『闇金ウシジマくん』でも有名で、このブログでは1巻完結漫画『スマグラー』を過去にご紹介しました真鍋昌平先生。
アングラな世界の、刺激的でいて深い人物描写でぐいぐい惹き込まれる作風が特徴で、特に心理描写が凄まじいのが僕の中での真鍋昌平先生のイメージ。
今回ご紹介する作品は、4つの異なる短編からなる短編集。
アイドルヲタ、田舎の若者、震災を経験した親子、東京で暮らす女性。
淡々としつつも鋭い心理描写と、胸を打つセリフ回しに思わず魅入ってしまう物語の数々、すごいです。
そして、タイトルになっているアガペーとは、ふざけた言葉ではなく、キリスト教における概念で神が人間に対して抱く「愛」のこと。
なるほど読めばわかる、神な視点からの人間への愛に溢れた作品であるようにも思えます。
――というわけで今回ご紹介するのは、真鍋昌平先生の『アガペー』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
アガペー | 真鍋昌平 | 小学館 | 2019年 |
『アガペー』を読んだら……
4つの異なる「痛々しくも懐かしいどこかの街での日常」が疑似体験できます。
『アガペー』はどんな漫画?
この作品は真鍋昌平先生の鋭い視点と心理描写、そしてセリフが堪能できる短編集です。
それぞれの話は独立しており、どれから読んでも大丈夫です。
特にアイドルヲタの日常と情熱をとても上手く描いた表題作『アガペー』は、とても深くて感動もできちゃう大傑作なのでぜひ読んでほしいと思います。
ここではそれぞれの漫画の内容をざっくりとネタバレしない程度にご紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。
アガペー
アイドルヲタクの日常を描いた作品。
名言のオンパレードで、かつラストには不思議な感動を得られる傑作。
ヲタ側だけの視点ではなく、アイドル側の苦悩なども描かれており、かつウシジマくんに出てきそうななんだか悪い雰囲気のプロデューサーも最高。
ショッピングモール
とある田舎の若者の物語。
田舎に残る者、東京へ行ってしまった者、東京から帰ってきた者、青春。
淡々としていますが、様々な想いが交錯する若かりし青春譚といった作品。
おなじ風景
あとがきに書かれていましたが、東日本の震災をモチーフにした作品。
一瞬にして全てが変わってしまい、戻らなくなることの悲哀などが淡々と描かれています。
東京の女
東京で働くカメラマンの女性の物語。
スナックでのバイトや、西荻窪での飲み仲間など、なんとも擦れた雰囲気が最高。
特に元カレの「勝手にやるから」というクズ発言が僕はツボでした。
『アガペー』を読んだ皆さんの反応
『アガペー』は痛々しくも懐かしい心に響くポイント満載の真鍋昌平先生の傑作短編集
さすが真鍋昌平先生というべき作品でしょう。
描いているのはあくまでもとある人物達の「日常」なのに、少しだけズレた非日常感と心理描写、さらには具体的に細かく描かれる彼らの生活っぷりが不思議な面白さを醸し出しており、ページを繰る手が止まらなくなります。
もっとエグいクズさを求める方には物足りないかも知れませんが、淡々とした日常を鋭い視点からの漫画的描写で楽しみたい方はきっとハマるはず。
また、読む人によって得るものも千差万別かと思います。
人によっては重く感じてツライかもしれませんし、人によっては心を救われるかもしれない。
読めばわかるし、読まなければわからない。
とくにアイドルヲタの情熱と悲哀を描いた表題作は色々な意味で傑作なので、ぜひ試し読みだけでもしてみて欲しいです。
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