超大規模合戦が描かれる戦国時代から、人々の賢い暮らしぶりがわかる江戸時代、そして動乱の幕末から大正、明治……。
日本の歴史も、切り取る時代によって様々な面白さがあります。
今回は、このブログで紹介してきた歴史・時代劇ジャンルの漫画の中から厳選して全力でおすすめできる歴史・時代劇漫画をご紹介。
全て1巻完結漫画あるいは読み切り漫画なので、手軽に読むことができます。
もちろん、手軽に読めるのに読み応えハンパないものも沢山ありますので、気になる漫画があればぜひチェックしてみてほしいです。
古き良きあの時代への小旅行、楽しんでみてください。
『大関ヶ原外伝 野望の群像』深谷陽
最初にご紹介するのは、戦国時代の中でも特に有名な合戦である関ヶ原の合戦を描いた1巻完結の漫画です。
もちろん、関ヶ原の合戦を描いた漫画は数多く存在するのですが、この『大関ヶ原外伝 野望の群像』で描かれているのは普段そこまでスポットが当たらない、いわば関ヶ原の裏舞台的内容。
描かれている人物は5人おり、黒田官兵衛、毛利秀元、渡辺新乃丞、鳥居元忠、そして石田三成の家族達です。
そう、激シブなのです。
そして描かれている内容も最高に漢くさく、物凄くアツイ物語ばかり。
「もう関ヶ原はお腹いっぱいだよ」なんて思っている戦国時代ファンにこそ読んで欲しい大傑作になっています。
『子連れ同心』オノ・ナツメ
こちらは最高に空気感が優しい、読めばたちまち優しい気持ちになってしまう傑作漫画『子連れ同心』です。
オノ・ナツメ先生のセンス溢れる、ひたすらにあたたかい世界。
季節移ろう江戸の風習などもさり気なく描かれており、ゆったりと面白み溢れる登場人物達と共に江戸時代の生活を覗いているような、そんな気分にも浸れます。
時代モノではありますが、肩肘張らずに読んで欲しいとても優しいほのぼのとした雰囲気の漫画です。
『拝札人』さいとう・たかを
お次はゴルゴ13なので超有名、さいとう・たかを先生の、面白さがギュギュっと凝縮されたかのような傑作『拝札人』です。
とある村のお偉いさんに雇われている、人を殺めることを唯一許される御免状を持った「拝札人」という職業につく剣士を描いた痛快剣劇漫画です。
王道にしてこれ以上ないぐらいに非常にわかりやすい設定と、さいとう・たかを先生の迫力ある劇画タッチでぐいぐい惹き込まれる面白さを持っている漫画です。
そうそう、こういうのが読みたいンだよ!
と僕なんかは思った、傑作時代劇漫画です。
『明智光秀』岡村賢二
戦国時代漫画を数多く描いている岡村賢二先生の、『明智光秀』。
明智光秀を描いた作品も当然無数にあります。
この漫画を推したいポイントは、まず1巻完結であるという点(じゃないとこのブログでは紹介していないわけですが……)。
明智光秀の生涯を漫画で1巻にまとめるというのは、岡村賢二先生だからできるわざ。
さらには、一番議論の的にもなる本能寺の変あたりの出来事を、非常にわかりやすくしっくりくる形で描いている点です。
記事内でも書いてますが、本能寺の変の光秀の心の揺れ動きは謎に包まれています。
しかしこの岡村賢二先生の『明智光秀』では、割と自然にしっくりくる形で描いてくれており、違和感なく読み進めることが出来ました。
これもまた岡村賢二先生の手腕。
改めて明智光秀の生涯を振り返りたい時にはこれ以上ないぐらいに綺麗にまとまっている1冊です。
『ワカダンナ』塩川桐子
お次は江戸時代の市井の人々の暮らしを、ほっこりする日常のエピソードあり、笑えるエピソードもあり、さらには感動もありもいくつかの短編が収録されている傑作短編集漫画『ワカダンナ』です。
絵にもこだわりが感じられ、女性などは浮世絵のようなタッチで描かれておりとても面白いです。
特に表題作の「ワカダンナ」は、とても巧い物語の運び方で最後には心温まるのと同時にうるっとさせられます。
癒しにもなる良い雰囲気の江戸時代日常漫画になっており、多くの方におすすめしたい漫画です。
『闘茶大名 利休七哲』工藤かずや/西崎泰正
お次は日本の茶道のパイオニアである千利休の弟子達にスポットを当てた『闘茶大名 利休七哲』。
千利休は最終的に豊臣秀吉と仲違いしたことにより切腹する事になった――という逸話は有名なのですが、その逸話も含め利休七哲と呼ばれた武将達からの視点も描かれておりとても面白いです。
荒木村重や蒲生氏郷など、戦国武将としても有名な彼らの茶器への熱い想いや苦悩などが非常に濃く描かれており、単に利休と茶道の話ではなく「人生とは何か」まで考えさせられる傑作1巻完結漫画になっています。
利休の一生もざっくりとわかるようになっているので、千利休について詳しくない人にもおすすめできます。
『マタギ』矢口高雄
お次は若干現代に近すぎるようにも思いますが、ぜひ読んで欲しい今なお続く狩猟文化の1つである「マタギ」を描いた矢口高雄先生の『マタギ』です。
この『マタギ』は、「マタギ列伝」として当初連載されていたものが突如打ち切りとなり、新たに出版社を変えて再構築しつつ矢口先生が執念で描き直した作品です。
東北地方に今なお残る狩猟集団「マタギ」の実態を描いた作品で、特に中盤までのマタギの狩猟シーンと自然や動物への畏敬の念を忘れぬ姿勢は心を打ちます。
そしてこの作品は超ボリュームで、なんと800ページ超え。
『ゴールデンカムイ』などで阿仁のマタギを知った方などに是非読んでいただきたい大傑作漫画です。
『木枯し紋次郎』小島剛夕
何度もドラマ化や映画化もされている古典名作小説とも呼ぶべき『木枯し紋次郎』。
それをあの小島剛夕先生が漫画化したのがこの作品です。
ひたすらにシブくてかっこいい紋次郎が、飢饉や島流しなど、なんとも悲しく苦しい時代を生き抜いていく時代劇の傑作漫画になっています。
伝説の股旅であり、無宿渡世人である紋次郎のシブカッコよすぎる活躍とシビれる剣劇をぜひ読んでみて欲しいです。
まとめ:歴史・時代劇漫画を読んであの時代へ想いを馳せてみてはいかが?
僕、時代劇漫画大好きなんです。
漫画だけでなく、小説も大好物。
いいですよね、自然がたくさんあって、そりゃあ今よりは不便なことも多かったのでしょうが、それでも人々は工夫をしながら動物と自然と共生していて……。
そんな古き良き時代を感じられる歴史・時代劇漫画は、なんといっても激しいシーンの間の牧歌的描写が癒しポイント。
明日、どうなるかわからないからこその命の輝き。
ぜひあなたも、気になった歴史・時代劇漫画があれば読んでみてください。
そして少しの間のあの古き良き時代への妄想旅行、楽しんでみてください。
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