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【読み切り】老婆のゴミに埋もれたお金と思い出『あっけ』【おすすめ無料漫画】

あっけ

ハウスクリーニングのアルバイトで向かったとある老婆の家。

そこで青年は忘れ去られているかのような汚れた大量の札束を発見してしまう。

お金もなく夢を追いながら苦しい生活をしていた青年は、思わずその札束をこっそりと盗ってしまい……。

――今回ご紹介するのは、老婆の思い出と大量のゴミの中から出てきた札束、そしてそれを持ち帰ってしまった青年の葛藤を描いた登坂一颯先生による感動の物語『あっけ』です。

『あっけ』は一言でどんな漫画?

掃除手伝いに行った老婆の家で見つけた大金を持ち去った青年の葛藤と、老婆の哀しい思い出が描かれる感動の読み切り作品。

この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。

面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。

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タイトル作者本編ページ数読めるサイト
あっけ登坂一颯39ページコミックDAYS

『あっけ』の超ざっくりあらすじ

知人の紹介でハウスクリーニングの日雇いバイトをすることになった俳優志望の青年・有間はその日とある老婆の家の片付けに来ていた。

片付けの最中、有間は古びたタンスの中に風呂敷に包まれた大量の札束を発見する。

古びた札束でもあったし、魔が差した有間は札束を全てこっそりと持ち帰ってしまう。

丁度有間はある芸能事務所の面接を受ける事になっており、持ち帰ったお金さえあれば俳優への夢をあきらめずにしばらくはいられる、と考えていた。

面接の日、有間は面接を途中で打ち切られてしまうほどにボロボロの結果に。

ところが面接官をしていた一人の男性が、こっそりと有間に「お金を払えば入れさせてあげる」と持ち掛ける。

偶然老婆の家から持ち帰ったお金もあるし、これは何かの縁と思い有間はお金を払い、芸能事務所へと入る事に成功する。

ところが数日後、ハウスクリーニングのバイトを一緒にした友人から連絡があり、「老婆が一部返してほしいものがあると言い出した」との内容を告げられる。

焦る有間はあの時の大金の残額を確認するが、もうすでに半分以上を使ってしまっていて……。

『あっけ』のネタバレあり感想

まず絵がめちゃ細かくてうまいです。背景も実に細かくて凄まじい。

そして内容は、なんだか色々な部分でハラハラさせられる漫画でした。

主人公である有間が老婆の家に掃除に行き、大金を持ち帰ってしまいますが――実際自分だったらどうするのか? なんて考えてみると面白いです。

めちゃ金がない状況なら同じようにしちゃう気もしますし、普通にすぐ老婆に報告するような気もしますし……。

そしてそれを使い込んでしまう有間ですが、流石に1000万円要求してくる芸能事務所はステレオタイプで、かつ鬼すぎるかなと思いました。

自らの夢を、手元にあるお金だけで叶える事が出来るのであればもしかしたら有間のように払ってしまい、夢を叶えてしまうかも知れません。

何しろ、ずっと自分がなりたかった俳優という夢がポンとお金を払うだけで叶うわけですから。

――そしてその後老婆から再度の招集。

焦るでしょうねぇ。葛藤もものすごくあったでしょうし、もしかしたらバレてなくて別件で呼び出されただけかもしれない……と有間が希望的観測を持って老婆の家に向かうのもすごく共感できました。

なんともその辺りの有間の心の中の描写はリアルでこちらも読んでいてハラハラしちゃいましたね。

でも良くないことですから。

クライマックスでは、老婆がゴミを溜めてしまっていた理由と、家族を亡くしていた過去が明かされます。

そして有間は正直にお金を使ってしまったことを話し、さらにこれからは老婆に俳優になる夢を応援してもらいたい、と伝えます。

生きがいもなくなり、お金すら使い道がなくなってしまっていた老婆が、人生の最後に応援する人とまだ生きていく意味と理由を得る――そんなすごく素敵な結末です。

読後感爽やかで、温かい気持ちになれる読み切り作品になっていました。

『あっけ』は老婆のゴミに埋もれたお金と思い出を描いた感動の読み切り漫画

様々な感情に浸れる感動の物語『あっけ』、面白かったです。

タイトルのあっけは「呆気にとられる」のあっけだと思うのですが、なんだか色々と勘繰ってしまうタイトルです。

しかし老婆は決して呆けていたわけではないので、深い意味があるのでしょう。

作中のタイトルでは普通に「呆気」と書いてあっけとルビがふってあるのですが、作品名では「あっけ」になっているのはなぜなのでしょう? センシティブな言葉だからそのままの漢字表記はアウト――みたいな裏事情があるのでしょうか? 謎です。

とにもかくにも、もしまだこの作品を読んでいない方はぜひ読んでみてください。

きっと予想外の感動とあたたかさをもらえると思います。

そして楽しめたのであれば、作者である登坂一颯先生をフォローし、応援しましょう。

次回作にも期待です!

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