おそろしい言葉ではありますが、昨今「親ガチャ」という言葉を耳にします。
これは、要は子供は自らの運命を選ぶことができず、ある程度は両親のキャリアなどで貧富であったり教育レベルなどが変わってきてしまう事を、ゲームなどの「ガチャ」になぞらえて例えた言葉です。
つまりは「親ガチャ爆死」とは「ついてない両親の元に産まれてしまった」ほどの意味であると思われ(筆者もおっさんなので全然違ってたらごめんなさい)、なんとも怖い言葉だな、なんて思う次第ですはい。
それはともかく、今回ご紹介するのは、そんな「親ガチャ」の引き直しがマジで出来てしまうという世界を描いた、めっちゃ怖くて不気味なSFホラー読み切り。
――というわけで今回ご紹介するのは、七海東句先生による『親ガチャ』です。
『親ガチャ』は一言でどんな漫画?
「親ガチャ」という言葉を、そのまま実行可能なシステムとして描いてしまった怖くてヤバイ衝撃作。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
親ガチャ | 七海東句 | 50ページ | コミックDAYS |
『親ガチャ』の超ざっくりあらすじ
全国で子供の虐待が問題となる中新たに策定された法律、親ガチャ法。
それは暴力的な親から子供達を救済できる、素晴らしい法律だと評判が立っていた。
親ガチャとはその名の通り、ガチャガチャを回すことで新しい家族の元へ行くことができるもの。
新たな家族からは遺伝的な容姿や収入等を引き継げる反面、二人に一人はガチャを回す前の記憶を失うというリスクがあった。
高校生男子である主人公も、酒瓶で家族を殴るような父親に悩まされていた。
そんな父親から逃げ出してきたある夜、彼はクラスメイトの少女と公園でばったり会う。
彼女自身も家庭に悩みを抱いており──。
『親ガチャ』を読んだ感想
親をガチャガチャそのもので引き直せるというアイデアが、まぁそりゃ作られるか、と思わないこともなかったのですが面白かったです。
僕自身も家庭環境に難があり、このガチャガチャができたらどれだけ良かったかと思っいました。
物語内に出てくる主人公のクラスメイトの少女も毒親持ちで、子供をカウンセラーにして愚痴を吐くタイプ。
僕自身も親からされた経験があり、暴力的なものだけでなく様々な方向から「嫌な親像」を描いていたのが非常にリアル。
また、主人公は父親から直接暴力を受けているが、少女は心理的な傷から自傷をしてしまうタイプ。
親からの傷付けられ方が対照的に描かれているが、若干ありがちな比喩のように感じてしまいました。
漫画の最後では主人公が親ガチャをして新たな親を得た反面、記憶喪失のリスクを負い少女のことを忘れてしまうことになります。
本当ならば切ないシーンなのですが、なんだか分かりきったような展開に感じてしまいました。
悪い家庭環境から抜け出せなかった人達が選ぶ道は(この漫画の中では)一つだと思うので仕方の無いことだとは思ういますが、題材の面白さ・奥深さに反してチープな結果に終わっているのが少し勿体無いように思えてしまいました。
親ガチャ、あなたならする??
『親ガチャ』は倫理的にもギリアウトな恐ろしい世界を描いたおすすめ読み切り漫画
なんとも怖いお話でしたね。
感想にも書いたように、もう一捻りすればいかようにも盛り上げられたのではないかと思うのがちょっともったいないところ。
あとは少し大雑把に感じられた「親ガチャシステム」そのものも、アイデアを練れば深いものにできそうな気もしました。
もしまだ読んでいないのであれば、きっとあなたの心にも何らかの想い(黒いか明るいかはわかりませんが)がこみ上げてくると思いますので、ぜひ読んでみてください。
そしてこの『親ガチャ』が面白かったのであれば、作者である七海東句先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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