わが君は 千世にやちよに さざれいしの いわほとなりて こけのむすまで
――こちらは「君が代」のもとにもなっている古今和歌集の歌です。
愛する人にとにかく長く生きてほしい……と願う愛に溢れた歌ですね。
さて今回ご紹介するのは、そんな歌の一文「千代に八千代に」をタイトルに関する1巻完結漫画です。
まさにその歌の持つ優しさのような愛と優しさに溢れた短編集になっており、とにかく登場人物が皆愛おしくなります。
なんでしょうね、作者である大澄剛先生の絵のタッチもあるのですが、すごく表情が生き生きしいているように見えるのです。
――というわけで今回ご紹介するのは、大澄剛先生の『千代に八千代に』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
千代に八千代に | 大澄剛 | 双葉社 | 2014年 |
『千代に八千代に』を読んだら……
年の差の恋、幼馴染の恋、無限の可能性を持つ円周率などなど、不思議で優しくて愛にあふれた短編が堪能できます。
『千代に八千代に』はどんな漫画?
この作品は、全部で7(プラスおまけの1作品)つの短編が収録されている1巻完結の短編集漫画です。
5つの作品は繋がっている作品であり、2作品は繋がりのない読み切り作品になっています。
前半5作品には、それぞれ教科名がサブタイトルとしてつけられており、なんとなく内容もその教科名に寄った構成になっているのが面白いです。
ここではそれぞれの漫画の内容をざっくりとネタバレしない程度にご紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。
1:Japanese 千代に八千代に
国語。
表題作であり、年の離れた恋愛の物語。
主人公の千代さんと、その千代お教える立場にあった先生とが結ばれるのですが、なんとも千代さんが魅力的で可愛いです。
そして不器用な先生の愛情表現と、毎年決まって千代さんの誕生日に先生がくれるカンザシ……それらが意味を持ち迎えるクライマックスはじんわりと心に染みていくこと間違いなしです。
2:science 太陽の下
科学。
ちょっと複雑な家庭の少女と、その幼馴染の少年との物語。
ピュアでもどかしい感情表現にもだえます。
3:math circle
数学。
少年と駄菓子屋の店番をするお姉さんとの、想像力を掻き立てられる円周率についての物語。
最後の少年らしい笑顔が最高。
4:English I LOVE YOU
英語。
この物語は、2話目の幼馴染の物語とつながります。
2話でのとあるシーンに出てきた男性がこの物語の主人公。
新しい家族のカタチを模索する、素敵な物語。
5:home economics パッチワーク
家庭科。
この物語は、1話の千代さんが登場。
そして主人公は千代さんとは対照的な性格の女性。
彼女の心の中にあるモヤモヤが最後のシーンを引き立てます。
融けるほど、
氷を食べてないと融けちゃう女の子のお話。
楽しくてかわいい読み切り。
おさな一号
幼馴染ではないのに、幼馴染役に抜擢された少女の物語。
少女漫画的なドタバタかつキュンストーリー。
『千代に八千代に』を読んだ皆さんの反応
『千代に八千代に』は国語から始まる優しさと愛に溢れた短編集
やはり表題作の『千代に八千代に』の千代さんが抜群に可愛らしくて、一気にこの作品の物語に入り込めました。
千代さんのお相手の先生も、不器用な感じがとてもよくって最後までほっこり&感動のとても優しい短編集でした。
他の作品もそれぞれ異なる味わいで楽しめるので、ぜひ読んでみてほしいです!
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