現代的な妖怪や怪奇伝説と聞くと、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
最も有名な伝説と言えば、やはり「口裂け女」なのではないか、と思います。
今回ご紹介するのは、そんな懐かしき昭和の怪奇伝説を、新たな解釈で描いた傑作ホラー短編集『口裂け女あらわる!~昭和怪奇伝説~』です。
作者は奇才・呪みちる先生。
呪先生は日野日出志先生の作品「蔵六の奇病」に影響を受けた、とwikiに書いてあるのですが、なるほど日野日出志先生ばりの細かくて濃くて気持ち悪い描写が凄まじいです。
※日野先生の「蔵六の奇病」は以前このブログでも紹介した『赤い花』に収録されています↓↓
昭和感漂う雰囲気と絵柄、そして新たな視点で描かれた珠玉のホラー短編集になっています。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
口裂け女あらわる! ~昭和怪奇伝説~ | 呪みちる | ぶんか社 | 2017年 |
『口裂け女あらわる!~昭和怪奇伝説~』を読んだら……
一度は聞いたことのある都市伝説を新たな視点で読めて面白いし、しっかり怖いし、ちょっとエロいし、最高でしたありがとうございます。
『口裂け女あらわる!~昭和怪奇伝説~』はどんな漫画?
この漫画には、全部で11の読み切り短編漫画が収録されています。
全てのお話は独立したお話になっているので、どれから読み始めても大丈夫です。
そして、どのお話もしっかりとホラーで読み応えあるので、思った以上に満足感も高い短編集でした。
ここでは、それぞれのお話をネタバレし過ぎぬよう簡単に紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。
スケスケメガネ伝説
第一話は、全ての男性の夢であるスケスケメガネのお話。
かければたちまち全ての人の服が透けて見えるので、裸見放題! 欲しい!
しかしそんな夢のようなメガネを手に入れた代償も大きく……。
夢とロマンと恐怖に満ちた良作。
口裂け女あらわる!
口裂け女の伝説を新たな視点で描いた作品。
どのように口裂け女伝説が広がっていったのかも描かれ、説得力もあるのですが、想像のナナメ上をいく衝撃のラストに思う人間の怖さ。
というか異常性。
黒い清涼飲料水
黒い清涼飲料水、つまりはコーラにまつわる伝説というのを聞いたことはないでしょうか?
このお話は、まさにそのコーラにまつわる噂に関する物語。
コーラに混ぜられていたのはヤバイ薬?
いいえ、もっとヤバイものが入っているかも知れないのです。
だるま女の話
だるま女の話――と聞いてどんなお話を想像するでしょうか?
かなり太った不気味な女の話?
大丈夫、もっとずっと恐ろしいお話です。
タイヤ
いじめでタイヤに入れられ、そのまま殺されてしまった少年の恐ろしいお話。
単にいじめの陰惨なお話なだけでなく、その死に方、そして復讐がものすごく怖いです。
ヌガーの少女
17世紀にフランスで流行ったとされる、ヌガー人形の呪術のお話。
人間そっくりの人形をヌガーという練り菓子で作り、さらに臓器まで細かく似せて作ると、その人形に似せて作られた人間は操られてしまう、という呪術です。
しかし京極夏彦先生の小説でもよく出てきますが、人を呪わば穴二つ、呪う側にも必ずなんらかのバチがあたるものなのです。
ウジ女
片付けられない女性が最終的にゴミ屋敷のようになっていく部屋でウジまみれになっていく気持ち悪いお話。
こういったお話は、日野日出志先生感をすごく感じます。
3本足の人形
おそらくは怪奇伝説「メリーさん」をモチーフにしたんじゃないかと思われるお話。
家にある超不気味な3本足の人形が、家の住人を支配するようになります。
不気味に思った家人がその人形を処分するのですが……
「私、マリーさん。今あなたの家の前にいるの……」
呪先生のセンスに拍手したくなる怖いお話で、ラストも衝撃的。
復讐の人面疽
人面疽とは、人間の傷が顔のようになり、物を食べたり悪口を言ったりするようになる妖怪の一種。
これは実際に古くから言い伝えられている妖怪現象ですが、それが呪先生の手にかかると凄まじいことに。
そう、ホラーはやっぱりこのぐらい「やり過ぎて」くれなきゃね!
と思える素晴らしいお話。
地獄をのぞく鏡
地獄図に魅せられてしまう少女の地獄のようなお話。
読んでいて、かなりこの少女の気持ちがわかりました。
人って地獄図とか見るの好きな人多いですよね。
舌引っこ抜かれたり、よくわからんけど股にノコギリされてたり、見たくないんだけど見たい、そんな地獄図。
結末も非常に恐ろしい傑作。
魔食
2ページのみの掌編。
トイレの中には……キャーッ!!
『口裂け女あらわる!~昭和怪奇伝説~』を読んだ皆さんの反応
『口裂け女あらわる!~昭和怪奇伝説~』はあの怪奇伝説らを新たな解釈で描いた呪みちる先生の傑作ホラー
口裂け女にスケスケめがね、黒い飲料水にメリーさん。
様々な怪奇伝説、都市伝説を独特なホラー漫画に昇華させた非常に読み応えのある短編集になっていました。
予想を裏切られる結末になるお話も多く、全く飽きさせません。
そして何より、日野日出志先生ばりのウジャウジャグシャグシャとわき出るモノ。
最高でした。
新たなホラー漫画を探している方、そしてホラーは苦手と言うような方も、本当に面白いのでぜひ読んでみてください。
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