ワケあって親戚の家に預けられている少女は、おばさんと、その息子である男の子から理不尽な意地悪をされていた。
ウジ虫とまで呼ばれる少女を変えたのは、隣に住む男の子と一匹の猫。
虫と呼ばれた少女はその殻を破り前へ進むことができるのか?
――今回ご紹介するのは、光紡麦(こうぼうむぎ)先生による重苦しい環境に身を置いた少女の葛藤と成長の物語『変貌』です。
『変貌』は一言でどんな漫画?
親戚で預けられている少女の暗い心の内と変化が描かれるダークなヒューマンドラマ。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
変貌 | 光紡麦 | 43ページ | コミックDAYS |
『変貌』の超ざっくりあらすじ
親戚のおばさんの家へと預けられている少女・イチコは、毎日おばさんと、おばさんの子供にあたるいとこのニコに意地悪をされていた。
いとこのニコは足が悪く車椅子に乗って生活しているのだが、「足が悪いんだから」を大義名分としイチコに理不尽な意地悪を繰り返していた。
心もおかしくなりそうになるイチコだったが、ある日隣人の男の子・マオと猫のニャゴと出会う。
そしてその出会いがイチコにとっての大きな変化のきっかけになっていき、次第にイチコは前を向いて進むようになっていき――。
『変貌』のネタバレあり感想
非常に胸糞悪い環境に置かれている悲劇の少女・イチコ。
作中、イチコがなぜ預けられることになったか――という点についての説明はないので、あれこれ想像するしかないのですが、わずかにイチコから語られるセリフから読み取るにかなり絶望的な状況なようで……。
親戚のおばさんの家では、おばさんがまず超やなやつ。
さらに足を悪くしているいとこも性格最悪。
2人でタッグを組んでイチコへ意地悪する本当に読んでいても胸糞悪いレベルのイヤな2人です。
なんだこの地獄は……というような環境でのイチコちゃんの苦悩が描かれるので、ひたすらにイチコちゃんを応援する気持ちになります。
この作品で特に面白いと感じたのが、途中いとこのニコから「ウジ虫」と呼ばれてから、イチコ自身の絵が虫へと変わり、そのままになります。
漫画ならではの表現ですし、はっきりとイチコの心が閉ざされてしまったことを表してもいるのでしょう。
そして隣人のマオと出会い、イチコの心にも変化が起きます。
クライマックス、バケモノと化したニコに対して殺意をむき出しにするイチコと、虫の姿から脱皮して人へと戻るイチコの見開きページ……いやはや心動かされました。
最後にはマオの元へ駆け寄り一応のハッピーエンドで物語は終わるのですが、やはりどうしてもその後どうなるのか?と想像してしまいます。
簡単にその家から抜け出せるわけではないでしょうし(他に行く場所はないとイチコ自ら言ってましたし)、ギクシャクしたまましばらくは生活することになるのかも知れません。
あれこれ想像すればするほど、暗い気持ちになってしまいます。
総じて、短いながらも感情を揺さぶられ、怒りまで共有してしまうような漫画になってしました。
さらには途中からイチコが虫として描かれるという面白い手法によりクライマックスもより引き立つ、漫画的表現も楽しい読み切り作品になっていました。
『変貌』を読んだ皆さんの反応
『変貌』は親戚の家に預けられている少女の苦しみと成長を描いた読み切り漫画
上に貼り付けたツイートの1つはおそらくは光紡麦先生の担当編集さんだと思うのですが、11ページからというのは丁度イチコがニコにウジ虫と呼ばれ、絵柄が変わっていくところです。
確かにそこからクライマックスまでは凄く印象的でしたし、すごく面白かったです。
いとこはひたすら凶悪な怪物のように描かれ、おばさんも冷徹に描かれます。
そしてイチコは可愛らしく、それでいてどこか抜けているような虫の姿で描かれます。
クライマックスでその殻から脱皮し、また人間に戻るまではイチコは虫のまま。
とても挑戦的で面白い表現だったと思います。
ぜひ読んでいない方はご自身の目でその面白い表現を体験してほしいと思います。
そしてこの『変貌』が楽しめた方は、ぜひこれからの光紡麦先生の活躍にも期待し、応援してあげてください!
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