『ポーの一族』や『トーマの心臓』などの作品でも有名で、少女漫画家としては初めて紫綬褒章を受章している女流漫画家の大御所、萩尾望都先生。
今回ご紹介するのは、名作古典とも呼ぶべき傑作SF漫画『11人いる!』です。
とんでもなく細かく作り込まれた世界観と、物凄い読み応えの凄まじい1巻完結漫画になっています。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
11人いる! | 萩尾望都 | 小学館 | 2006年 |
『11人いる!』を読んだら……
凄まじいまでに作り込まれた世界観で展開する物語に引きずり込まれ、極上のSF体験ができます。
『11人いる!』はどんな漫画?
『11人いる!』は1975年に『別冊少女コミック』で連載開始された漫画で、今回ご紹介する1冊には全部で3つのお話が収録されています。
1つは、『11人いる!』。
そしてその続編となる、『11人いる!』にも登場する人物のとある惑星に焦点を当てた物語『続・11人いる! 東の地平・西の永遠』。
もう1つは、中心となる人物タダとフロルを取り巻くおまけ漫画です。
ここでは、それぞれのお話がどんな内容なのか、ネタバレしない程度にざっくりと紹介しますので、読もうか悩んでいる方は参考にしてみてください。
『11人いる!』
かなりがっつりと作り込まれた世界観の中で展開する、宇宙大学へ入学するためのテストを受ける生徒達の物語。
生徒達は入学試験として10人1組でとある宇宙船でのミッションに挑戦するのですが、なぜか10人1組であるはずなのに11人いることに気付きます。
ちょっとしたホラーのような雰囲気でもあり、皆疑心暗鬼になってしまいます。
そんな不安定な心理状況の中、様々な惑星から入学試験を受ける為に集まった生徒達が、2か月近い期間に及ぶ長く苦しい試験へ挑むサバイバルなお話です。
数多くの伏線ときめ細かい設定がなされており、とても読み応えのある物語になっています。
ただかなりこの漫画オリジナルな用語が飛び交いますので、読む際にはどっしりと腰を据えて読んで欲しいです。
ものすごく重厚なSF映画を観た時のような、しっかりとした読後感が得られる傑作です。
『続・11人いる! 東の地平・西の永遠』
『11人いる!』の続きの物語で、中心的な人物であったタダとフロルが『11人いる!』でも大活躍だったマヤ王のバセスカのいる惑星へと尋ねていくところから物語は始まります。
『11人いる!』がなかなか重厚でしっかりしたSFだったので、これはオマケ的な物語なのかな?
――と思ったら大間違い。
このお話では、バセスカのいる星と隣接する星とで戦争が起き、タダとフロルも巻き込まれていくという、とんでもなく深く重厚な物語が展開していきます。
もしかしたら『11人いる!』よりも読むのに時間がかかるかも知れませんので、これまたしっかりと腰を据えて読んで欲しい物語です。
『タダとフロルのスペース ストリート』
最後のお話こそはおまけ要素の強い、タダとフロルのショートストーリー。
読んでいない方はタダとフロルの関係性がわからないと思いますので詳細は省きますが、これまで長い物語をタダとフロルと共に読んできた読者としては、シンプルにホッとできる優しいおまけの物語です。
『11人いる!』を読んだ皆さんの反応
『11人いる!』は超読み応えのある萩尾望都先生渾身の名作SF漫画
名作と呼ばれるのには理由があるのだ!
ということがすごくよくわかる、重厚で濃厚な極上のSF漫画になっていました。
この作品でのキーマンはなんと言ってもフロルでしょう。
謎に包まれている人物なのですが、1975年にこんな「今」な人物を登場させていた萩尾先生すごすぎます。
ぜひご自身の目で、フロルとは何者なのか? そして11人いる宇宙船で何が起こるのか? 読んでみてほしいと思います。
超おすすめの名作SFです。
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