楳図かずお先生といえばやはり強くイメージするのはホラー漫画ではないかと思います。
しかし楳図先生は非常に幅広いジャンルの漫画を描いており、後年にホラー漫画家としてのイメージが定着するまではかわいい少女が主人公の漫画であったり、ギャグ漫画も多数描いているのです。
今回ご紹介する作品は、巻末の漫画家人気投票(この作品の巻末にちょろっと付いている当時の人気投票、これがまた超贅沢です。名だたる漫画家さん達が名を連ねていて、手塚治虫先生も入ってます)の年代から判るように、昭和39年頃に描かれた作品です。
今から50年以上前だなんて、信じられませんよね。
それはさておき、今回は楳図先生のギャグ要素の原点とも評される、かわいい主人公と普遍的な教訓も得られる漫画『ロマンスの神様』をご紹介します。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
ロマンスの神様 | 楳図かずお | 小学館 | 2007年 (単行本化された年であり、描かれた年とは異なります) |
『ロマンスの神様』はどんな漫画?
ロマンスの神様は、非常に可愛らしい見た目の紅陽子(くれないようこ)と言う少女が主人公の物語です。
陽子の通う学校にはかっこいい男性がおらず、陽子は毎日学校を憂鬱な思いで過ごしていました。
そんなある日、陽子は道端で不思議な女性の形をした人形を拾うことになります。
その人形は指を3本立てたポーズをとっており、可愛らしい人形ではあるのですがどこか不気味。
しかしその人形こそがタイトルにもなっているロマンスの神様だったのです。
陽子と、陽子の家に下宿している田村のお姉さんと呼ばれている女性を巻き込んで、面白おかしいラブコメディーが展開されていきます。
ここまで紹介文を読んでお分かりかとは思いますが、この作品は全くホラー漫画の要素はありません。
それもそのはず、楳図かずお先生がホラー漫画家として一般的に認知されるようになるなるのはもう少し後の年代の話です。
まさにこの漫画は楳図先生のギャグの原点とも言うべき、貴重な1巻完結の作品となっているのです。
この作品が昭和39年頃に描かれたものである、という事実を意識しつつ読んでみると、現代との違いであったり変わらぬ点であったり、さまざまな発見が出来るのでより面白く読むことが出来ます。
短い漫画ではあるのですが、様々なエッセンスが凝縮されているとても勉強になる作品であったりもします。
『ロマンスの神様』を読んだ皆さんの反応
↑↑やはり巻末の人気投票に触れている方がいましたね。
僕も無駄に長い時間そのランキング眺めてしまいました。
全く知らずに歌ったとは思えないのですが……知ってますよ……ね?
めっちゃ欲しい……。
『ロマンスの神様』は楳図かずお先生の美少女とギャグの原点とも言える貴重な1巻完結漫画
楳図かずお先生の描く少女ってすごく可愛らしいですよね。
この作品は絵で見せるシーンが多く、テキスト量も少なめ。
しかし内容はしっかりわかりますし、絵で説明してくれています。
故に漫画的技法がたくさん学べる教科書的な読み解き方も出来るのではないかと思います。
最後には、普遍的な教訓のようなものも学べ、「なるほど確かにそうだよな」と思いながら読み終えることが出来ます。
人の為に何かをできるかどうかって、どの時代でも共通の「大切な事」なんじゃないかと思うのです。
楳図かずお先生にホラー漫画やサバイバルなイメージしかない方には違った楳図かずお先生の魅力を知ってもらう為にもぜひおすすめしたい作品です。
試し読みだけでも、ぜひに。
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