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心に効く癒しのSF短編『惑星9の休日』【おすすめ1巻完結漫画】

常夏の星、惑星9。

そこには広大な砂漠が広がり、どこか寂しい雰囲気が満ちています。

今回ご紹介する作品は、そんな過酷とも思える惑星での、なぜか心にジワジワと効いてくる不思議な優しい物語の数々を収録した作品です。

読後感は、手塚治虫先生の作品や、ショートショートで有名な星新一先生の短編を読んだ時のような感覚にかなり似ています。

そして素朴な絵柄もまた世界観の構築に一役買っています。

もしかしたらものすごく心に響いちゃう方もいるかも知れません。

――というわけで今回ご紹介するのは、町田洋先生の『惑星9の休日』です。

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タイトル作者出版社発売年
惑星9の休日町田洋祥伝社2013年

『惑星9の休日』は一言で言うと……

惑星9で巻き起こる様々な物語に心癒され、世界観に引きずり込まれていく、優しくて不思議なチカラを持ったSF短編集。

『惑星9の休日』はどんな漫画?

この作品は、町田洋先生(町田洋先生wikipedia)によるデビュー作品。

全部で8つの短編が収録されており、すべての物語は惑星9という惑星での物語です。

繋がった大きな物語があるわけではないのですが、どの物語も星新一先生のショートショートを読んだかのような、癒しと知的満足感とワクワク感に満ちた物語になっています。

※複数の漫画アプリなどでもレビューで「星新一要素」については触れられていて、僕はそういった予備知識ない状態で読んでもすぐに「星新一じゃん」と思ったので、間違いなく作者の町田洋先生は星新一好きでしょう。

また、物語ごとに異なるテーマを追っているようにも思えるので、アレコレと考察や深読みしながら読んで見るのも面白いかと思います。

ここではそれぞれの漫画の内容をざっくりとネタバレしない程度にご紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。

惑星9の休日

惑星9の中でも特殊なスポットである、永久に影になってしまっている場所での物語。

そこには全く姿の変わらぬまま凍りついてしまっている人々がいて、主人公の男性はその永久影の中の女性に好意を抱いていました。

甘酸っぱさとSF加減とセリフの秀逸さなどで「お、この漫画いいかも」と予感させるに充分な最初の物語となっています。

UTOPIA

惑星9のとある倉庫での物語。

倉庫内には無数の映画のフィルムが保管されており、その倉庫を守るおじいさんと、ひょんなことから手伝うことになった男性とが突然事件に巻き込まれていきます。

とにかく倉庫番のおじいさんの考え方や映画愛が素敵で、この漫画内でも僕は一番好きな物語かもしれません。

どんな映画にも何かしら輝くところがある――のです。

玉虫色の男

文字通り、見た目が玉虫色の怪しい男と、人間の男性との物語。

フワフワした内容ではあるのですが、なんとも言えない不思議なワクワクと感動に包まれる物語です。

衛星の夜

惑星9から月が離れて行ってしまうという特別な夜、昔語りを始めた男性による、不思議で切ない物語。

なるほどこれは手塚治虫先生の作品へのオマージュ的な要素が多く感じられる物語で、かなり感動的。

地球内での愛だ恋だの問題ではなく、宇宙規模になると一気に想像力を掻き立てられるものです。

ラストページで本当に救われます。

それはどこかへ行った

若い研究員の男性と、研究員だった夫を亡くした女性との恋の物語。

伏線を上手く回収しつつのラストがとても素敵で心ほっこり。

とある散歩者の夢想

おそらく作中で最も抽象的かつ日常的な心を描いた作品。

何気なく読んでいましたが、あるあるのオンパレード。

そしてまさにこれはタイトルの通り「とある散歩者の夢想」。

ただしとても平和な夢想。

午後二時、横断歩道の上で

様々な捉え方ができそうな、これまた多くを語らない若い男女の一幕。

少なくとも僕は、この惑星9における雰囲気と常夏の雰囲気とを感じ、この若い男性主人公が感じた「恋にも似た幸せな何か」を少しだけ感じれた気がしました。

普段生活していて本当にたまぁにだけある、「あ、幸せだな」みたいな感覚。

違いますかね?

大女優になった女性が、突如故郷である惑星9へ逃げ帰る望郷な物語。

里帰りした時に感じる、なんとも言えない嬉しさと懐かしさ、そして寂しさ。

そういった感覚が表現されている素敵な物語。

そしてこれが、この作品最後の物語なのもまたすごく良いです。

『惑星9の休日』を読んだ皆さんの反応

『惑星9の休日』は心に効く癒しの傑作SF短編

いやぁ~、最高に心に滲みました。

なんでしょう、最近こういう牧歌的というか、優しくて沁みる(そして深い)漫画が特に刺さります。

老いたということなのか、そういうの関係なくとにかく漫画が素晴らしかったからなのか。

ただこういった作品って、もしかしたらあまり心に響かないという方もそれなりにいる気がするのです。

雰囲気に浸るまでいかなかったり、そういう気分じゃなかったりで。

そこでオススメする目安としては、

なんか心が荒んでいる、あるいは優しい雰囲気を求めている

ような方には比較的刺さるのではないかと思います。

少しでも気になった方は、ぜひ試し読みだけでもしてみてください。

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