ホラー漫画の超重鎮であり、1960年代からホラー漫画家として数多くの作品を生み出して来た日野日出志(ひのひでし)先生。
僕は実家に数冊あって読んだことがあったのですが、正直子供ながらに気持ち悪かったですしあまり好きではありませんでした。
それが、大人になってebookjapanでセールしているのを見かけてなんとなく買って読んでみると……なるほど面白い。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
怪奇! 毒虫小僧 | 日野日出志 | ひばり書房 | 1975年 |
ただしこの『毒虫小僧』は1970年代の作品で、ちょっと現代のコンプライアンスから見るとかなりマズイような描写も正直多いです。
僕がebookjapanで購入した電子書籍版にも、巻末にその旨を伝える注意書きがありました。
それを許容できるのであれば、ぜひ読んでみて欲しい作品。
懐かしさを感じる絵のタッチに、ホラーなのに温かみを感じるストーリーと、まさに古き良き作品といった名作です。
因みに日野日出志先生はTwitterまでやっておられるので、ホラー漫画ファンはフォローしてみてください。
『怪奇! 毒虫小僧』を読んだら……
昭和ホラーの面白さを再確認できます。
『毒虫小僧』はどんな人におすすめ?
例えばドラえもんであったり、火の鳥であったり、ある程度古い年代の漫画のタッチって今とは全然違います。
現代の画風を否定するわけではもちろんなく、当時の主流であった描き方や道具の影響も大いにあると思うのですが、何と言いますか、温かみと面白みが古い年代の漫画にはあったように思うのです。
それが、タイトルでも書かせていただいた「味」というものの正体なのではないか、と僕は思います。
『毒虫小僧』は、普通の家庭に生まれた兄と妹を持つ少年「三平」くんが主人公。
冒頭から三平に異変が起きていることがわかり、ある意味想像通りに物語は展開していくのですが、ホラーですし気持ちの悪い描写もたくさんあるにも関わらず「面白み」が必ずあるのです。
これって言葉にしにくいのですが、独特のタッチから生まれる味、としか言いようがない不思議な魅力があるのです。
『毒虫小僧』というタイトルから想像できるように、三平くんはとんでもない変化を遂げてしまうのですが、下水道で楽しそうにする三平になぜかホッとしてしまったり、それでも孤独を感じている三平に同情してしまったり、とにかく恐ろしい対象であるはずの「毒虫小僧」に読んでいると親近感を持つようになります。
そして最後にはなんとも言えない寂しさを感じ、ホラー漫画を読んだ読後感とは思えない不思議な気持ちに浸れます。
この『毒虫小僧』をおすすめしたいのは、
ホラー漫画で新たな境地を開拓したい人
懐かしさを感じる絵のタッチでの漫画が読みたい人
古典的な漫画の面白みを味わいたい人
などには特におすすめです。
『毒虫小僧』を読んだ皆さんの反応
やはり、小さい頃に読むとトラウマになるんですかね笑
そう、しっかり読むと結構切ないお話だったりするのです。
毒虫小僧に対するツイートの多くは「トラウマになってる」というようなものなのですが、ちょいちょい「切ない」とか「悲しいお話」というツイートもありました。
そう、ただのホラー漫画ではないのです。そこには悲哀がある。
『毒虫小僧』で味のあるタッチの昭和ホラーを味わうべし
『毒虫小僧』を読む際には、ホラー漫画だと身構えずに普通に読み始めてみて欲しいです。
僕は途中何度か大いに笑いましたし、味のある絵に魅了もされました。
価値観が時代的にズレている部分も多いのですが、そこもまた楽しめるポイントになります。
そして三平が毒虫小僧となってからは、実に様々な感情で読むこともできました。
最後の1カットにあなたは何を思うのか?
気持ち悪かった、と思うか、切ない話だな、と思うか……。
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