尾田栄一郎と聞いてその名を知らぬ漫画好きはいない――と言っても過言ではないほど、尾田先生の名前と『ワンピース』という作品は世界中で有名です。
そんな今や超大御所の尾田先生にも、当然若かりし頃というものがありました。
以前、読み切り漫画、特に短編集なんかは大物漫画家先生の恥ずかしい過去作が読めたりする、という事を書きました。
尾田先生とワンピースが好きであれば、もしかしたらもう読んだ、という方も多いのではないかと思うのですが、尾田先生のワンピースの原型となった作品や、尾田先生が高校生の時に投稿した読み切り作品までが収録されている短編集があります。
それが今回ご紹介する、『WANTED! 尾田栄一郎短編集』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
WANTED! 尾田栄一郎短編集 | 尾田栄一郎 | 集英社 | 1998年 |
『WANTED! 尾田栄一郎短編集』を読んだら……
尾田先生って高校生の時から天才だったんだな、とわかります。
『WANTED! 尾田栄一郎短編集』はどんな漫画?
『WANTED! 尾田栄一郎短編集』には、5つの独立した読み切り作品が収録されています。
高校生だった時の作品からワンピースに繋がる作品まで、それぞれがとても面白く、流石尾田先生といった内容になっています。
ネタバレしすぎないよう、各話ざっくりご紹介しますので参考にしていただければ幸いです。
WANTED!
最初に収録されているのが、表題作のWANTED!です。
タイトルから想像できる通り、西部劇の物語。
普通に面白いですし、後味も良い読み切り作品なのですが、お話の後のあとがきで先生自らが「当時は高校生で――」と書かれています。
え! 高校生でこれ描いたの??
と、思わずもう一度読み返したくなると思います。
天才です。
確かにそれを聞いた上で読み返すと、ギャグっぽく描いている部分のノリが少し高校生っぽいノリな気もしますが、それでもトータルでとんでもないクオリティ。
因みにこの作品は『週刊少年ジャンプ』の新人賞である手塚賞に準入選しています。
神から未来のプレゼント
お次は先生が大学生の時に描いたとされる作品。
スリを生業とする主人公と、それをこらしめる為にデスノート的な手帳を持っている神様とのお話。
かなり迫力ある描写があり、「若い時から見せ方が上手い人なんだぁ」と先生の天才的センスを感じれる作品。
ラストもスッキリしていていとても面白いです。
一鬼夜行
前話では迫力ある描写が堪能できましたが、この一鬼夜行では和風な(それこそ今で言えば鬼滅っぽい)題材で、さらにアクションシーンが大迫力で描かれています。
物語の展開も巧く、最後まで短いながらもずっと楽しく読むことができます。
ゾロの剣戟の原点?
MONSTERS
ドラゴンもいて侍もいて剣士もいる不思議な世界観のお話。
主人公は侍のリューマ(ワンピースにも出てくる)で、伝説の剣豪シラノとドラゴンと戦う非常に読み応えもあり、感動もできる良いお話。
色々と完成されている感。
見開きでのドラゴンとの対決は鳥肌モノ。
ROMANCE DAWN
ワンピース。
wikiにも書いてありますが、ROMANCE DAWN(ロマンス・ドーン)と題して描かれた作品は2作品あり、1つは先生もあとがきで書いていますが「あまりにもワンピースのネタバレになるから」的な理由でこの短編集には収録されなかったとのことです(『ONE PIECE RED』に収録)。
ほぼワンピースなので、ギャグセンスもアクションも洗練されていてとても面白いです。
それにしても、どんな能力だって良かったはずなのに、あえて主人公をゴム人間にするというチョイス。
そこがもうすべてを見越した天才の選択であるように思えます。
この短編集では、各話にあとがきがついています。尾田先生自らが語る製作秘話なども書かれているので、それだけでも読む価値アリです。
『WANTED! 尾田栄一郎短編集』を読んだ皆さんの反応
どのお話も……尾田栄一郎でした。
見せ方と構成が王道でいて天才的!だと思いますはい。
『WANTED! 尾田栄一郎短編集』はワンピースの原点と尾田先生のセンスの源を知れる貴重な一冊。ワンピース好きは必読!
悪い意味ではなくですね、この短編集のほとんどの作品は、1コマだけ切り取って「これなんの漫画だと思う?」って聞いたらほとんどの人が「ワンピース」って答えるんじゃないかと思うぐらい尾田先生全開なのです。
尾田先生なので当り前ですが。
そしてそれらは全てワンピースに活かされていると思うと、ワクワクしちゃいます。
ワンピースの熱烈なファンの方でもしまだこの『WANTED! 尾田栄一郎短編集』を読んでいない方がいたら、それはマズイですし、もったいないです。
試し読みだけでも、ぜひ!
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