人にどんな不幸でも与えてくれるという謎の男カイ。
もしあなたの前にもそのような「どんな不幸でもいいから誰かに与えてくれる」存在が現れたとしたら、誰に、どんな不幸を与えますか？
――今回ご紹介するのは、原作を桜井春樹先生が、漫画を天野真歩先生が手掛けた全2話の読み切り作品『不幸なはなし』です。
この漫画の最大の魅力は、結末が想像の上を行く意外な結末であり、そのせいで読み終わった後絶対にもう一度読み直したくなるという点です。
ぜひ、騙されて楽しんでほしいと思います。
『不幸なはなし』は一言でどんな漫画？
2話とも結末であっと驚かされ、確実にもう一度読み直したくなる非常に巧い構成の物語。
この時点でもう読みたい！と思った方はぜひ読んでみて下さい。
面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。
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第1話「不幸にしたい相手」
第2話「忘れられない人」
| タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
| 不幸なはなし | 原作：桜井春樹 漫画：天野真歩 | 1話：39ページ 2話：28ページ | コミックDAYS |
『不幸なはなし』の超ざっくりあらすじ
第1話「不幸にしたい相手」
人間の「不幸にしたい」という願いを何でも聞き、叶えてしまう謎の存在カイ（簡単に言えば死神とかだと思うのですが、作中ではカイの存在についての言及がなかったので不明）。
ある日犬の散歩中であった男性の元へカイが現れ、「ボクが夕焼けを眺め続けてから100番目にこの電柱を通過したので、誰にでもいいのであなたの望む相手へ不幸を与えてあげます」と告げます。
もちろん男性は最初半信半疑でしたが、飼い犬を見えない力で浮かび上がらせるという謎の力をカイが使ったので信じてみることに。
カイは、どんな不幸でもいいから誰かに与えることができる――と男性に言いました。
そこで男性は時間をもらい、誰にどんな不幸を与えるのか真剣に悩みます。
そして男性が誰にどんな不幸を与えるかをようやく決めた日の夜、男性にとっては全く想定外の出来事が起こり……。
第2話「忘れられない人」
ごく普通に上手くいっていた優斗と結衣のカップル。
しかしある日のデートで、突然優斗が別れを切り出します。
あまりにも突然の事に混乱し、優斗に理由を尋ねる結衣でしたが、なんと優斗は「他に好きな人ができたから」と結衣に冷たく告げます。
――その日の夜、優斗の部屋には風呂上りの別の女性の姿が。
そして優斗のスマホには、依然として混乱しているままの結衣からの大量のメールと着信履歴がありました。
困り果てて外に出た優斗の元へ、不幸を与える謎の人物カイが現れます。
どんな不幸でも与えることができる、と言うカイに、優斗は「結衣の俺との記憶を消してくれ」とお願いします。
するとすぐに結衣の元へカイが現れ、「あなたの優斗さんとの記憶を消しにきた」と結衣に告げます。
結衣は優斗を愛していることをカイに必死に説明するのですが……。
『不幸なはなし』のネタバレあり感想
まず第一話は、「どんな不幸を与えてやろうか」と楽しそうに考える男性が最終的には殺されてしまうという大どんでん返しな内容でした。
大オチとしては、最初からカイが話しかけていたのは犬の方だった――というなかなか巧いものなのですが、それを知ってからもう一度最初から読み直すと、確かにカイは犬に話しかけていて犬もしっかりカイが話しかける度に「ワンワン」と吠えて返答しているのです。
これはやられましたね。面白かったです。
そしてそんな第一話を踏まえての第2話。
てっきりまた怖いオチなのかと思いましたが、今度はまさかの感動物語でした。
優斗がいきなり冷たく結衣に別れを告げたのは、優斗自身が病気で命が長くなかったからだったのです。
いかにも浮気か別の女性が既にいたかのように描写された風呂上り美女も、お姉さんということが後半にわかります。
記憶を失くし、優斗の事も忘れてしまった結衣が幸せそうに新たな彼氏と歩いている姿を見つめる優斗……泣けます。
2話ともに意外な結末で驚かせてくれる、とても上質な読み切り漫画でした。
『不幸なはなし』は意外な結末に驚かされる上質なおすすめ読み切り漫画
1話と2話それぞれが違う結末で、さらには予想できない展開になっていて、とても面白かったです。
どちらのお話も、きっと読み終わった後にもう一度読み返したくなること間違いなし。
きっと最後まで読んでから読み直す事で全く違う視点で楽しめるはずです。
非常にうまく作られている作品だな、と思いましたし誰にでもおすすめしやすい読み切り漫画だな、とも思いました。
まだ読んでいないという方は、もったいないですからぜひ読んでみてほしいです。
ぜひ何度も読み返して、とてもうまく練られた描写を楽しんでみてください。
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