映画を見ていて食事シーンがあると、なぜかものすごく美味しそうに見えてしまう経験ありませんか?
食事に全く意味を持たせていないようなシーンでは違うかも知れませんが、がっつりと料理まで映してゆっくりと食べるシーンを入れている場合というのは、映画を作る側もかなり気合いを入れて「美味しそうに撮る」か、または「食事や食べ物自体に意味を持たせている」事がほとんどです。
故に、観客にとっては否が応でも強く記憶に残ることになります。
今回ご紹介する漫画は、思い出食堂コミックスで多数の作品を描いている福丸やすこ先生の、映画に出てくる食べ物だけを集めて構成された作品『シネマごはん』です。
おいしそうなもの目白押しなのはもちろんですが、映画もセットで観たくなるとてもお得で心温まる1巻完結漫画になっています。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
『シネマごはん』 | 福丸やすこ | 少年画報社 | 2019年 |
『シネマごはん』を読んだら……
映画で観たあのごはんが満載で楽しめます。 ラピュタも! ただしこの本は邦画のみです。
『シネマごはん』はどんな漫画?
『シネマごはん』は、映画大好きな女性「町野あかり」を主人公にした1巻完結のグルメ漫画です。
あかりはレンタルビデオ店で働いており、休憩時間の食事や回想、または旅行へ行くなどして様々な映画に出てきた食事を堪能していく、という内容になっています。
福丸先生のタッチはとても柔らかくて登場人物は皆かわいく、そして食べ物はしっかり美味しそうなのでお腹すくことは必至です。
お話は全14話になっており、それぞれが独立した読み切り漫画になっているので、好きな映画のお話だけ読むことも可能です。
主人公のあかりは作品全体を通して、少し前に亡くなってしまったおじいちゃんとの思い出を回想する事が多いのですが、そのおじいちゃんとの思い出がまたすごく温かくて、泣かされます。
ただのガチな映画オタク漫画にはなっていない点もおすすめしやすい点です。
どんな映画のお話が入っているか、映画についての簡単な情報と共に書き出しておきますので、読もうか迷っている方は参考にしてください。
収録作品タイトルと扱われている映画の情報
1品目:『幸福の黄色いハンカチ』のカツ丼
1977年の山田洋次監督の作品。
高倉健、倍賞千恵子、桃井かおりらが出演している名作ロードムービー。
2品目:『天空の城ラピュタ』の目玉焼きトースト
1986年公開のジブリ作品。
テレビでも繰り返し放送されているので、見たある人も多いはず。
3品目:『タンポポ』のラーメン
1985年公開の伊丹十三監督作品で、山﨑努、宮本信子、渡辺謙ら出演のラーメン屋立て直しコメディ。
4品目:『ジョゼと虎と魚たち』の玉子焼き定食
田辺聖子の恋愛短編小説を原作とする犬童一心監督による2003年の実写映画。
池脇千鶴と妻夫木聡主演作品。
5品目:『横道世之介』のベーコンチーズバーガー
2013年公開の吉田修一による小説原作で、沖田修一監督作品。
高良健吾と吉高由里子が主演。
6品目:『ALWAYS三丁目の夕日』の焼き鳥
西岸良平先生の漫画『三丁目の夕日』を原作とした2005年の実写映画。
山崎貴監督作品で、主演は吉岡秀隆。
7品目:『歩いても歩いても』のとうもろこしのかき揚げ
2008年公開の映画で、監督は是枝裕和。
主演は阿部寛。
8品目:『かもめ食堂』のおにぎり
群ようこの小説原作で2006年公開作品。
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ主演で監督は荻上直子。
僕も繰り返し見たとても素敵な作品。
9品目:『男はつらいよ』のステーキ
ご存知渥美清主演、山田洋次監督による大ヒットシリーズ。
1作目が公開されたのはなんと1969年のこと。
10品目:『耳をすませば』の焼きうどん
高橋一生さんがまさかの声優をつとめていた、柊あおい先生の漫画原作のジブリ作品。
キャッチコピー、「好きなひとが、できました」が最高。
11品目:『しあわせのかおり』のトマト卵炒め
2008年公開の三原光尋監督による作品。
中華料理店を舞台にした作品で、中谷美紀主演。
12品目:『がんばっていきまっしょい』のお好み焼き
敷村良子による小説原作で、磯村一路監督による映画。
1998年公開でなんとこの作品は田中麗奈のデビュー作。
13品目:小津安二郎のとんかつ
映画好きでは知らない人はいないであろう、日本映画の礎を築いた映画監督の一人である小津安二郎。
『東京物語』など世界的にも評価の高い映画を数多く撮った監督です。
漫画内では、この小津安二郎の話だけは特定の作品ではなく「小津安二郎ワールド」を堪能するエピソードになっています。
14品目:『湯を沸かすほどの熱い愛』のしゃぶしゃぶ
2016年公開、中野量太監督作品で主演が宮沢りえ。
国内でも賞を取りまくった感動作品。
『シネマごはん』を読んだ皆さんの反応
『シネマごはん』はあの映画で見た美味しそうな料理を食すノスタルジックでグルメなおすすめ1巻完結漫画
あなたの好きな映画はあったでしょうか?
もし見た事のない映画が多かったとしても、この漫画をきっかけにその映画を見てみる――なんていう楽しみ方もおすすめです。
さて、今回ご紹介した『シネマごはん』では邦画のみが紹介されている事に気付いたかと思います。
ここで朗報、なんとまたこの『シネマごはん』のシリーズが少年画報社のコンビニコミックスの「ひとりごはん」にて連載再開されたようなのです。
しかも、次は洋画シリーズ!
僕が映画を見て来た中で一番美味しそうだと思う料理が多く出てきた『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』も扱われたようなので、これはマジに単行本化が楽しみです。
↑『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』は、アイアンマンなんかにも脇役で出ているジョン・ファブロー監督による作品で、主演もジョン・ファブロー。とても素敵な映画です。僕的には息子の為に作ってあげたクロックムッシュ?が超絶美味しそうでした。
とにもかくにも、『シネマごはん』でお気に入りの映画とごはん、存分に楽しんでみてください。
メインで利用する電子書籍サービスに悩んでいるようであれば、背表紙表示があるebookjapanがコレクション欲も満たしてくれるのでおすすめです。
詳細は記事にしてありますので、興味がありましたら読んでみてください。
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