かつて中国で広く行われていた風習である纏足(てんそく)というものをご存知でしょうか?
纏足とは、字を紐解くとわかるのですが、足を纏める(まとめる)と書きます。
そしてその字の通り、幼い頃から足の形を小さくするように矯正し、指を内側に折り曲げてしまうのです。
それを生涯続けることによって、足は変形し、普通ではあり得ない小さな足が出来上がります。
それは「足が小さいほうが美しい」という理由から始まった風習とされ、今はもう行われていないものの一時は纏足していない女性には貰い手がいなかった――と地域によっては語られるほど、女性の魅力の象徴であったこともあるのです。
※詳しくはwikipediaをご覧ください。ただし結構衝撃的な写真も載っているのでご注意ください。
今回ご紹介するのは、そんな纏足の風習が残っていた時代の中国での物語『戻ってくる春へ』です。
纏足を娘に強要しようとする母と、それが嫌で逃げ出す娘との衝撃的で感動的な物語になっています。
『戻ってくる春へ』は一言でどんな漫画?
纏足の文化が残る時代の中国での、母と娘の苦しみと葛藤の物語。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
戻ってくる春へ | オロオ | 35ページ | コミックDAYS |
『戻ってくる春へ』の超ざっくりあらすじ
花嫁修業中の少女・春華(チュンファ)は、日々厳しい母からの教育を受けていた。
春華は今教わっている花嫁修業が終われば、足を小さくする纏足をすることが決まっていた。
――その日、母親が留守にしている時間に、春華は窓の外に少年が佇んでいることに気づく。
春華は窓を開けて少年に話しかけると、少年は唐突に春華が首にかけていた布を奪い取り、逃げていく。
慌てて少年を怒りながら追いかける春華だったが、少年は実は京劇の劇団員であり、いつも窓の外を見ていた春華に京劇を見せてあげたくて誘導してきたのだと言う。
春華はそこで京劇の劇団員達と会い、自分が母親から受けてきた教育とは全く違う価値観の世界が存在していることを知り、衝撃を受ける。
しかし春華が京劇を見る前に、母親がやってきて春華は家へと連れ戻されてしまうことになり――。
『戻ってくる春へ』のネタバレあり感想
纏足という悪しき風習をモチーフにした作品で、女性達の本音と我慢とが上手く描かれていてなんとも考えさせられ、そして胸が苦しくなるような漫画でした。
纏足という風習について知ってはいましたが、しっかり調べてみるとかなり衝撃的。
足の形が結構ガッツリと変形してしまうまで矯正するのですね、纏足って……。
ある時代では纏足をした女性は男性からもモテたようなのですが、もちろん纏足したことによる弊害も多々あり、特に走れなくなってしまう(これは同時に逃げ出すこともできず、浮気なんかも出来なくさせるような意味合いもあったとか)事を知った時には衝撃を受けました。
つまりこれは男性目線で作られた悪習であり、中国に限らず日本も含めた多くの国で存在した(あるいはする)女性蔑視な風習なのです。
この漫画では、最後に母親が纏足によって縛られることの苦しさを娘に吐露し、娘もそんな母の告白を受けて「いつかきっと戻ってくる」と母に誓います。
最後のページでは、劇団員の少年と手を取り駆け出す春華の大きな足跡がアップで描かれ終幕。
纏足されていない春華は、縛られたくなかった女性たちの象徴であり、最後には縛られることを拒み新たな世界へ駆け出していく……。
感動的で構成も上手い、女性が女性としての生き方を取り戻す解放の物語でした。
『戻ってくる春へ』を読んだ皆さんの反応
『戻ってくる春へ』はかつて存在した纏足の風習を描いた衝撃読み切り漫画
纏足という衝撃的な風習をテーマにした作品 『戻ってくる春へ』 。
まるで男性のエゴの塊のような風習。
纏足は中国にあった風習ですが、日本も女性蔑視の風習は無数にあります。
いつか本当にそういった風習がなくなる世界が来る事を願うばかり。
もしまだ読んでいないのであれば、ぜひ読んであなたなりに考えてみてください。
そしてこの『戻ってくる春へ』が面白かったのであれば、作者である先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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