繊細で鋭敏な感覚を持つ子供だけが選別され、国に仕える祭司として働くことになる「石読み」と呼ばれる人々。
そのあまりにも繊細な感覚から、石読みと呼ばれる人々は普段は顔を薄布で隠し、離れた場所で静かに暮らしています。
大地と会話し大地の記憶を人々に伝えるという特殊で重要な役割を担っている石読みにはどんな苦悩があり、どんな視点で世界を見ているのか?
――今回ご紹介するのは、薄雲ねず先生による『石読み』です。
この作品はアフタヌーン四季賞2020年冬において四季賞を受賞した作品です。
「石読み」というものすごく面白そうな世界観と設定、さらには腰を抜かしそうになるほどの高い画力で表現される世界は圧巻の一言です。
新人漫画家さん……ってウソでしょ??
『石読み』は一言でどんな漫画?
「石読み」と呼ばれる大地の記憶を読む仕事をする職業の、繊細で儚い世界を描いた傑作読み切り。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
石読み | 薄雲ねず | 78ページ | コミックDAYS |
『石読み』の超ざっくりあらすじ
とある国に存在する、石読みと呼ばれる人々。
彼ら石読みは幼い頃から感覚が鋭敏な者だけが選別され、教育され、国の祭司として使役する。
その役割は、大地に降り積もった膨大な記憶を読み、過去のことから未来のことまでを人々に伝える伝言者。
——ある日、クユラという名の少女は、仕えている屋敷の主人・ヒカタの命を受けイェンという名の石読みの家へとやってきた。
クユラはそこでイェンの家の掃除などをする家政婦として仕えることとなり、繊細で不思議なイェンに戸惑いながらも家事をこなし生活することになる。
クユラがイェンの家へ来てからしばらく経った頃、クユラの主人であったヒカタがイェンの家を訪ねて来た。
そこでクユラはヒカタとイェンのかつての関係と、2人を隔ててしまった出来事、そしてイェンの寿命についての話を聞いてしまうことになるのだが――。
『石読み』のネタバレあり感想
冒頭でも触れましたがとにかく画力が高く、ひたすらに全ページ美しいです。
ページを大きく使ったコマも数多くあるのですが、細かな筆致で描かれる美しい絵についつい見入ってしまいます。
物語の核となるのは、大地の記憶を読むことができる石読みと呼ばれる人々。
この石読みの描写と設定、そしてセリフが非常に面白く、説得力のあるものになっているのもこの作品の素晴らしい点だと思いました。
普通の人間とは違い、繊細すぎる感覚を持った彼らは会話をすることも一苦労。
セリフの端々にも会話に慣れていない、あるいは普通の人間たちとは感覚が全く異なることがうまく表されていてセリフを読むだけでも面白かったです。
全体を通して大きな展開や激しいアクションなど全くないのですが、ひたすらに不思議で美しい世界と石読みと呼ばれる不思議な人種の淡々とした会話や、考え方、そして死者への弔いの舞など興味深く読める要素満載で、すっかりこの作品の世界にハマってしまい気づけば読み終わっていました。
漫画ならではの世界観と美しい絵でひたすら没頭させる力を持った読み切り作品で、読み終わった後には優しくて温かい良質な映画を見たような気持ちに浸れました。
ぜひ多くの方に読んでみて欲しい傑作です。
『石読み』を読んだ皆さんの反応
『石読み』は大地の記憶を人々に伝える祭司の物語なおすすめ読み切り漫画
さすがの四季賞、画力に世界観に台詞にと全てがハイレベルですっかり魅入ってしまいました。
コミックDAYSで公開してくれて実にありがたいです。
漫画が面白くなる要素の中で、セリフもものすごく大事だと聞いたことがありますが、この作品を読んでその意味がわかったような気がしました。
とにもかくにも、まだ読んでいない方はきっとレベルの高さに度肝を抜かれると思いますのでぜひ読んでみてほしいです。
そしてこの『石読み』が面白かったのであれば、作者である薄雲ねず先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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