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人の醜さと命について考えさせられる読み切り『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』【おすすめ無料漫画】

伝染性はないものの、致死率が8割にものぼるという恐ろしい病「ルドラ病」。

そんな病が蔓延している世界は、どこかコロナ禍で大混乱に陥った現実世界とも似ており、また作中にワクチンが作られるまでの過程も非常に生々しく、そして醜い人間同士の心の有り様を描いているようでもある……。

――今回ご紹介するのは、現実世界ともリンクする、人間の汚さや命の重さなどについて考えさせられる久野田ショウ先生による深い読み切り『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』です。

『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』は一言でどんな漫画?

死病にかかった若い男性研究者と、ワクチン作製に必要な血を持つ一族の少女との深くて考えさせられる感動物語。

この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。

読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。

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タイトル作者本編ページ数読めるサイト
地球儀の陽のあたらざる裏がはに久野田ショウ56ページ少年ジャンプ+

『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』の超ざっくりあらすじ

余命5ヶ月と宣告された若い研究者・ナグニ。

ナグニがかかった病気は、「ルドラ病」と呼ばれる死病で、伝染性はないものの致死率が8割という非常に恐ろしい病であった。

そしてルドラ病を治す為のワクチン作製には、ナグニ達ナユタ人がかつて戦争をし迫害して北方に島へと追い立てたアマラ人の血が必要であることが判明する。

しかしアマラ人は公には存在しないとされており、見つけるのは困難。

そこでナグニは「少数民族が暮らす」と噂される地域へ1人赴き、アマラ人を探すことになる。

――ナグニは早速アマラ人を探す為に出かけたのだが、到着した終着駅にて高山病の為か倒れてしまう。

そこを偶然通りかかった少女・アハスラに助けられ一命を取り留めるのだが、アハスラこそがアマラ人であることが判明。

ナグニはなんとかアハスラから血を採取する術を考えるのだが……。

『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』のネタバレあり感想

死病の蔓延する世界での感動的な物語。

てっきりアハスラとナグニのハッピーエンドに向かっていく展開かと思って読んでいたのですが、かなり深くて衝撃的な展開になったので色々な意味で裏切られる作品でした。

舞台も日本ではなく架空の国が舞台で、ナユタ人とアマラ人という異なる人種同士での争いがあった――という設定になっています。

そして最終的に迫害されることとなったアマラ人こそが、死病に対抗する為のワクチンを作る為に必要、というとても皮肉で生々しい展開へと繋がっていきます。

中盤までにナグニがアマラ族を探してアハスラと出会い、なんかいい感じになるところまでは予測できる展開でした。

しかしその後のクライマックスへ向かってのアハスラの決断が、非常に重くて考えさせられるものでした。

ナユタ人からしたらアマラ人は今でも良いイメージのない種族。

そんなアマラ人へのイメージを強烈な衝撃をもって一変させるべく、アハスラはあえて自らが犠牲となることを選ぶのです。

冷静に考えれば、アハスラが生き残った状態で血をもらい続ける手段は他にもあるのです。

しかしそれではアハスラの考え通りにはならず、あくまでもアハスラは犠牲になる必要があったのです。

なんという覚悟。

そしてラストにはナグニが大衆の前で私情も含めた演説をし、人々の心に訴えかけます。

泣けました。

ただ、もっと深く考えてしまうと、やはりアハスラの犠牲なんていう悲劇を起こさずに皆が平和になる術があったんじゃないか? とも思います。

しかしながら世の中――というか人間はそんな甘くないから、やはり犠牲は必要だったようにも思えます。

う~ん、非常に重くて深くて考えさせられます。

最後には殺されてしまうからこそ、ジャンヌ・ダルクは聖人たりえたのか……

アハスラもまた、人間の醜さと素晴らしをわかった上での選択だったのかも知れません。

なんと美しい物語か!

非常に独特で深みのある読後感に浸れる良作でした。

『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』を読んだ皆さんの反応

『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』は人の醜さと命について考えさせられるおすすめ読み切り漫画

今回は久野田ショウ先生による『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』をご紹介しました。

コロナ禍に襲われた現実世界を彷彿とさせるような内容で、ワクチンを作るまでの過程もショッキングではありましたが非常に生々しく、感動的でした。

最後の主人公のスピーチ、泣けます。

もしまだ読んでいないのであれば、きっとあなたの心に響くものがあると思うのでぜひ読んでみてください。

そしてこの『地球儀の陽のあたらざる裏がはに』が面白かったのであれば、作者である久野田ショウ先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。

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