「高校時代と言うのは僕が思っていたほど、はなやかでも楽しいものでもなかった……」
↑こちらは主人公が途中で言うセリフなのですが、なんだか僕もそんな感じだったような気がします。
タイトルの山羊座の友人と言うなんとなくほんわかしたイメージからは全く想像できないちょっと重めの雰囲気で構成された、暗くはあるけれどめちゃくちゃに面白くて切ない1巻完結漫画が今回紹介する『山羊座の友人』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
山羊座の友人 | 原作:乙一 作画:ミヨカワ将 | 集英社 | 2015年 |
この作品はミステリー小説で有名な小説家、乙一先生の小説をもとにコミカライズした作品です。
作画は『ST&RS -スターズ-』などが代表作で、コミカライズ作品を多く手掛けるミヨカワ将先生。
多くの伏線がちりばめられた作品なので、すべてのシーンが結末につながる大ヒントになっている可能性があり、非常に読み応えのあるサスペンス漫画に仕上がっています。
ここはもうさすがの乙一先生原作と言うほかありません。
しかし先に触れたようにほんわかした物語ではなく、いじめや殺人事件の絡む少し暗めの物語であることは覚悟しておいてください。
しつこく「ちょっと暗いよ」と書くのは、何を隠そう僕自身が想像してたのと違い過ぎて戸惑ったからです笑 でも、超面白くて一気に読んじゃいました。乙一先生原作の時点で十分察せられたはずだったんですが……。
『山羊座の友人』を読んだら……
極上のサスペンスに心震えました。
『山羊座の友人』はどんな漫画?
『山羊座の友人』は高校生たちの青春の1ページを描いた物語なのですが、それは決して明るい楽しい青春物語ではなく、いじめいやとある事件が中心の暗くて切ない物語になっています。
物語の構成はミステリー小説原作であるため非常によく作られているので、読み進めるうちに様々な伏線や謎が明かされていくサスペンスな要素もあるので読む手は止まらなくなります。
物語の核となるのが、主人公のユウヤと、凄惨ながいじめを受けているナオト。
ある日ナオトをいじめていた生徒が殺される事件が起き、一気に物語が進んでいきます。
学校生活でのよくある1部分を切り取ったような物語でもあるので、少し読んでいて胸が痛んだり懐かしい気持ちになったりもしました。
そしてすべての伏線が回収され結末を迎えた時、緻密な作りの物語に驚嘆するとともに様々なことに翻弄されながらも抗った登場人物たちを想い、切ない気持ちになるのです。
繰り返し書いているように少し重い話ではありますが、物語の運び方、繊細な作画のタッチ、そしてメッセージ性も含め非常に夢中になる素晴らしい1巻完結の漫画になっています。
高校生の彼らに何が起きどんな葛藤をし、どんな選択をしていくのかぜひ一緒に考えながら読んでみて欲しい作品です。
『山羊座の友人』を読んだ皆さんの反応
『山羊座の友人』は乙一先生原作で無数の伏線と衝撃的で切ない結末の傑作1巻完結漫画
この作品はタイトルにもあるように山羊座であったりヤギがちょっとした鍵になっています。
原作の乙一先生がなぜヤギを取り入れたのかまで深読みしながら読んでみるのも面白いかもしれません。
明るい話ではありませんが、非常に緻密に作り込まれた読み応えのある青春物語、そしてサスペンス要素たっぷりの漫画ですので試し読みだけでもしてみてください。
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詳細は記事にしてありますので、よければ読んでみてください。
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