「それでも町は廻っている」などで有名な石黒正数先生の読み切り短編集であり、「それでも町は廻っている」の雰囲気を期待した人は大体予想外な内容に驚く傑作漫画『外天楼(げてんろう)』。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
外天楼 | 石黒正数 | 講談社 | 2015年 |
1話では少年達がエッチな本を探す為に真剣に作戦を練り、決行するふざけているような物語が展開され、この読み切り作品がどのような方向へ行く作品なのか、全く想像できません。
しかしその後どんどんと物語は全容を現しはじめ、終盤では独立した短編だと思われていた物語達が繋がりを持ち始め、クライマックスへと向かいます。
『外天楼』を読んだら……
不思議な世界観が紡ぐ、切なく泣ける極上の1巻完結漫画体験ができます。
『外天楼』はどんな漫画?
冒頭で触れたように、『外天楼』は少年達の青春の1ページのようなお話から始まります。
しかし3話あたりの物語から一気にSFな世界観が明かされていき、哲学的、倫理的な問題にも触れる物語が展開していきます。
作者の石黒正数先生は押井守ファンであるとのことですが、なるほど攻殻機動隊であったり、イノセンスなエッセンスも感じることが出来る内容になっています。
そしてタイトルの『外天楼』は、ヤンキーがそのように落書きしたことから呼ばれるようになった「増築を繰り返し迷路のようになった集合住宅(マンションみたいな感じ)」の呼称です。
当然、物語上でも重要な場所になっています。
ずっとSFなわけでもなく、バランス良く笑える要素が散りばめられていたり、サスペンスな展開になったり、考えさせられる問いかけがあったりと、最後まで「次が予想できない」非常に面白く読み進める手が止まらなくなる読み切り漫画です。
そして、ネタバレはしませんが「読み終わった後にもう一度最初から読んでみたくなる」漫画です。
実はくだらなく思えていた1コマも非常に大きな伏線になっていたりと、精巧な構成もまたこの漫画の魅力です。
『外天楼』はどんな人におすすめ?
『外天楼』はどんな人におすすめしたいかと言うと――
SF好きな人。
押井守監督な雰囲気が好きな人。
先の読めない展開にワクワクしたい人。
短編集ではあるけれど最後には全てのお話が意味を持って繋がるような構成が好きな人。
などです。
特に、硬派なSFというよりはやんわりと近未来なSF作品なので、ドラえもんが好きな人にもおすすめできます。
また、最後まで1度読んだ後にもう1度読み返したくなること間違いなしなので、何度も繰り返し読み返したい人は特に楽しめるかも知れません。
きっと読み返す度に新たな発見がありますから。
『外天楼』を読んだ皆さんの反応
たしかに絵のタッチは一癖あるのかも知れませんが、僕は全然好きな絵でした。
↑↑僕がこの記事で紹介したのと同じ事言ってくれてます。
そう、2回読みたくなるし、理由は読めばわかるのです!
石黒先生がそのあたりの作品好きなのは読んでいればすぐにわかります。
あ、わからない方がよかったやつですかね?
アニメ化本当にお願いします。
先の読めない展開のSF読み切り漫画を探しているなら『外天楼』がおすすめ
『外天楼』は1話でかなりくだらない(と思わせるような)お話を持ってきて、そこから徐々に異なる世界観が見えて来て、最後にはしっかり繋がっていくという、石黒正数先生の職人技が光る傑作読み切り漫画となっています。
以前ご紹介した『アイリウム』も話が1話読み進める毎に加速していく感じが最高に面白かったのですが、『外天楼』はまた違った面白さと感動があります。
あまり深く考えず、ニュートラルな状態で読む方がきっと楽しめると思うので是非不思議な迷路のような『外天楼』を堪能してみて欲しいです。
ひとまず絵のタッチ等確認できますので、試し読みだけでもしてみて下さい↓↓
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