あたらしいひふ、すなわち服！
普段何気なく着ている衣服は、それだけで人の性格を表すこともありますし、様々なメッセージを持たせることも出来ます。
皮膚のようだと言えなくもない衣服。
今回ご紹介するのは、『さよならガールフレンド』で華々しくデビューした高野雀先生の、同人誌時代の作品を集めて単行本化した作品『あたらしいひふ』です。
表題作「あたらしいひふ」は服に迷う4人の女性の、女性ならではの葛藤と悩みを描いた非常に面白い作品になっています。
| タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
| あたらしいひふ | 高野雀 | 祥伝社 | 2017年 |
『あたらしいひふ』を読んだら……
様々な女性の様々な服への価値観、考え方に触れられます。
『あたらしいひふ』はどんな漫画？
『あたらしいひふ』には、４つの短編が収録されています。
それぞれ異なる独立した物語になっているので、それぞれのお話をネタバレしないようざっくりと簡単に紹介してみますので参考にしてみてください。
あたらしいひふ
表題作で、5話に分かれています。
最初は極めて野暮ったい、それでいて一般的に結構いそうなステレオタイプなズボラ女性の服の悩みから始まります。
そして終わりに登場した別の女性へと繋がっていく形でお話が展開していきます。
女性にとってはあるあるで、男性からしたら「なるほど」と勉強になる作品です。
It’s your(new)ID.
コンプレックスをテーマにし、学校生活内での恋愛などに絡めた不思議な空気感のお話。
ただのコンプレックスいやだわぁ、というお話じゃなく、歪んだ愛情だったり欲望だったり、絶妙な青春テイストが混ざっているのが良いです。
Recycled Youth
成人して再会した男友達3人の飲み会でのお話。
それぞれがシンプルではない感情をそれぞれ抱えており、微妙にかみ合わない感じがあるあるです。
妄想ソングブック
高野先生自らがあとがきに描いてくれているのですが、「曲を聴いて連想した内容を漫画にする」という試みの同人誌で描いた作品とのこと。
たしかに観念的であり、けれどもなんだか美しい不思議な作品になっています。
電車の路線図とかから平行と点と線のお話になるの、すっごくわかります。
まさにイメージと妄想で描かれた作品。
『あたらしいひふ』を読んだ皆さんの反応
超えられない物理の壁がありますからね。
『あたらしいひふ』は着る服を巡る女性の葛藤やコンプレックスを描いた女性ならあるあるなネタ満載の短編集
『あたらしいひふ』には衣服を巡る女性のお話や、うぶな学生のコンプレックスのお話、そして男三人のモヤモヤっとするお話、妄想だけで描かれた美しいお話などが収録されていました。
話題性だと表題作に目がいきがちですが、様々なコンプレックスを描いた『It’s your(new)ID.』が結構僕は好きです。
女の子のスカートの中……この漫画では「宇宙」があるものと想像されてましたが、僕はそういう年代の時、「ピンク色でステキな何か」が広がっているのだと勝手に思っていました。
いわゆる裏モノを友人から借りて「正体」を知った時の衝撃は今でも忘れません。
服のあるある話、そして青春にコンプレックスのちょっと不思議なお話など、ぜひ試し読みだけでもしてみて欲しいです。
高野先生他作品も紹介しているので、よければ一緒に読んでみてください。
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