人類が切望しているものの未だ叶えられていない技術の1つが、地震の予測です。
今回ご紹介する佐武原先生の読み切り傑作漫画『いつか帰郷をくちずさんで』では、その地震の予測がある程度可能となった近未来を舞台に、予測されているからこその葛藤や備え方の違い、そして震災発生後の生活などが描かれます。
この作品はアフタヌーン四季賞2020春において四季大賞を受賞した作品で、それも大いに納得の社会派SF読み切り漫画になっています。
『いつか帰郷をくちずさんで』は一言でどんな漫画?
大地震が来ることがわかっているからこそ生まれる緊張感や大人の思惑など、多くのリアルな要素が詰め込まれた非常にう読み応えがあり考えさせられる傑作漫画。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
いつか帰郷をくちずさんで | 佐武原 | 52ページ | コミックDAYS |
『いつか帰郷をくちずさんで』ざっくりあらすじ
人口わずか1万2千人しかいない田舎町、槇路郡佐鳥町でくらす女性・みさ葵は、その日緊急地震速報を聞いた。
地震の予知がかなり前から可能となったその世界では、2か月後に起こる地震も予測することができ、その日みさ葵が目にした予報も、佐鳥町直下で2か月後に起こる震度7の地震の予測だった。
多くの住人が避難をしようとしている中、みさ葵はかつて仲の良かった友人・アキホと再会する。
その再会を機に、みさ葵は地震が来ることが予測されているその町を出るのではなく、逆に残る決意を固めていくことになるのだが――。
『いつか帰郷をくちずさんで』のネタバレあり感想
四季大賞を獲るのも大いに納得の、凄まじい作品だなぁ、というのがまず思ったところです。
まず読み始めてすぐにSFな未来予測な描写があるので、SF色の強い展開になっていくのかと思いきや、それはあくまでも必要最低限のアクセントでした。
核となるのは予測できる地震。
地震が予測可能となった世界では、何を備えて何をしなければいけないのか?
逃げる人もいれば逃げない人も出て来て、それにどう対応すべきなのか?
など、非常にリアルに描かれています。
そしてこの漫画が凄いのが、主人公のみさ葵が単に故郷へ残り奮闘するだけの物語ではなく、町を復興する為の先頭に立とうと志す部分です。
本当に自分が出来る事は何か? を考える中で、ひたすら汗水垂らして備える傍らを通り過ぎていく宣伝カーへ抱く怒り。
避難しないことについてなぜ?とわざわざ訪れるメディアへの呆れ。
そういった様々な大人の思惑渦巻く中で、実際に起こる地震。
読んでいてものすごい熱量を感じると同時に、無駄なく詰め込まれていて結末までキレイに終わる、すごい作品だなと思いました。
その後復興する姿を描く漫画が始まっても何ら違和感ないレベルです。
『いつか帰郷をくちずさんで』を読んだ皆さんの反応
『いつか帰郷をくちずさんで』は地震予測が可能になった近未来をリアルに描いた社会派SF傑作読み切り
読み切り漫画でこれだけの読み応え……すごいです。
地震大国日本は、こういった地震による災害が本当に絶えない国です。
だからこそ産まれた漫画なのでしょうし、だからこそ読んでおきたい漫画でもあります。
そして、この漫画で何か感じるところがあったのであれば、ぜひこの傑作を生みだした佐武原先生の事も応援してください。
追記:佐武原先生の新作読み切り、『宗教的プログラムの構造と解釈』もめちゃ面白い作品でしたのでぜひ読んでみてください↓↓
ブログ内で紹介してきた1巻完結・読み切り漫画の中から厳選した本気のおすすめ漫画特集、よければあわせて読んでみてください↓↓
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