原作を『俺物語‼︎』などの河原和音先生が、そして漫画を『Stand Up!』などの作者である山川あいじ先生が担当するという、非常に豪華なタッグでの1巻完結漫画『友だちの話』を今回はご紹介。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
友だちの話 | 原作:河原和音 漫画:山川あいじ | 集英社 | 2010年 |
山川先生の作品は、この1巻完結・読み切り漫画のみ紹介しているブログでも西尾維新先生原作のオムニバス短編集『大斬』の中の1話として紹介したことがあります。
すごく繊細で綺麗な絵を描く先生ですので、ご紹介する『友だちの話』でもその美しいタッチと生き生きとしている登場人物達をすぐに好きになってしまいました。
恋愛よりも優先しちゃうほどの、深い友情で結ばれた友だち、あなたにはいますか?
『友だちの話』を読んだら……
深くアツイ男同士、女同士の友情に感動すら覚えます。
『友だちの話』はどんな漫画?
友達の話は、全部で4つの話から構成されています。
3つの話はタイトルからもわかるようにつながっている話になっていて、最後に収録されているお話のみが独立した別の読み切り作品になっています。
この友達の話がどういったお話かと言うと——
読み進めていくうちに様々な感情が渦巻き、心が揺さぶられるのですが、最終的に感じた事と言うのは1周回ってまさに「友達の話だな」というものでした。
内容が単純とかそういうことではなく、本当にそう言うしかないほどに、濃くて深い友達の話になっているのです。
恋愛要素もありますが、恋愛はスパイス程度で本当に友だちの話がメイン。
それでも非常に魅力的で、読む手が止まらなく物語展開はぜひ読んで体験してみて欲しいです。
では、それぞれの話をネタバレしすぎないようにざっくりと紹介してみますので購入する際の参考にしていただければと思います。
友だちの話
最初のお話は、この作品を通してメインとなる2人の女の子の友情のお話。
ものすごく美人でモテる「もえ」と、美人ではないけれどいい人で、頼まれごとを断るのが苦手な「英子」。
2人はとにかく仲が良く、特にもえの英子に対する友情は恋心なのでは?と勘繰ってしまうほど。
しかし2人が仲良くなったのにはしっかりと理由があり、それも後々明かされていきます。
このお話では、中盤にもえに彼氏が出来ます。
ただし、もえはいつも彼氏候補の男性には
「わたしと付き合うってことは、英子と付き合うってことだから、英子を私より大事にしてね」
と、毎度恐ろしいことを言います。
大抵の男性は「え?どういうこと?」となって引いてしまうのですが、このエピソードでは「わかった」とそれすらも受け入れる男性が現れます。
もえの英子に対するものすごい熱量の友情、そして彼氏に悪いな、と思いながらも3人で過ごす英子、そして本心がいまいちわからない優しすぎる彼氏。
その3人それぞれの心の行方はどうなるのか?
——登場人物がそれぞれ特徴的なので、最初は読者にも好き嫌いがあると思います。
しかし読み進めていくときっと全員のことが愛おしく思えてくるのではないかと思います。
すごくいいお話。すごくいい友情。
そんな、友だちの話。
友だちの話 2nd
え?
割といい感じで前のエピソード終わったのに2ndって何がはじまるの?
と思ったら、まさかのもえと英子に翻弄された彼氏の「友だちの話」が始まります。
彼氏側の事情と、友だちが出てくることでより物語は面白くなっていきます。
そしてやっぱり、みんなが愛おしくなる神展開。
友だちの話 Final
まだあるよ!次はfinalだ!
ということで、『友だちの話』最後のエピソードは、ついに英子に彼氏ができるか??というワクワクドキドキな内容。
ここまで『友だちの話』と『友だちの話 2nd』を読んできたことで、それぞれの人物の性格であったり良いところであったりは読者もわかっています。
それを踏まえてのエピソードなので、そりゃもう英子ちゃんを応援する気持ちにもなりますし、もえちゃんの行動も全て頼もしく見えるのです。
最後に相応しい、キュンキュンワクワクドキドキぜんぶが詰まった素晴らしいお話です。
その彼、調べます
このお話だけは独立した別のお話。
親友に「自分の彼氏が浮気してるっぽいから調べてきて」と頼まれて探偵のようなことをする羽目になる主人公の女の子。
尾行する途中で、調査対象の男を知っているかのような別の男性に声をかけられ一緒に尾行をすることになります。
サバサバした感じの主人公の女の子とは対照的で、人懐っこくて人間みのある謎の男性が魅力的で、ひたすらにイケメン。
浮気調査の結末と、謎の男性が誰だったのか?
ちょっと変わったシチュエーションの恋愛物語になっています。
『友だちの話』を読んだみなさんの反応
『友だちの話』は恋愛よりも友情!な深く危うい友情の物語
僕にも親友と呼べる友だちがいますが、たしかに友情って深くなればなるほど周囲からは疎まれたりする「バリア」のようになってしまうこともあります。
ただ、それも学生の頃の思い出で、歳を重ねるうちにそのような深い友情を感じるような人物はいなくなってしまいました。
だからこそ、この『友だちの話』のようにものすごく仲が良い2人というのが羨ましくもあります。
作中でも描かれていますが、本当に仲の良い友達に恋人が出来た時って、嬉しいと同時にちょっと寂しかったりするんですよね。
まあ、この作品ではもえちゃんが「私が許した男じゃなきゃダメ」みたいに言ってますが笑
深く危うい濃い友情を描いた『友だちの話』、興味を持った方はぜひ試し読みだけでもしてみて下さい。
最後にはきっと清々しい気分で読み終えることができる素敵な作品になっています。
メインで利用する電子書籍サービスに悩んでいるようであれば、背表紙表示があるebookjapanがコレクション欲も満たしてくれるのでおすすめです。
詳細は記事にしてありますので、興味がありましたら読んでみてください。
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