乾いた風が吹きすさぶ大地……。
隠された場所にひっそりと存在している、洞窟のような遺跡……。
天才画家と呼ばれる二宮は、毎晩同じ場所の夢を見て、そしてその夢で同じ女性を見た。
そしてその経験をしているのは二宮だけではなく――。
――今回ご紹介するのは、山嵜大輝先生による『岸辺の夢』です。
こちらの作品は、アフタヌーン四季賞2020冬において四季大賞を受賞した作品。
四季賞の大賞は面白さも非常に信頼できる賞であることは多くの方がご存知のはずです。
となれば……とにもかくにも、読んでみてほしいです。
『岸辺の夢』は一言でどんな漫画?
毎晩夢に現れる女性を追い求め、古代の遺跡まで到達した芸術家の体験を描いたちょっと怖くて面白い読み応えある読み切り作品。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
岸辺の夢 | 山嵜大輝 | 54ページ | コミックDAYS |
『岸辺の夢』の超ざっくりあらすじ
芸大を主席で卒業し、個展を開く準備に追われている二宮は、10歳の頃から同じ女性の夢を見るようになった。
その女性は知り合いでもなく、有名人でもない。
――そんなある日、二宮は個展にて阿久沢と名乗る男と出会った。
阿久沢は芸術品のコレクターであり、二宮がとある女性に固執し、その女性の絵を描き続けていることも見抜いていた。
阿久沢に誘われ、二宮は阿久沢のコレクションを見せてもらうことになったのだが、阿久沢のコレクションというのはなんと二宮が毎晩夢に見ている女性をモデルにしたと思われる彫刻や絵画の数々だった。
それら作品は作られた国も年代もバラバラ。
しかし世界中で明確にその女性をモデルにしている作品が作られている。
――阿久沢と二宮は、その女性を追い求め旅をすることになるのだが、その旅の先で衝撃的な出来事を体験することとなり……。
『岸辺の夢』のネタバレあり感想
細かく、重厚な筆致で描かれる本格派な物語。
読み始めてすぐに一気に惹き込まれました。
おおまかな設定としては「夢に毎晩出てくる女性を追い求める」というシンプルなものなのですが、そのシンプルな設定が徐々に壮大なスケールになっていき、すごく面白かったです。
謎解きをするミステリー&サスペンスな部分もあり、不気味で得体の知れない存在を追うことのホラー的怖さもあります。
終盤に明かされる、阿久沢の全身に彫られたその女性の刺青と、阿久沢自身はその夢を見ることが出来ないという事実から、切なさと狂気を感じてゾッとしました。
さて、狂気に侵される阿久沢と、ついに女性と会う――というクライマックスを経て、二宮は女性から「違う」と一言だけ言われてしまいます。
結局その女性との出来事も夢であったかも知れず、それ以降二宮は夢も見なくなり、女性の絵を描くこともなくなってしまい、物語は結ばれます。
全体通してものすごく惹き込まれ面白かったのですが、素直に思ったのがもう少しだけ謎の女性の背景であったり、その後であったりを描いてくれたらもっとのめり込めたかもなあ、なんて思いました。
結局本当に二宮が語っていたのと同じように、読者もまた何もわからないまま終わってしまったので。
でももしかしたら、その何もかもわからない点も含めて「岸辺の夢」ということだったのかも……。
ぜひあなたも読んでみて考えてみてください。
『岸辺の夢』を読んだ皆さんの反応
『岸辺の夢』は毎夜夢に現れる女性を追う天才画家とコレクターの旅を描いたおすすめ読み切り漫画
毎晩夢に出てくる女性――仮に僕もそんな夢を毎晩見たのだとしたら、おかしくなっちゃいそうですし、きっと恋してしまうのではないかと思います。
夢に出てくるのってものすごく強烈ですからね。
そういえば中学生の頃、好きでもなかった女の子の夢を見て、翌日から好きになっちゃったことがありました。
でっていう。
とにもかくにも、もしまだこの作品を読んでいないのであれば、きっと冒頭から一気に惹き込まれると思いますのでぜひ読んでみてください。
そしてこの『岸辺の夢』が面白かったのであれば、作者である山嵜大輝先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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