そんなに昔でもないほどの昔、スマホもパソコンももちろんないけれど、そこには優しくて温かな日常がありました。
大正時代を舞台に、様々な人物の日常を「食事」や「おやつ」などを中心に描いていく漫画『こうふく画報』を今回はご紹介します。
優しくて、心温まり、ちょっと泣けるお話が詰まっている素敵な1巻完結の読み切り短編集になっているので、気軽にゆったりしたい時にでもお読みくださいませ。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
こうふく画報 | 長田佳奈 | ぶんか社 | 2017年 |
『こうふく画報』を読んだら……
大正時代ののんびりした空気感と素敵な人物、そしておいしそうなごはんとおやつに癒されました。
『こうふく画報』はどんな漫画?
『こうふく画報』は、全部で13の短編が収録された大正時代を舞台にした日常・グルメ漫画です。
ページ数は1巻完結漫画としては短めですが、13話あるせいか短いとは感じず、読後感も素敵な幸せな漫画でした。
それぞれのお話は読み切り作品になっていますが、この作品全体での世界観は統一されており、またゆる~く各話の登場人物同士が繋がっていたりもします。
ここでは、各話どんな内容かをざっくり簡単に、ネタバレしない程度にご紹介しますので、読もうか迷っている方は参考にしていただければと思います。
それぞれのお話には、「おまけ画報」として1ページのおまけ後日譚のようなものが挿入されます。それがまた良かったりします。
第1話:おかしなふたり
和菓子屋の主人と従業員の女性とのほっこりするお話。
おいしそうな豆大福が登場。
ちょっとダメな男性をしっかりした女性が支える、というのは1つの人類におけるパターンなのです。
第2話:悩みの箱
母親が作ってくれる手作り弁当にちょっと困っている息子と父のお話。
結局塩おにぎりがうまいのです。
第3話:お赤飯の日
とある理由で毎年決まった日に赤飯を炊くようにしている女性と、たまたま入って来たかわいい犬とのお話。
かわいいしほっこり。
第4話:戀の予感
コイの予感、と読みます。
下駄の歯入れ屋の男性と、喫茶店で働く少女の恋のお話。
諦めちゃダメだ!
第5話:小さな訪問者
いつも変わったお面をつけている書店の店主と、ふらっと寄った少女とのお話。
特に今の時代だからこそ響く、良いお話。
第6話:思えば思わるる
大正時代に限らずですが、昔は一般的だった「相手のことも良く知らないけれど見合いで結婚した」ような夫婦のお話。
それでも、少しずつお互いが意識しあっていて、ゆっくりと夫婦になっていく。
良いお話です。
第7話:良藥口に旨し
風邪をひいて寝込んでしまったお母さんを、息子2人と旦那さんが頑張って料理作ってあげるほっこりするお話。
最後のオチと、意外な人物の帰宅にちょっとだけ驚き。
第8話:勿怪の幸い
赤飯のお話での犬のご主人が登場。
大正時代版のわらしべ長者のようなお話で、人情を感じる心温まる良いお話。
あとやっぱり犬がカワイイ。
第9話:魔法の手
入院中の少年に、病院の院長が見せたちょっとした手品。
少年はそれに感動し、自分も医者を志すことに。
王道な展開ですが、じんわり感動する良いお話。
第10話:餅は餡でかたくなる
前話の医者イケメンが登場!
餅つきをしていたお家に訪れたイケメン医者に恋心を抱くかわいい少女のお話。
つきたてのおもち食べたいです。
第11話:最上のもの
病気で寝込んでしまっている少女と、その友人との出会いと日常のお話。
最後の何気ないおまけカットが沁みます。
番外編:或る日
主婦は臨機応変さが何より大切よね!というお話。
最終話:大團圓
最終話、大団円というタイトルの通り、これまで登場してきた人物が総動員され、みんなでお花見に。
いい時代だなぁ、なんて思わせる、最後まで心あたたまる素敵な良い最終話。
全話読んで、とてもやさしい映画を見た後のような、誰も傷つけない素敵な優しい漫画だったな、と感じました。
深く熱中するタイプの漫画ではありませんが、気軽にリラックスして読むときっと素敵な心地になれると思います。
『こうふく画報』を読んだ皆さんの反応
『こうふく画報』は大正時代を舞台に描かれる優しい食事と日常が楽しめるおすすめ1巻完結漫画
古き良き日本の大正時代を、本当に「古き良き」感じで描いてくれている漫画でしたのでとても良い心地で読むことができました。
それぞれのお話は短いのですが、それぞれにしっかり物語があるので気軽に読みつつもじんわりと感動したりあたたかい気持ちになれたり。
たまにはのんびり、ちょっとした幸せをもらえる漫画も読んでみてはいかがでしょうか?
1巻完結漫画ですので、サクっと読めるのも良い点です。
メインで利用する電子書籍サービスに悩んでいるようであれば、背表紙表示があるebookjapanがコレクション欲も満たしてくれるのでおすすめです。
詳細は記事にしてありますので、興味がありましたら読んでみてください。
優しくてあたたかな雰囲気と言えば、昭和の戦後を描いたこうの史代先生の漫画もおすすめです。
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