『世界の合言葉は水』で衝撃的かつ超楽しいファンタジーな世界を提供してくれた安堂維子里先生。
今回ご紹介するのは、安堂維子里先生が「妖精」を描いたこれまた極上のSFファンタジー漫画『妖精消失』です。
相変わらずの素晴らしい発想力と画力で描かれる不思議な妖精の世界をぜひご堪能ください。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
妖精消失 | 安堂維子里 | 徳間書店 | 2015年 |
『妖精消失』を読んだら……
妖精を中心に展開していく極上のSFファンタジーが楽しめます。
『妖精消失』はどんな漫画?
『妖精消失』は、3話にまたがる妖精の長編と、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還を描いた短編との全4話の構成です。
「はやぶさ」の短編は、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還を記念し描かれた作品の内の1つで、中でもこの安堂維子里先生の帰還編は反響が大きかったようです。
ここではそれぞれのお話がどんな内容か、簡単にネタバレしない程度に紹介しますので、読もうか悩んでいる方は参考にしてください。
Install of Fairy
薬品研究所に勤める橋本荘一郎という研究者のお話。
荘一郎は右目を患っており、もしかしたら失明してしまうかも知れないという状況なのですが、なぜかその病気に罹ってから、妖精が見えるようになります。
もちろん荘一郎はそれが失明していく過程での幻覚だと思っているのですが、ある日まるで自分を導くかのようにジェスチャーしてくる妖精の幻覚に従い薬を調合していくと、とんでもないものが出来てしまいます。
――実際に人間が住んでいる世界とは別に、妖精が住んでいる世界も存在しているという設定で進んでいく本作。
このエピソードでは、ひょんなことから干渉しあってしまう人間と妖精とが描かれており、とても感動的な内容になっています。
そして、このお話のラストは、ちょっと背筋が凍るような恐怖すら感じる(それでいてこの話を読んできた読者であれば少なからず同情もしてしまう)狂気的な創造物が登場し話が結ばれます。
なんとも魅せ方の上手い、妖精と人間との感動的なお話。
FAIRIUM
小出もと貴先生の『アイリウム』もそうでしたが、僕はどうやら〇〇〇リウムという言葉がつくとテンション上がっちゃう癖があるようです笑
この『妖精消失』では、独立した短編集という体裁ではなく全てのお話は繋がっています。
前話にて一線を超えるような創造物を作り出してしまった橋本荘一郎。
このお話では、その荘一郎の作り出した創造物がオモチャとして売られ、爆発的に広まっている世界が描かれます。
どういうものかはネタバレになるので伏せますが、実際にあるならめっちゃ欲しいです笑
主人公も荘一郎から、オモチャ販売会社の社員である是木真一郎という男性に変わります。
そしてこのお話のクライマックスで描かれるのが、妖精は人間界に対し戦争をしかけようとしているということです。
なんとも物騒ながらも最高にワクワクする余韻を残し、このお話は終わります。
The Fairy’s Clock
妖精のお話の最終話。
前話からの続きになっていますが、この最終話では最初のお話に登場した橋本荘一郎と妖精との間に出来た子供が登場します。
驚愕の展開ですが、その子供に協力する是木はさらにとんでもない展開へと巻き込まれていく事になります。
妖精と人間の住むそれぞれの世界が交じり合った世界……その時それぞれの世界の住人は何を想い、どう対処していくのか?
ぜひ結末は読んで確かめてみてください。
最後には感動と同時に考えさせられる、素敵な読後感をもらえる傑作です。
はやぶさ帰還編~地球へ~
2010年6月13日、打ち上げから7年の時を経て地球へと帰還した小惑星探査機「はやぶさ」を記念して描かれた短編です。
当時感動した人であれば間違いなく感動してしまう内容。
『妖精消失』を読んだ皆さんの反応
『妖精消失』は人間と妖精の世界が交じり合う超おすすめな極上のSFファンタジー1巻完結漫画
妖精と人間とを描いた傑作SFファンタジー『妖精消失』、最高に面白かったです。
安堂維子里先生の描くファンタジーな世界観って、すごくワクワクするし「そういうのが見たい」が詰まってると僕は思います。
短編集ではなく3話が繋がっているのも、物語と世界観に深みを与えていて最高に楽しめました。
ぜひ、多くの方に読んで欲しい傑作です。
そしてこの作品で安堂維子里先生の事が気になった方は、ぜひ短編集『世界の合言葉は水』も読んでみてください。これまた超楽しい傑作SFファンタジーになっています。
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