で定期的に開催されるカラオケ大会でビリになるのを避けるべく、合唱コンクールで一番歌が上手い学校の聡実に歌が上手くなるコツを教えてもらう、と決めてしまったのです。
ヤクザというだけでも馴染みがなく怖い存在なのに、さらに歌を教えることになってしまった聡実の運命やいかに? そして狂児は無事にカラオケ大会でビリを回避することができるのか?
――というのがざっくり言えばこの漫画のツカミなわけですが、何と言っても和山先生の作品の魅力は登場人物にあります。
ヤクザ相手にも的確にローテンションなツッコミを入れ続ける、のびた君風な見た目とは裏腹に腹の据わった聡実少年の面白さ。
適当で高圧的かと思いきや、情に厚く中学生への細かな配慮も忘れないイケメン過ぎる狂児。
最初は嫌がっている聡実少年も、次第に狂児の男気に好感を持っていき、絆が生まれていく様は読んでいて胸アツです。
物語も単純に進みはせず(というかヤクザと中学生という設定が異次元なので何が起きるか予想しようがないとも言えますが)、高音が美しかった聡実の声変わりなど中学生特有のハプニングに襲われたり、ヤクザ衆大勢にレッスンを頼まれたりと、ハラハラする展開が盛り込まれています。
クライマックス、聡実と狂児それぞれの結末はどうなるのか?
読み終わった後にはきっとあたたかい気持ちになると同時に、感動の涙を流してしまうことでしょう。
『カラオケ行こ!』は奇天烈な組み合わせから生まれる笑いと、そこから生まれる絶妙な空気感、そして奇跡的に積み上げられた信頼と絆で泣かされる、読み応えたっぷりで読後感も爽やかな傑作1巻完結漫画になっています。
『カラオケ行こ!』を読んだ皆さんの反応
追記:4月15日深夜のアメトークにてジャンポケの太田さんがこの漫画を紹介していました。1巻完結漫画と読み切り漫画のみ紹介しているこのブログですから、複数巻の漫画がほとんどな中で1巻完結漫画が紹介されたこと、なぜか自分の事のように嬉しかったです。1完結漫画と読み切り漫画の魅力、良ければあわせてご覧くださいませ↓↓
『カラオケ行こ!』はヤクザと中学生とがカラオケで繋がる温かくて泣ける不思議なおすすめ1巻完結漫画
この『カラオケ行こ!』内で、割とキーになる楽曲の1つがX JAPANの「紅」なのですが、正直僕はそんなに好きな曲ではないのに、僕の妻が超好きでよくテンションを上げたい時に爆音でかけています。
まさかその因縁の紅を、この漫画をきっかけに自ら聴く日が来るとは思ってもみませんでした。
高校生の時は友人と行きまくっていたカラオケですが、今はもう僕は全く行かなくなってしまいました。
でもやっぱり、カラオケって楽しいですよね。
なんだか懐かしさも感じながら読めましたし、何より聡実と狂児の関係に泣かされる、とても良い漫画でした。
1巻完結でサクっと読めて、なおかつ読み応え十分なので全力でおすすめしたい1冊です。
メインで利用する電子書籍サービスに悩んでいるようであれば、背表紙表示があるebookjapanがコレクション欲も満たしてくれるのでおすすめです。
詳細は記事にしてありますので、興味がありましたら読んでみてください。
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