太宰治だと思って読み進め、読み終わったらうすた京介でした――。
――今回ご紹介するのは、木村龍介先生による『青春、失格。』です。
テキストびっしりな冒頭で文学的、かつ詩的な読み切り作品なのかも知れない、と身構えて読み始めたら、まさかの最後にはうすた京介先生的なドタバタ……いや、ダバダバな展開で思わず爆笑。
厭世的男女の摩訶不思議でニヤニヤしちゃうシュールなデートをぜひご堪能あれ。
『青春、失格。』は一言でどんな漫画?
うすた京介先生のギャグ漫画に太宰とかそういうエッセンスのふりかけ掛けたようなシュールギャグ読み切り。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
青春、失格。 | 木村龍介 | 18ページ | コミックDAYS |
『青春、失格。』の超ざっくりあらすじ
太宰治を敬愛し、青春を楽しむという感情が欠落している(と思っている)高校生・二瀬野葉造(にせのようぞう)。
そして太宰治に心酔し、青春に嫌悪感と地獄の苦痛を感じている女子高生・大庭透子(おおばすきこ)。
図書館にて愛読書である太宰治の著書『人間失格』をきっかけに出会った二人は、青春が大嫌いという点で意気投合。
しかしお互いが「自分の方が青春が嫌いな『青春失格』である」と主張し譲らず、どうしてそういう流れになったのか、一日限定でデートしてみて「楽しんだ方が偽物」である、という検証をすることになった。
デート序盤ではお互い探り合いながらのデートだったが、2人が頼んだパフェが運ばれてきたあたりから2人の表情は崩れ始める。
果たして最後まで青春嫌いを貫き、晴れて「青春失格」の称号を得るのはどちらなのか?
『青春、失格。』のネタバレあり感想
絵のタッチと崩し方といい、笑う描写とシュールなギャグといい、絶対に作者はうすた先生好きだと思うのです。
※うすた京介先生の原点と言える短編集を紹介しているので、うすた先生ファンの人やそもそもうすた先生をよく知らない人も気になったらチェックしてみてください⇓⇓
内容は、太宰好きな男女が自分こそが本当の青春失格である、主張しあい偽物はどちらかをデートして検証するお話になっています。
そして「青春なんてだいきらい」と言っているのにパフェを食べて喜んでしまったり、犬のウンコの話で笑いをこらえられなくなったりと、ひたすらに「楽しんでません合戦」が続きます。
結局2人はカフェにいた他のお客さんにまで迷惑をかけ、公園のベンチで「これじゃあ人間失格だ」と落ち込みます。
そしてお互いに「あなたこそが青春失格」と言い合い、またお互いに認めません。
そこで2人は絶対に嫌なのだけれどまたデートをして検証する約束をし、物語は結ばれます。
なんだよこのひねくれカップル笑
冷静に考えたら意味不明な2人なのですが、キャラクターとしてものすごく面白いので違和感なく読めました。
それに、ここまでこじらせているかどうかはわかりませんが、近いタイプの人結構いますよね。
僕も学生時代、生徒会長とかやってる超マジメで成績優秀なクラスメイトがいましたが、マジメな仮面を被ってはいましたが、本当はめっちゃ遊びたい気持ちを持っている事を知り衝撃を受けた経験があります。
太宰が好きでも、三島が好きでも、川端が好きでも、美味しいものは美味しいし、楽しいことは楽しいのです。
それをなぜか頑なに認めようとしない可愛い男女の、なんともほっこりする素敵な読み切り作品でした。
『青春、失格。』を読んだ皆さんの反応
『青春、失格。』はおすすめ読み切り漫画
読み始めた時と読み終わった時とで印象がガラっと変わる読み切りでした。
しかし2度目を読むと、最初の1ページ目からシュールギャグな雰囲気と溢れ出るうすた臭を感じることが出来ます。
うすた京介先生好きにはぜひ読んで欲しい作品です。
もしまだ読んでいないのであれば、きっとあなたも登場人物と一緒にニヤニヤしちゃうと思うのでぜひ読んでみてください。
そしてこの『青春、失格。』が面白かったのであれば、作者である木村龍介先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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