『無限の住人』などで知られる沙村広明先生の、様々なジャンルの短編を詰め込んだ読み切り短編集漫画が『シスタージェネレーター』です。
画力の高さはもちろんのこと、短編でありながら強烈に惹きつける描き方は流石の一言。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
シスタージェネレーター | 沙村広明 | 講談社 | 2009年 |
沙村広明先生の作品は以前『ブラッドハーレーの馬車』をご紹介しましたが、あちらの絶望感と沙村先生の趣味?感の感じられる短編も収録されています。
『シスタージェネレーター』を読んだら……
沙村先生の趣味も全開な勢いある短編が堪能できます。
『シスタージェネレーター』はどんな漫画?
『シスタージェネレーター』には大きく分けて7つの短編が入っています。
ざっくりと紹介すると、まずはかなり特殊な家族関係を描いた「久誓院家最大のショウ」。
この物語は小説家、谷崎潤一郎好きなら思わずニンマリ――な作りになっているのだそうですが、僕はちょっと詳しくないので沙村広明先生の趣味全開の物語と理解しました。
最後の終わりまで結構綺麗にまとまっていて美しさを感じるお話でした。
そして合間にちょいちょい差し込まれる、女子高生の超ふざけた会話劇の「制服は脱げない」。
全部で8話ありますが、ダァっと始まってサクっと終わるので小気味良いです。
「ブリギットの晩餐」は、もしかして馬車の原型?とも思えるような、ちょっとドキドキするけれど最後はなんだかホッとする、こちらは救いのあるお話。
ちょっと僕は『ブラッドハーレーの馬車』で沙村広明恐怖症気味です笑
漫画家の日常を描いた心温まるお話かと思いきややっぱりぶっ飛んでた「シズルキネマ」。
これはあまり書くとネタバレするので読んでください。
次に、沙村先生の実体験だと思われる麻雀の九蓮宝燈(ちゅうれんぽとう)をあがった時のお話の「下層戦略 鏡打ち」。
僕も学生時代はよく麻雀したものですが、まさに下層、いや、下層にも到達できていないレベルの腕前で、何度やってもカモられるだけだったのですぐに嫌いになりました。
役満なんて、漫画にも描かれてましたが巧い相手とやったらまず出せるもんじゃないです。
次に「青春じゃんじゃかじゃかじゃか」という、告白するために作った曲に吹き込まれた色々のお話。
最後が、いきなり西部劇ですがめちゃくちゃかっこよくて面白い「エメラルド」。
沙村先生のような画力でかっこよい西部劇を描くと、なるほどこんな素晴らしい西部劇になるんだな、といった感じ。
ぜひ読んで欲しいお話です。
――このように、本当にジャンルレスで様々な味のお菓子を詰め込んだような、そんな短編集が『シスタージェネレーター』です。
ちなみにあとがきにて、タイトルについては「主人公がみんな女性になっちゃったからつけたタイトル」と沙村先生が書かれています。そういうタイトルのお話があるわけではないです。
『シスタージェネレーター』はどんな人におすすめ?
『シスタージェネレーター』は様々なジャンルの短編集となっているので――
色々なジャンルの短編を一気に読みたい人。
沙村広明先生の大ファンの人。
谷崎潤一郎が大好きな人。
かっこいい西部劇が読みたい人。
SM好きな人。
などはきっと刺さる物語があるかと思います。
僕的にはやはり最後の西部劇「エメラルド」の見開きページにかなりシビれたので、ぜひ読んでみてほしいです。
『シスタージェネレーター』を読んだ皆さんの反応
↑↑まさか麻雀の話に共鳴している方がいたとは……。
それな、ってやつです。
沙村広明先生のジャンルレスな短編集『シスタージェネレーター』は特に「エメラルド」がかっこよくて、「久誓院家最大のショウ」は特定の人にはぶっ刺さると思う
ジャンルレスな短編集っていうのもいいですよね。
ちょっと暗めの話を読んだと思ったら、急に底抜けに明るい女子高生が出て来たりしますから笑
沙村広明先生がセンスの塊であると同時に、変わった性癖をお持ちであることもよくわかる、なかなかに赤裸々な短編集であったようにも思います。
そして何度も推している「エメラルド」、ひたすらかっこよかったですのでぜひ読んでみて欲しいです。
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