
巻末に書かれている沙村広明先生のあとがきには「ツンデレっ娘物語を描きましょう!」と編集部の方と盛り上がってスタートした作品とありました。
その結果完成したのが、ソビエト連邦時代のロシアを舞台にした、フィクションとノンフィクションの絡み合う重厚で壮大な物語……。
一体どうやったらこんなすごいことになるのか、沙村広明先生はやはりすごい人なのです。
――というわけで今回ご紹介するのは、沙村広明先生の『春風のスネグラチカ』です。
沙村広明先生といえば『無限の住人』などでも知られる画力の鬼。
さらにこのブログでも、複数の1巻完結漫画を紹介しています。
ぶっ飛び系短編集な『シスタージェネレーター」や
鬱々としまくる世界観が芸術的な『ブラッドハーレーの馬車』など。
そして今回ご紹介するのは、極寒のロシアで繰り広げられる、ミステリーな要素もあり歴史も絡む非常にワクワクする壮大な物語。
沙村先生の変態っぷりも随所に見られるので、腰を据えてじっくり読んでみてほしい、心に響く傑作になっています。
ちなみに世界史に詳しければより楽しめるのは間違いないですが、わからなくても全然大丈夫です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
春風のスネグラチカ | 沙村広明 | 太田出版 | 2014年 |
『春風のスネグラチカ』を読んだら……
極寒の地で展開するドラマに魅了され、きっと読み終わったあとにロシアとソビエト連邦の歴史を調べたくなること間違いなし。
『春風のスネグラチカ』はどんな漫画?
『春風のスネグラチカ』は1930年代のロシア(ソビエト連邦時代)を舞台にした、フィクションとノンフィクションとを絡めて展開する1巻完結の作品です。
物語はグイグイ惹き込まれるだけでなく、沙村先生の圧倒的な筆致で表現される様々なシーンに思わず息を飲んでしまいます。
唯一ネガティブな事を書かせてもらうならば、登場人物の名前で混乱しがちかも知れません。
僕は読んでいてドストエフスキーの作品を始めて読んだ時の事を思い出しました笑
この作品は全部で7つのお話に区切られており、全て連続した物語になっています。
主人公と呼べるのが、車椅子に乗った少女のビエールカ・ザイツェヴナ・スネグラヤと、常にビエールカに付き添う隻眼の青年・シシェーノク・ミスギーロフ。
なぜビエールカは車椅子に乗っているのか?
なぜシシェーノクはビエールカに付き従っているのか?
中盤以降に一気に伏線は回収され、様々な秘密が明かされていくのですが、きっと壮大すぎる展開に度肝を抜かれるはずです。
さらに、実在の人物も多数登場するため、帝政ロシア時代に詳しい方などは知識なく読む人の数倍盛り上がれると思います。
また、主役を務める2人の関係についてもしっかり描かれるエピソードがあり、最高に感動しました。
なんかですね、もうね、かっこよすぎます。色々と。
とりあえずは一度予備知識ナシで読んでみて、読み終わったらちょっとソビエト連邦だのラスプーチンだのについて調べてからもう一度読んでみるのがオススメ。
すんごく楽しめるはずです。
『春風のスネグラチカ』を読んだ皆さんの反応
『春風のスネグラチカ』は極寒のロシアで展開する壮大で重厚な物語のおすすめ1巻完結漫画
僕はブラッドハーレーでちょっと沙村先生の怖いなぁ、と思ってしまっていたクチですが、スネグラチカはそんなに暗くなく、いやむしろ明るく感動できる作品なのでぜひ多くの方に読んでみてほしいです。
ビエールカとシシェーノクの絆。
さらには最初めちゃ嫌なやつに見えたハゲヒゲのミハルコフがかっこよく見えてくる展開。
どっしりと腰を据えて、しばし極寒のロシアで巻き起こる物語に浸ってみてください。
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