ちょうどこの作品を紹介する直前にご紹介した漫画が、淫魔サキュバスが人間界に来て強引に処女を喪失しようとする攻めの漫画でした。
今日ご紹介するのは、そんな攻めのサキュバスとは対照的な、なかなか性について心を開けず、処女であることをネガティブに捉えている女性が主人公の作品です。
作者は、以前このブログでもご紹介した『アイスクリームの夜』の作者・柚先生。
柚先生作品は繊細な心の描き方が抜群にうまく、セリフだけではなく雰囲気と表情で心を表す描写が心に響きます。
経験が無いことをコンプレックスに思っている女性の心の内が今作ではこれまた非常に上手く表現されていて、とても深い作品になっています。
――というわけで今回ご紹介するのは、柚先生による『処女作』です。
『処女作』は一言でどんな漫画?
処女であることをネガティブに思い続けている女性が、足掻き、苦しみ、開き直った先で見つける本当に大切な事を描いた心に響く読み切り作品。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
処女作 | 柚 | 42ページ | 少年ジャンプ+ |
『処女作』の超ざっくりあらすじ
26歳で小説家の本郷沙織は、自身が処女であることをコンプレックスに思っていた。
今まで出版してきた5冊の小説は、どれも読者から描写に対しての甘さを指摘されており、沙織は余計に自身が処女であることを重く考えてしまっていた。
次第に沙織は、書く小説が面白くならないことも全てが自分が処女であるからだと盲目的に考えるようになり、ついにマッチングアプリで強引に処女喪失をすべく1人の男性とホテルに行くことになる。
しかしそこまでしてホテルへ言った沙織だったのに、男性側が興奮できずに結局行為に及ぶことができず、沙織は焦りと苛立ちからその男性へ対して感情を爆発させてしまう。
――そうしてまた処女のままの小説家へと戻ることになった沙織は、担当編集の思わぬ一言で大きく変わることになるのだが……。
『処女作』のネタバレあり感想
作家の苦悩の話とも読めますし、Tweetにもあったのですが性的に特殊な状態にある女性であるとも取れます。
そしてそういう難しい問題は置いておいて、とにかく「自分にできることをしろ」という大きなメッセージを僕個人的には受け取りました。
何かを作ろうとする時、やはり背伸びして無理やり作ったものというのは必ずボロが出るものです。
この作品内での沙織は、処女であることを殊更に重く捉え、全ての上手くいかない事象を自分が処女であるせいだとすら思っているフシがあります。
確かに性的な経験の有無は心に重くのしかかりやすいことではあるのですが、無理をしてまですることでもありません。
そういった事全てをわかった上なのかどうかはわかりませんが、足掻きまくり結局ホテルへ言っても行為が出来ずボロボロになった沙織に、担当編集の野田が「じゃあ処女の話書いてください」と言います。
さらに、その提案にゴネる沙織に対して「本郷先生のまま書いてくださいよ! 僕がちゃんと読みますから!」と怒る野田氏。
イケメンすぎ。
そうして吹っ切れた沙織は、清々しく吹っ切れたような表情になり、苦戦しながらも新しい気持ちになって小説を書き上げます。
そしてタイトルを聞かれた沙織は「処女作」と答え、物語は結ばれます。
美しい!
思わずその場でスタンディングオベーションしたくなるような、美しくて前向きなラスト。
多くの人に読んでほしいなぁ、と思える素敵な作品でした。
『処女作』を読んだ皆さんの反応
『処女作』は経験していないという事も強みになる、と教えてくれるおすすめ読み切り漫画
つまるところ、感想の項目でも書いたように、難しい事を取っ払って考えれば「あなたの経験はあなたにしか書けない」ということだと思うのです。
それは処女とか童貞とかLGBTとかそういう事も関係なく、あなたにはあなたの経験があり、それは絶対に他の誰かの経験とは違っているわけです。
ですから、結局のところ普通かどうかも関係ないし考える意味はなくて、とにかく自分らしくあることが大切なんだろうな、なんて考えちゃいました。
もしまだ読んでいないのであれば、きっと何かしらあなたの心に訴えかけてくるものがあると思いますので、ぜひ読んでみてください。
そしてこの『処女作』が面白かったのであれば、作者である柚先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
柚先生の過去作も気になる方は『アイスクリームの夜』もぜひ読んでみてくださいね。⇓⇓
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